タイ語勉強法

タイ語の単語の調べ方、タイ語(タイータイ)辞典(アプリ)の使い方とタイ日辞書の話

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ブログを読んでくださっている方から、以前このような質問をいただきました。

ブログ読者の方
ブログ読者の方
辞書を引きながら原書などを読んでも、辞書に書いてある意味が完全に一致しない場合が多く、単語が曖昧なままの理解になり習得できていません。

そこで、今回の記事では、分からない単語が出てきた時の単語の調べ方と、私自身が使用している辞書についてまとめてみたいと思います。

本記事で解説していること
  • タイ語の単語の調べ方
  • タイータイ辞書と、アプリ版の使い方
  • タイ日辞典の話

では、はじめます。

関連記事

タイ語学習中に使っていた辞書の話

分からないタイ語の単語が出てきた時の対処法

手元にあるハードカバーの辞書を引く

私は主に『タイ日大辞典』を使っています。
(2023年に『タイ日大辞典改訂版』が発売されています)

単語によっては手元にある他の辞書でも調べます。

タイ⇔日のアプリの辞書を引く

タイ日辞書アプリ「J-Doradic」
タイ日辞書アプリ「J-Doradic」

Google翻訳にかける

「日⇔タイ」でヒットしない時は「タイ⇔英」「英⇔日」でもかけてみます。固有名詞などはヒットすることもあり、意外に侮れません。

「知りたい単語(タイ語)+ หมายถึง(mǎay thɯ̌ŋ:意味する)」でGoogle検索をかけてみる

タイ語の情報で使えそうなものがないかを探します。

単語が名詞の可能性が高ければ、知りたい単語(タイ語)でGoogle検索をかけてみて、画像を出してみることもあります。

สำนักงานราชบัณฑิตยสภา(Office of the Royal Society/タイ王立学院、旧名は「ราชบัณฑิตยสถาน/Râacha bandìtàyásàthǎan/王立学士院」)のタイ-タイ辞書(ハードカバーまたは無料アプリ)で検索する。
(詳細は後述)

タイ-タイ辞書アプリ(タイ王立学士院)
タイ-タイ辞書アプリ(タイ王立学士院)

ここまで調べて、おぼろげにでも日本語の意味が想定できる場合は、手持ちの日タイ辞書(*)で逆引きしてみたり、『タイ事典』などの(辞書ではない)書籍に関連情報がないか調べてみる。

(*)日タイ辞書の一例
:『日タイ ビジネス辞典』、『日タイ会計・税務辞書』
(どちらもバンコク・紀伊國屋で購入)

ここまでやっても解決できない時は、最終手段としてタイ人に質問し教えてもらう

タイ人の友人に一度質問した単語は、できるだけ整理してブログや手元の単語ノートに記録していますので、未だに自分では解決できない単語に出くわすとは言え、その頻度は若干は減ってきているかな…という印象です。

また、タイ語は英語やその他のメジャーな言語のように常に日本語訳がバシッと出てくる訳ではないので、適切な日本語がどこにも載っていなかったり出てきた日本語が文章の内容に照らすとそぐわなかったり…ということが割とあります。

その場合は、上記の手段でタイ語の意味をしっかり理解してからですが、一番適切だと思う日本語を訳語として自分で当てはめることも必要になってきたりします。

辞書を散々調べて日本語が出てこなかったり、出てきた日本語がしっくり来ないとがっかりしてしまうのですが(加えて、散々探して見つからなかった単語が実はスペルミスだった、なんていうことも結構あります…)、これも『マイナー言語(タイ語)の醍醐味』と割り切って、前向きに捉えることにしています。



タイ王立学院の「タイ-タイ辞書」アプリ

『สำนักงานราชบัณฑิตยสภา(Office of the Royal Society/タイ王立学院)』のタイ-タイ辞書アプリは、タイ-タイ辞書が欲しいと思っている方におすすめのアプリです。

タイ-タイ辞書アプリ(タイ王立学士院)

アプリの正式名称は、『ราชบัณฑิตยฯโมไบล์ : พจนานุกรมฉบับราชบัณฑิตยสถาน พ.ศ. ๒๕๕๔』です。

アプリは無料で使用(利用)可能です。

【ご参考】タイの「王立学士院」(現「王立学院」)とは?

王立学士院(ราชบัณฑิตยสถาน)

学術の振興、諸学問分野の交流促進、公的機関の学術支援を目的として、1933年に旧来の王立学士会議を改変して設置された独立機関。

(中略)

…多くの事業を展開しているが、最も著名なのは、タイ語辞典の編纂刊行である。50年に初めて発刊され、82年および99年に改訂版が出されている。この辞書に収録された語彙およびその綴りが「正しいタイ語」とみなされている

出所:『タイ事典』pp78~79より引用(太字は著者)

私は、王立学士院発行の2554年版(西暦2011年版)のハードカバーのタイ語辞典(国語辞典)である『พจนานุกรมฉบับราชบัณฑิตยสถาน พ.ศ.๒๕๕๔』を持っているのですが(2015年に購入)、こちらと同じ内容がこのアプリで手に入ります。

王立学士院発行のタイ語辞典(国語辞典)『พจนานุกรมฉบับราชบัณฑิตยสถาน พ.ศ.๒๕๕๔』
王立学士院発行のタイ語辞典(国語辞典)『พจนานุกรมฉบับราชบัณฑิตยสถาน พ.ศ.๒๕๕๔』
【写真左】王立学士院発行のタイ語辞典(国語辞典)『พจนานุกรมฉบับราชบัณฑิตยสถาน พ.ศ.๒๕๕๔』

ご覧の通り、ハードカバーは、厚みもあって非常に重いです。

持ち運びが難しいので、使い勝手が良いとは言いにくいのですが、このハードカバーで調べるのと同じ内容がアプリで(しかも無料で)入手できるので、かなり重宝しています。

タイータイ辞書アプリの検索方法(iPhone)

iPhoneでのアプリの検索方法(の一例)をご紹介します。

『สำนักงานราชบัณฑิตยสภา(Office of the Royal Society/タイ王立学院)』のタイ-タイ辞書

App Storeの検索窓に「office of royal society」と入れると、上記画像のように、こちらのアプリが出てきます。

2021年12月に確認したところ、なぜか2種類出てくるのですが、下の方がアップデートされていて新しい印象を受けましたので、下の方のアプリをダウンロードして使用しています。
(ですが、試しに上の方のアプリもダウンロードして使用してみましたが、やや見た目は違えど普通に使うことはできました。)

私が使用している下の方のアプリは、アプリの「情報」内の「コピーライト」が「©️2016 Royal Society」となっているものです(下の画像参照)。
(上の方のアプリは「コピーライトが「©️2015 Royal Society」となっています。見分ける際の目印にしていただければと。)

『สำนักงานราชบัณฑิตยสภา(Office of the Royal Society/タイ王立学院)』のタイ-タイ辞書

タイータイ辞書アプリの使い方

アプリを開くと以下の画面が出てきますので、上の検索窓(グレーがかったボックス)に検索したい単語をタイ語(タイ文字)で入力します。

『สำนักงานราชบัณฑิตยสภา(Office of the Royal Society/タイ王立学院)』のタイ-タイ辞書

ここでは「ออฟฟิศ(オフィス、※英語「office」が語源)」という単語を例に挙げ、調べてみます。

「ออ」と途中まで入力すると、「ออ」で始まる単語が一覧で出てきます。

『สำนักงานราชบัณฑิตยสภา(Office of the Royal Society/タイ王立学院)』のタイ-タイ辞書

ここまでで自分の調べたい単語が出てくれば、その単語をクリックすると単語の意味を確認することができます。

「ออฟ」まで入力してみます。

「ออฟ」で始まる単語は一語(「ออฟฟิศ」)しかないことがわかります。

『สำนักงานราชบัณฑิตยสภา(Office of the Royal Society/タイ王立学院)』のタイ-タイ辞書

先ほどの画面で「ออฟฟิศ(オフィス)」をクリックすると、意味がこのように出てきます。

『สำนักงานราชบัณฑิตยสภา(Office of the Royal Society/タイ王立学院)』のタイ-タイ辞書

このアプリの個人的に気に入っているところは、綴りを間違えると単語が出てこないところです。

以下の画像は、試しに「ออฟฟิส」と入れてみたものです。

正しい綴りは「ออฟฟิศ」なので、「ออฟฟิส」と入れても単語が出てこないことがわかります。

『สำนักงานราชบัณฑิตยสภา(Office of the Royal Society/タイ王立学院)』のタイ-タイ辞書

そのため、記憶が不確かで綴りを確認したいときにも、このアプリが使えます。

ご参考までに、紙の辞書(王立学士院発行の2554年版(西暦2011年版)タイ語辞典『พจนานุกรมฉบับราชบัณฑิตยสถาน พ.ศ.๒๕๕๔』での「ออฟฟิศ」の説明はこちらです。

王立学士院発行のタイ語辞典(国語辞典)『พจนานุกรมฉบับราชบัณฑิตยสถาน พ.ศ.๒๕๕๔』
王立学士院発行のタイ語辞典『พจนานุกรมฉบับราชบัณฑิตยสถาน พ.ศ.๒๕๕๔』内の「ออฟฟิศ」の説明

同じ辞書なので当たり前といえば当たり前ですが、アプリでの「ออฟฟิศ」の説明(↓※再掲)と見比べても、同じことが書かれていることがわかります。

『สำนักงานราชบัณฑิตยสภา(Office of the Royal Society/タイ王立学院)』のタイ-タイ辞書

別の単語でのアプリの使用例を以前ツイートしていましたので、こちらも載せておきます。

このアプリの存在は、タイ人の友人から教えてもらいました。

2016年頃教えてもらったのですが、あまりの使い勝手の良さに、最初は驚きました。

Sripasa
Sripasa
わざわざ分厚い辞書を買ったのに…(涙)

という話は言わないでおきたいと思います。。。

タイ-タイ辞書をお探しの方は、情報量としてはこちらのアプリが1つあれば十分だと思います。

勿論パラパラめくって調べたい前後の単語をざっと眺めることもできますのでハードカバーの良さもあると思います。

持ち歩くことを念頭に置く必要がない場合は、紙の辞書(ハードカバー)のほうが文字が大きくて読みやすいという印象です(アプリは文字が小さいです)。


紙の辞書はタイの書店で購入可能です。

数千円(私が購入した際は750バーツでした)で購入できますので、アプリとは別に一冊手元に置いておいても損はないかと。



中級レベル向けタイ日辞書2種

中級レベル向け辞書とタイ日大辞典

【2018年版】[タイ語]分からない単語が出てきた時の調べ方【おすすめの辞書・レビュー・比較】

私は通常『タイ日大辞典』を使用しています(上の写真左の赤い辞書)。

この辞書は素晴らしく、ほぼ毎日使用していて愛着もありますし、個人的に大好きな辞書な辞書です(使い込んでいることが写真からも分かるかと思います)。

ですが、現在(2018年時点)は入手が難しく(私が購入した2012年ごろは、まだ新品が販売されていましたが)、人におすすめしにくいことを残念に感じていました。

→2023年6月に『タイ日大辞典改訂版』が発売されました!
(嬉しいですね!)

先日、タイ語レッスンの生徒さん(中級レベル)の一人が辞書を買う段階になったので、ちょうど良い機会と思い、私自身も以下の2冊の辞書を購入してタイ日大辞典と比べてみることにしました。

プログレッシブ タイ語辞典』(2017年3月初版)

パスポート初級タイ語辞典』(2018年9月発行)

※どちらも、タイ文字の読み書きができる方が対象の辞書です。

結論から言いますと、上述の2種の辞書とタイ日大辞典では収録語数がかなり違いますので、完全に『タイ日大辞典改訂版』に取って代わることは難しいという印象です。ニュースを読んで調べたい単語があっても、辞書を引いて出てこないこともありました。

ですので、ある程度じっくりタイ語と向き合っていきたい(例えば上級レベルまで到達することを目指している等)という方は、中級レベルから頑張って『タイ日大辞典改訂版』を使っていくのも一案かと思います。

ただし、辞書を引くのにどうしても時間がかかってしまうので(単語量が多いため)、慣れるまでは辛抱が必要です。

一方、そこまで急がずに少しずつステップアップしていきたい、という方は、中級レベルの辞書で辞書の引き方などを慣らし、慣れて徐々に単語量に物足りなくなってきてから『タイ日大辞典改訂版』を使い始める、というのも良いと思います。

なお、私自身は中級レベルの頃(2010年)、『タイ日・日タイ 簡約タイ語辞典』を使用していました。
例文などは載っていないものの、持ち運びができタイ日、日タイ両方が載っていたので重宝していました。

※私自身が学習の過程で使用していた辞書については、こちらの記事内で学習方法とあわせご紹介しています。どうぞあわせてご覧ください。

タイ語中級レベル向け辞書

ここからは、タイ語中級レベルの辞書として使える『プログレッシブ タイ語辞典』と『パスポート初級タイ語辞典』をご紹介していきます。

プログレッシブ タイ語辞典
プログレッシブ タイ語辞典
パスポート初級タイ語辞典
パスポート初級タイ語辞典

この2つの辞書を比べると、それぞれ以下のような特徴があると感じています。

  • 『パスポート初級タイ語辞典』と比べ、『プログレッシブ タイ語辞典』は、例文や用例、複合語、派生語などが、より多く・見やすく掲載されている。
  • 『プログレッシブ タイ語辞典』と比べ、『パスポート初級タイ語辞典』は、単語数(見出し語)がより多く掲載されている
参考:見出し語

両辞書の見出し語ですが、辞書内の情報によると、それぞれ以下の通りです。

・『プログレッシブ タイ語辞典
⇒約4,200語

・『パスポート初級タイ語辞典
⇒約5,200語

『プログレッシブ タイ語辞典』

プログレッシブ タイ語辞典
プログレッシブ タイ語辞典

それぞれの辞書に対する私個人の印象は次のとおりです。
(使用を続けて印象が変わった部分に関し、2021年12月に追記しました)

『プログレッシブ タイ語辞典』について

◆中級までの学習であれば、『プログレッシブ タイ語辞典』の方が、より見やすく調べやすいと思います。
例文や関連するフレーズも多く紹介されています。


フレーズごとに改行されていて、単語が探しやすいのが非常にポイントが高いと思います。
単語ごとにスペースでしっかり区切りをつけてくれているのも、見やすくて良いなぁと。


タイ語(タイ文字)の辞書に少しずつ慣れていきたいという方には、ピッタリの辞書ではないかと思います。
(逆に、後述する『パスポート初級タイ語辞典』は、派生語は一部省略して書かれているので、文字に慣れていない方には最初は少し難しく感じられるかもしれません)

『パスポート初級タイ語辞典』

パスポート初級タイ語辞典
パスポート初級タイ語辞典
『パスポート初級タイ語辞典』について

◆中級から先も使うことを考えると、個人的な意見ですが『パスポート初級タイ語辞典』の方が単語数が多いので、より使える範囲が広いかな、と感じています。


コンパクトながらも見出し語が1,000語ほど多いというのが、ポイントが高いかと。


ニュースを読むようになると語彙が求められるので、少しでもたくさんの語が掲載されている辞書を選んでおく、というのも選択肢の一つかと思います(ただし、前述のとおりニュースに出てくる単語をすべてカバーしている訳ではありません。これは『プログレッシブタイ語辞典』も同様です)。

あえてマイナス(に感じる)点も挙げます。
前述のとおり、派生語は単語が一部省略して書かれています。そのため、タイ文字に慣れていない方には単語を探すのが難しく感じられるかもしれません。

見出し語には読み方(発音記号・カタカナ)が付されている一方、派生語には読み方が付されていません(そういう点では、初級の方には少しハードルが高いかもしれません)。
そのため、読み方を確認するために辞書を開いても、派生語の場合は発音記号を確認できない…ということが起こります。

また、やや綴りの間違い(タイ語・発音記号)が見受けられます。
こちらはいずれ解消されていくとは思いますが、辞書なのに間違いがあることにストレスを感じるかもしれないので注意が必要です。

Sripasa
Sripasa
但し、現時点での感想ですので、引き続き使用してみて、印象が変われば内容を変更(追記)させていただきます。
予めご了承下さい。