フリーランス

「タイ語を使って仕事をしたい」というご質問へのお返事(2021年追記)

タイ語を使って仕事がしたいという方から、質問をいただきました(ご質問いただいたのは2019年3月)。

ブログ読者の方
(日本在住)
ブログ読者の方
(日本在住)
会社を辞め、タイ語の通訳をしてみようと思っています。

前回の実用タイ語検定2級の試験は、残念ながら60点台前半で不合格でした。
今年再チャレンジする予定です。

余裕があれば、通訳案内士も受けてみようと思います。

そこで質問させてください。

  • 準2級レベルでも何とかなるものでしょうか。
  • 通訳派遣会社に登録する以外の方法はありますでしょうか。
  • 通訳をする上で、実用タイ語検定と通訳案内士のどちらが有利でしょうか。

正直、お答えするのが難しい質問で、どの程度お話しできるか、かなり悩みました…

可能な範囲で、と言うことになりますが、今回は、いただいたこちらのご質問へのお返事になるような記事を書いていきます。

2021年8月追記

本記事を書いた頃(2019年3月)と比べ状況が大きく変化しておりますので、内容を見直し大幅に削除・追記しております。

タイ語を使って仕事がしたい方へのアドバイス①|必要な語学レベルとは?

仕事に必要なタイ語レベル|実用タイ語検定準2級で仕事ができるのか?

まずはじめに、「準2級レベルでも何とかなるか」という質問。

これは、正直言って、これだけの情報では判断できません。

なぜか?

それは、「実用タイ語検定準2級持ってます」という情報だけでは、会話(スピーキング)のレベルが判断できないからです。
(実用タイ語検定準2級試験は、二次面接試験がありません)

実際に、実用タイ語検定2級(1・2級は二次面接がある)を持って(受けて)いなくても通訳の仕事をしている方をも勿論いらっしゃいます

ただ、その方々に共通して言えることは、タイ人とちゃんとタイ語でコミュニケーションできるスピーキング(+リスニング)能力があるということです。

要は実力の世界です。

検定試験などの資格は、「自分にどんな能力があるのか」を、初対面の相手の方に端的に伝える手段という側面があります。

試験結果を提示できるのが分かりやすいことは間違いないので、資格として持っておくことに異論はありません。

ですが、必ずしもその人の「その時点の」実力を表しているとは限らないため、能力があるなら、資格の有無はそこまで気にしなくていいのかなと。

通訳を目指すのであれば、「タイ人とのやり取りが問題なく行える能力が自分にはあるのか?」ということについて、一度考えてみると良いと思います。

そして、自分が希望する職種での仕事経験がある場合、資格よりも、その経験の方が優先される傾向があるように思います。

具体的には、通訳・翻訳の仕事を希望する場合、通訳・翻訳経験がある場合は、その経歴・実績を聞かれることの方が多いように感じています。

資格の話は、次の項目とも関連しますので、一旦区切って次へ進みます。



タイ語を使って仕事がしたい方へのアドバイス②|どの資格を持っているのが有利なのか?

続いては、こちらの「どの資格を持っているのが有利なのか」という質問。

タイ語を学習されている方からよく聞かれるのが、

ポーホックは受けておいた方がいいでしょうか?
タイ語検定は何級を持っていればいいでしょうか?
ポーホックは2年で失効しちゃうんだから、実用タイ語検定の方がいいんじゃないの?

といった質問です。

先に結論(私なりの考え)をお伝えすると、

  • 実力勝負の世界、かつ受け手の認知度次第なので、
    極論を言うと、資格の有利/不利はない

    ※ただし「全国通訳案内士」を除く

ということです。

要は受け手次第である、というのが大原則ですが、若干例外もあると思っているので、それを順にご説明します。

タイ語の有利な資格とは?|本帰国してからの私の体験談

ここで、少し私自身の体験談をご紹介します。

本帰国してすぐの頃の話です。

本帰国した時点で、私が保有していたタイ語関係の資格(と言えそうなもの)は、以下の3点でした。

Sripasa
Sripasa
当時はまだ通訳案内士試験に受かっていませんでした。

この3点を提示(提出)する機会が何度かあったのですが、その時いただいた反応は、それぞれでした。

例えば、

大学の先生
(タイ人)
大学の先生
(タイ人)
チュラ(のインテンシブタイ)を卒業したのね。
仕事関係者
(日本人)
仕事関係者
(日本人)
ポーホック受かってるんだよね?

このような反応でした。

ここから見えてくるのは、受け手がその資格(のレベル)をどれだけ知っているか、ということです。

タイ人の大学の先生は、チュラのインテンシブタイのコースのことをご存じでしたので、私がインテンシブタイを卒業している、と聞いて、私のタイ語のレベルを認識していただけたようでした。

一方、仕事関係の方は、タイ在住経験がある方でポーホックのレベル感をご存じだったので、このように質問されたわけです。

このケースはお二方ともタイに関係のある方でしたので、「チュラ」や「ポーホック」というキーワードで理解してもらえました。

そうではない方の場合(例えば多言語を扱う会社の人事担当者等)、このキーワードは恐らく意味をなさず、「タイ語検定試験〇級」という情報の方が、他の言語にもある「外国語の検定試験」という共通事項から語学レベルを推測しやすいので、理解してもらいやすいのではないかと。

その場合は、実用タイ語検定試験の方が、「ポーホック」や「チュラ卒業」よりも役に立ちますよね。

 
続いて、「通訳案内士(今の正式名称は「全国通訳案内士」)」が例外というのはどういうことか、という話をします。

タイ語の有利な資格|持っておいて損はない国家資格「全国通訳案内士」

全国通訳案内士登録証
全国通訳案内士登録証

全国通訳案内士は国家資格です。

日本でガイド関係の仕事をしたいと考えている方は、持っておいて損はない資格だと感じています。

レベル感などは、『実用タイ語検定1級・2級と通訳案内士試験の難易度比較&2級合格の対策』の中で比較・考察していますので、そちらをご覧ください。
(通訳案内士一次試験の過去問も記事内のリンクから閲覧可能です。)

一方、法律上は、2018年1月の法改正で、日本国内で有償で観光案内を行う場合に、必ずしも資格(通訳案内士)が必要ではなくなりました。

通訳ガイド制度について、改正通訳案内士法が平成30年1月4日に施行されました。
通訳案内士の名称が「全国通訳案内士」となるほか、通訳案内士の業務独占規制が廃止され、資格を有さない方であっても、有償で通訳案内業務を行えるようになるなど、通訳案内士制度が大きく変わりました。

出所:観光庁ウェブサイト(http://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/kokusai/tsuyaku.html

とはいっても、「全国通訳案内士」という資格自体がなくなるわけではありません。

この資格は、旅行業界では圧倒的な知名度がある資格ですし、法改正が行われて誰でも有償でのガイド業務ができるようになっても、「より信頼できる人材」を選ぶ手段として、ひき続きこの「全国通訳案内士」という資格が活用されるのではないかと、私個人は感じています。

「全国通訳案内士」の資格を持っている

語学能力はもちろん、地理・歴史・通訳案内実務の基礎知識について、一定レベルの知識がある

と一般的には認知されていますので、雇い主側から見ると、ガイド業務を依頼しやすいですよね。

また、全国通訳案内士の言語は、全部で10言語(英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、韓国語、タイ語)ありますが、タイ語の有資格者は少ないので、希少性があります。

Sripasa
Sripasa
以前、全国通訳案内士試験合格者向けの研修に参加したことがあります。

全部で150名ほどの研修だったのですが、タイ語で参加しているのは私1人でした。

めずらしいようで、他の言語の通訳案内士の方と話しても、びっくりされることが多かったです。

関連記事

通訳案内士試験(タイ語)合格体験記

全国通訳案内士の2次試験(面接)対策



【参考までに】私がはじめて引き受けた仕事の話

当時と現在(2021年)では状況が異なるためあまり参考にならない話かもしれませんが、私が最初に引き受けた仕事についての話をしたいと思います。

私が最初に受けたタイ語関係の仕事は、クラウド翻訳サービスでの翻訳業務でした。

当時はタイから帰国してすぐの頃で、自分の能力で仕事ができるのかどうかが、よくわからない(つまり、自分の能力に自信が持てない)時期でした。

そういった状況だったのですが、以前語学堪能な友人から教えてもらっていたクラウド翻訳サービスでチェックしてみたところ、ちょうど大型翻訳案件(日本語→タイ語)の募集が出ていました。

Sripasa
Sripasa
日本語からタイ語かぁ…

私にできるだろうか…

という不安な気持ちは勿論あったのですが、当時は仕事を選べるような状況ではなかったのと、「正式採用の前にトライアル試験を行い、その内容で採用可否を決める」とあったので、

Sripasa
Sripasa
能力がなければ落とされて終わるだけなので、とにかくトライしてみよう。

ダメだったらタイ語はあきらめて、他の(前職に近い)仕事を探そう。

と思い応募してみたのがきっかけです。

結果、トライアル試験を通過し、仕事をさせてもらうことに。

それまで(タイから日本に本帰国するまでは)、タイ語を使って仕事をすることはほとんど考えていなかったのですが(できると思っていなかった)、自信に繋がりましたし挑戦してみてよかったと思う案件でした。

2021年8月追記

現在(2021年)は、当時と状況が異なります。
クラウド翻訳サービスでの仕事の見つけやすさも、当時とは異なることが推察されますのでご了承ください。



さいごに|個人で働くということ

最初の質問に戻ります。

通訳としてタイ語を使って仕事がしたいというご質問でした。

もちろん、会社に所属して通訳として働く選択肢もあると思いますが、個人事業主としてフリーで仕事を請け負う形もあります。

その場合、食べていけるほどコンスタントに仕事を受けるのは、そんなに簡単な話ではありません。

タイ語に限らず、フリーランス全般に言えることでしょうが、会社の看板無しで仕事をしていくのは大変なことです。

質問者様は会社を辞めて通訳になることを想定されているようですが、すぐに仕事が見つかればいいですが、こればかりは分かりません。

現在(2021年)は、このお返事をした頃(2019年)と比べ状況が大きく変化しています。

仕事を見つけるのは従来以上に難易度が上がっています。

そのため、私個人の意見として申し上げたいのは、フリーになる前に、

  1. 最低でも1年間(心配な方は+α)は、仕事がなくても生活していけるだけの資金を貯える
  2. 国家資格「全国通訳案内士」を取得する
  3. 最低でも実用タイ語検定2級に合格する(ほどの実力を身につける)

これら(①は必ず、②か③はどちらかは必ず)を完了させた上で会社を辞めた方が、辞めた後のリスクが減ると思います。

副業OKの会社であれば、専業ではなくまずは副業から始めてみるのも良いと思います。

引き受けられる仕事量が減ってしまうものの、気軽に始められますので。

最後に、今回お話したことを纏めた上で、質問者様に回答するとすれば、以下の通りとなります。

質問への回答(2021年8月一部追記)

準2級レベルでも何とかなるものでしょうか。
本人の実力次第です。
特に通訳は会話能力が求められますので、スピーキング・リスニング能力と、関係する業種の知識が備わっていれば、十分に仕事ができるかと思います。ただし、現在(2021年)は仕事を得るのは難易度が高いと思われます。

通訳派遣会社に登録する以外の方法はありますでしょうか。
クラウドソーシングで仕事を探す方法もありますが、現在(2021年)は非常に難易度が高いと思われます。

通訳をする上で、実用タイ語検定と通訳案内士のどちらが有利でしょうか。
日本でのガイドの仕事を少しでも考えているなら、全国通訳案内士の資格が有利かと思います。
前述の通り、語学能力を証明できる国家資格ですから、持っていて損はありません。
(勿論、簡単な試験ではありませんが、それだけ希少価値があるということです)
ただし、ガイドの仕事自体、現在(2021年)はかなり厳しい状況と言えます。

今回のお返事が何かしらの参考になれば幸いです。