2年間ほど、タイ語と日本語をオンラインで教えておりました。
タイ語を日本人に、日本語をタイ人に教える一対一のプライベートレッスンです。
個人で教えていたのですが、やり方を聞かれることがあるのと、ここ最近オンライン授業のニーズも高まっていますので、
本記事では
- 語学のオンラインレッスンを始めるにあたり、用意したいもの
(講師側の視点) - オンラインレッスンで語学を教える際に気をつけたいこと・ポイント
- 私が考えるオンライン語学レッスンのメリット
この3点について、私自身の経験をもとにお話しします。
できるだけ今手元にあるもので、すぐに始められるやり方です。
なお、本記事内の「オンラインレッスン」は、一対一のプライベートレッスンを想定しています。
では、はじめます。
Zoomでレッスンを行うようになり、Zoomのホワイトボード機能が非常に使いやす位ことがわかり別記事にまとめています。ぜひそちらもあわせてご覧ください。
語学のオンラインレッスンを始めるにあたり、用意したいもの
教える側に立つと、レッスンをオンラインで始めるにあたり用意したいものは、以下の4点です。
- 安定したWiFi環境
- テレビ電話が可能なプラットフォームへの登録
(Zoom、Skype、Line、FaceTimeなど) - タブレット、またはカメラ付きのPC
- ホワイトボードとマーカー
(Zoomの場合は内蔵されているので不要→代わりにタブレットとスタイラスペンを用意したい。詳しくはこちら)
それぞれ見ていきます。
オンラインレッスンに耐えうる、安定したWiFi環境
WiFi環境を整えるというのが、一番大事なことかもしれません。
教える側であるにもかかわらず、ネットが頻繁に中断してしまうと、授業がスムーズに進まず生徒さんのやる気を削いでしまうからです。
ご自宅に安定したWiFi環境があるのがベストです。
ご自宅の環境が不安定な方は、WiFiルーターを別途レンタルしたり、スマホのギガ(データ通信量)を増やす等、別の手段でオンライン授業用のWiFiを確保されることをおすすめします。
テレビ電話(ビデオ通話)が可能なプラットフォームへの登録(Zoom、Skype、Line、FaceTime)
- Zoom(ズーム)
- Skype(スカイプ)
- Line(ライン)
- FaceTime(フェイスタイム)
実際に私がオンラインレッスンの際に利用していたツールは、主にSkypeです。
これは相手の方(生徒さん)の環境にもよりますので、教える側としてはどのプラットフォームにも対応できるよう、準備しておくのが良いと思います。
個人的には、Skypeでのレッスンは、時間制限もなく(双方のWiFi環境さえ整っていれば、ですが)基本的には問題なく進み重宝していました。
ですが、タイ人の生徒さんの中には、Skypeに馴染みがなく、登録してもらうのに時間がかかってしまったこともあります。
Lineの方が使いやすいというタイ人の方もいらっしゃいました。
一方で、後述しますが、画像やPDFファイルなどのやり取りを授業中に行いたいので、ファイル送受信用にラインを空けておきたい、というのがありました。
ですので、基本的にはスカイプでのレッスンをお願いしました。
生徒さんがスカイプにログインできないことがあり、ちょうどiPadユーザーの方だったので、お互いにiPadを使ってFaceTimeでレッスンをしたこともあります。
この辺りは、生徒さんの事情もありますので、柔軟に対応していくのが良いのかな、と思います。
繰り返しになりますが、教える側としては、ツールの選択肢を多めに持っておいた方が機会を逃さずに済むので、おすすめです。
最近は、Zoomをメインで使うようになりました。
理由はZoomに内蔵されている電子ホワイトボードの使い勝手の良さがあります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
タブレット、またはカメラ付きのPC
先ほどお伝えした通り、スマホ(Line)は、画像の送受信用に使うため、レッスンはその他の媒体(PCまたはタブレット)で行うようにしていました。
後述するホワイトボードを用いる場合は、タブレット(私はiPad Proを使用)よりもPCの方が、角度の調節がしやすく画面が大きいためレッスンを進めやすかったです。
「角度の調節がしやすい」ことが重要なのは、次にご紹介するホワイトボードをカメラ越しに見せる際に角度を調節したいからです。
なお、PCやタブレットには、通常カメラが内蔵されていますので、別途カメラを用意する必要はないかと思います。
ホワイトボード(&ペン)はぜひ用意してほしい
- Zoomを使用する場合は、Zoom内のホワイトボード機能を使用する方法がおすすめです。
その場合は、タブレット(+できればスタイラスペン)があると手書きで画面上に書いていくことができます。
こちらの記事で詳しくご紹介しています。
ここからは、電子ホワイトボード機能のないプラットフォームを用いてレッスンを行う際に使える、ホワイトボードとその使い方をご紹介します。
大きめのホワイトボード(450×300mm)
教える側に立つのであれば、ぜひ用意したいのがホワイトボードです。
私がレッスン中メインで使っていたホワイトボードの大きさは45cm×30cm。
大きめですが、
机の上で書く→(カメラの前に)掲げる→消す
を繰り返すので、手に持ちやすいギリギリの(=ちょうど良い)サイズ感です。
欲を言うなら、学校や会社にあるような、キャスター付きの大きなホワイトボードだと良いですよね…
(こういった感じのやつです↓)
これだと、書いている最中も画面に映せるので、生徒さんの注意を引きつけることができるんですよね。
オンライン授業のクオリティが上がるなら、と購入を検討していた時期があるのですが、自宅に保管するのはさすがに邪魔かなと思い、断念することに。
結局40cm×35cmのホワイトボードを使い続けていました。
ホワイトボードを掲げるという原始的な方法ではあるのですが、必要な情報は盛り込めますし、ささっと書いて示してあげられるので重宝していました。
ホワイトボードを使う場合は、専用マーカーとイレーザー(消しゴム的存在)もあわせて準備しましょう。
イレーザーは、マーカーの蓋部分にも付いていますが、専用のイレーザーの方が圧倒的に消しやすく、時間短縮になります。
携帯用のホワイトボード(220×160mm)
先ほどご紹介した大きめのホワイトボードとは別に、携帯用の小さめのホワイトボードも用意していました。
22cm×16cmの大きさのボードです。
こちらは主に対面でのレッスンの際に使っていました。
持ち運びを優先した大きさですが、レッスンに限らず、家族間でメモを共有する際にも使えますし、意外と使い道はあるのかな、と。
ただし、一回で書ける量がどうしても少なくなるため、オンラインレッスンの用途であれば、先にご紹介した大きめのホワイトボードの方が個人的にはおすすめです。
オンラインレッスンで語学を教える際の注意点とポイント
オンラインレッスン時の注意点
オンラインレッスンの際に、特に気をつけていたのが、
生徒さんを退屈にさせない
ということです。
どういうことかと言いますと、やはりオンラインレッスンの場合物理的な距離があるため、注意をレッスン時間中常に引きつけておけるかどうか、という点に講師の手腕が問われます。
オンラインレッスンを行う際のポイント
生徒さんを退屈にさせずに有益なレッスンにするにはどうすれば良いか?
その対策として、
- できるだけレジュメや資料を準備し、事前に送っておく
- 一方、メリハリのある授業にするため、ホワイトボードにあえて手書きで書くことで注意を向けさせる
この2つの点を意識していました。
パターン化できるものや、復習の内容、授業の最初に行う単語テストなどは①に沿って事前にPDFファイルなどで送付しておきます。
印刷をしたい生徒さんもいらっしゃるため、数日前までには送っておけるとベターです。
一方、②のホワイトボードに書く内容は、生徒さんが理解できていない内容などです。
ポイントは、授業中にその場でササっと書くこと。
ホワイトボードに書いている間は、生徒さんが手持ち無沙汰になってしまうため(書いているところを見せられない)、考える時間を与えている間に書いたり、急いで書いたりし、無駄な時間をできるだけ作らないようにしていました。
その一例です。
授業中に書いているので、雑な書き方になってしまいますが、それでも事前に渡すものとは違い、画面に集中してくれるようになります。
カメラに映すと(大体)書き写してくれるので、動きも出て(画面見ているだけだと退屈しますよね)メリハリをつけることができるんですよね。
オンラインレッスンが対面のレッスンと違うところ
オンラインレッスンが通常のレッスンと違う決定的な点の一つが、
相手の手元が見れない
という点です。
生徒さんの手元(=書いたもの)が見れない、というのは、生徒さんが書き写したスペルが正しいかどうかを(さりげなく)見てあげられないんですよね。
ですので、「大丈夫かな?」と思う時は、ノートをカメラに映してもらい、確認するようにしていました。
こちら(先生側)の手元を見せてあげられない、というデメリットもあります。
特に、書き順(漢字など)を示してあげたい時は、こちらが書く動きを見せてあげられないため、面倒でもホワイトボードに、一画ずつ書いてあげたりします。
少し時間はかかってしまうのですが、プライベートレッスンで生徒さんが知りたい内容であれば、対応します。
私が考えるオンラインレッスンのメリット
手元が見れないなどのデメリットもあるのですが、オンラインレッスンのメリットもたくさんあると感じました。
- 遠距離の方ともレッスンができる
- 移動時間が省け、有効に時間が活用できる
- 無駄話をしないため、淡々と授業が進む
(ただし退屈させないような工夫も必要)
遠距離の方ともレッスンができる
レッスン代金のやり取りをどうするか?という課題は残るものの、お互いにネット環境が整っていれば海外に住む人ともレッスンができるのは、オンラインならでは。
国内でも、離れたところに住む方ともレッスンができるのは良いですよね。
実際に、元々対面で教えていた生徒さんが他県に引っ越すことになったのですが、オンラインに切り替えてレッスンを継続したことがあります。
移動時間が省ける
移動時間が省けるというのは、テレワークなどオンラインでのやり取り全てに言えることですが、語学レッスンの場合も自宅でレッスンができるのでレッスン前後の時間も有効に使えました。
一方で、オンラインレッスンは対面でのレッスンとはまた違う集中力が求められるため、授業が終わると疲労感はものすごいです。
ですので、レッスン前の時間はレッスンの準備を行い、レッスン後は休憩するためすぐに他の事に取りかかれるわけではないのですが、それでも、外出するための準備をして、公共交通機関で移動して…という時間は省けますので、やはりオンラインレッスンで時間を有効活用できるようになった部分は間違いなくあると思います。
さいごに|オンラインレッスンをはじめよう
外出を控えることが求められる現在、オンラインで学べる機会は大事にしたいですよね。
コツコツ継続して学ぶことが求められる語学の勉強にも、ぜひオンラインを活用してもらいたいと思っています。
オンラインでも有益なレッスンが十分可能ですので、ぜひこれを機会と捉えて、オンラインレッスンやLanguage Exchangeを始めてみてはいかがでしょうか。
本記事は以上になります。