2019年1月4日~5日にかけて、タイ南部・サムイ島周辺を直撃した台風1号「パブーク/PABUK」。
今回の記事では、「パブーク/PABUK」という名称が何語から来ていて、どういった意味を持つのか、ということについて見ていきます。
ทำไมถึงต้องชื่อพายุปาบึก และมีความหมายว่าอะไร #Sanook #SanookNews #ข่าววันนี้ #ปาบึก https://t.co/rEP5KooiCm
— Sanook.com (@Sanook) 2019年1月3日
【台風関連のタイ語一覧】「2019年台風1号パブーク」のニュースをもとに
【台風1号】『PABUK/パブーク』という名前の由来「何語でどんな意味を持つのか?」
結論から言うと、「パブーク」は「メコンオオナマズ/Mekong giant catfish」という意味を持つラオス語です。
「メコンオオナマズ」は、メコン川だけに生息する世界最大の淡水魚の一つで、ウロコの無い「無鱗魚」です。
カタカナ表記では「パブーク」ですが、実際の音は「パー・ブック(ປາບຶກ/pǎa bɨ́k)」です。
「パー/ປາ」はラオス語で「魚」を意味します。
タイ語では、この「メコンオオナマズ」を「プラー・ブック(ปลาบึก/plaa bɨ̀k)」と言います。
タイ語で「魚」のことは「プラー/ปลา」です。
2019年台風1号『Pabuk/パブーク』
:メコンオオナマズ/Mekong giant catfish
=パー・ブック(ປາບຶກ/pǎa bɨ́k)[ラオス語]
※タイ語では「プラー・ブック(ปลาบึก/plaa bɨ̀k)」
「パー・ブック」の「ブック(ບຶກ(ラオス語)、บึก(タイ語)」は、ラオス方言で「でかい」の意。
出所:『タイ日大辞典』p832
「台風委員会」による、台風の名前のつけ方
日本での台風の呼び方は、毎年1月1日を始まりとして、発生した順に「台風1号」「台風2号」「台風3号」と数えます。
一方、北西太平洋・南シナ海で発生する台風については、その領域で用いられている固有の単語を、順番につけていきます。
台風には従来、米国が英語名(人名)を付けていました。
(中略)
台風委員会(日本含む14カ国等が加盟)は、2000年から、北西太平洋または南シナ海の領域で発生する台風には、同領域内で用いられている固有の名前(加盟国などが提案した名前)を付けることになりました。2000年の台風第1号にカンボジアで「象」を意味する「ダムレイ」の名前が付けられ、以後、発生順にあらかじめ用意された140個の名前を順番に用いて、その後再び「ダムレイ」に戻ります。
気象庁ホームページ「台風について」より引用(一部省略)
気象庁のホームページのリストによると、34番目に、この「パブーク」があります。
命名した国と地域 | 呼名 | カタカナ読み | 意味 | |
34 | ラオス | Pabuk | パブーク | 淡水魚の名前 |
出所:気象庁ホームページ「台風について」
台風委員会に加盟している14の国・地域(=台風を命名する権利を持つ)は順番に以下の通りです。
1 | カンボジア |
2 | 中国 |
3 | 北朝鮮 |
4 | 香港 |
5 | 日本 |
6 | ラオス |
7 | マカオ |
8 | マレーシア |
9 | ミクロネシア |
10 | フィリピン |
11 | 韓国 |
12 | タイ |
13 | 米国 |
14 | ベトナム |


https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/1-5.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/メコンオオナマズ
https://th.wikipedia.org/wiki/ปลาบึก