外国で、何かをリクエストしたいときってありますよね。
何かを教えてもらいたかったり、タクシーを呼んでほしかったり。
今回の記事では、そんな、タイ語で何かを依頼するとき使えるフレーズを2つ、ご紹介したいと思います。
この2つは、使い方が真逆になりうるのものなので少し気をつける必要はありますが、ほんのちょっとした「ポイント」を理解しておけば、全く難しいものではありません。
実体験にもとづく、リアルな『間違った』使用例もご紹介します。
ぜひ最後までご覧いただけると嬉しいです。
それでは、はじめましょう。
タイ人に依頼したいときに使えるフレーズ2種
タイで、またはタイ人に「頼みごと」をするのに使えるフレーズは、こちらの2つです。
- ขอ+動詞+หน่อย(khɔ̌ɔ+動詞+nɔ̀i / コー+動詞+ノイ)
- ช่วย+動詞+(ให้)หน่อย(chûai+動詞+(hâi)nɔ̀i / チュアイ+動詞+(ハイ)ノイ)
この2つの言い回しの違いを、これから見ていきます。
間違った使用例|タイ人に何かをリクエストする時に言う表現
実際のシチュエーション(間違った使用例)
先日、とあるタイ人の方と初めてお会いする機会がありました。
私から自己紹介をし、「是非(私の)名前を覚えてくださいね。」といった趣旨のことを伝えたくて、自己紹介に次の文を添えました。
(khɔ̌ɔ cam chɯ̂ɯ nɔ̀i ná khá / コー ジャム チュー ノイ ナ カ)
同行していた日本語が堪能なタイの知人が、すかさず
(chûai cam chɯ̂ɯ nɔ̀i ná khá /チュアイ ジャム チュー ノイ ナ カ)
と訂正してくれました。
ダメだった点とポイント
間違って直してもらった文章を、もう一度見てみましょう。
〈誤〉
ขอจำชื่อหน่อยนะคะ
(khɔ̌ɔ cam chɯ̂ɯ nɔ̀i ná khá)
(コー ジャム チュー ノイ ナ カ)
〈正〉
ช่วยจำชื่อหน่อยนะคะ
(chûai cam chɯ̂ɯ nɔ̀i ná khá)
(チュアイ ジャム チュー ノイ ナ カ)
このシチュエーションの場合、①ขอ(khɔ̌ɔ)のフレーズではなく、②ช่วย(chûai)のフレーズを使うべきでした。
では、①ขอ(khɔ̌ɔ/コー)と、②ช่วย(chûai/チュアイ)のフレーズには、どういった違いがあるのでしょうか。
詳しく見ていきます。
「ขอ…หน่อย(コー…ノイ)」と「ช่วย…หน่อย(チュアイ…ノイ)」との違い【タイ語でリクエストする際の言い方】
(khɔ̌ɔ…nɔ̀i / コー…ノイ)
⇒ขอ(khɔ̌ɔ / コー)に続く動詞の主体者は「自分」。
「自分」が…させてもらう、という文章に用いる。
「ขอ(khɔ̌ɔ / コー)」の使い方については、別記事『コー(ขอ)の2つの使い方「〜させてください」「〜をください」』の中で詳しく解説していますので、どうぞあわせてご覧ください。
(chûai…(hâi)nɔ̀i / チュアイ…(ハイ)ノイ)
⇒ช่วย(chûai / チュアイ)に続く動詞の主体者は「相手」。
「相手」に…をしてもらう、という文章に用いる。
※ช่วย…ให้หน่อย(chûai…hâi nɔ̀i / チュアイ…ハイ ノイ)と、動詞の後ろに「ให้(hâi / ハイ)がつくと、「私のために…してください」というニュアンスが加わります。
先ほどの間違った使用例のシチュエーションに話を戻します。
このシチュエーションの場合、จำ(cam / ジャム / 覚える)という動作をするのは、自分ではなく相手なので、ช่วย(chûai / チュアイ)を使うべきことが分かります。
にもかかわらず、私は「ขอ(khɔ̌ɔ / コー)」を使ってしまったので、「(私に)名前を覚えさせてください」という、非常におかしな文章になってしまったのでした。
まとめ|タイ人に「頼みごと」をするのに使えるフレーズ2種
本記事では、タイ語で依頼をしたいときに使えるフレーズについて見てきました。
まとめると、以下の通りです。
- ขอ+動詞+หน่อย
(khɔ̌ɔ+動詞+nɔ̀i)
(コー+動詞+ノイ)
⇒「…させてください」
(動作の主体者は自分)
- ช่วย+動詞+(ให้)หน่อย
(chûai+動詞+(hâi)nɔ̀i)
(チュアイ+動詞+(ハイ)ノイ)
⇒「…してください」
(動作の主体者は相手)
と整理できました。
最初に挙げた例に戻りますと、
何かを教えてもらいたいときは、「質問させてください」という聞き方をするのが通常ですが、この場合、質問するのは自分なので、ช่วย(chûai/チュアイ)ではなくขอ(khɔ̌ɔ/コー)を使います。
タクシーを呼んでほしいときは、実際にタクシーを呼ぶ(呼び止める)のは相手なので、ขอ(khɔ̌ɔ/コー)ではなくช่วย(chûai/チュアイ)を使います。
このように、動作の主体者(動作主)を考えることで、どちらのフレーズを使えばよいかが分かります。
私も混乱しそうになったら、このことを思い出して、口に出す前に依頼したい動作(動詞)を思い描くようにしています。
かなり恥ずかしい出来事でしたので、そのおかげで、以降は気をつけるようになり、現在に至っています。