こんにちは。Sripasa(@Sripasaa)です。
今回は、タイ語の表現の中から、「忘れてきた」と言いたいときに使えるフレーズを2つ、ご紹介したいと思います。
先に言ってしまいますと、その2つとは、
- ลืม…ไว้(lɯɯm … wái / ルーム … ワイ)
- ลืมเอา…มา(lɯɯm ʔaw … maa / ルーム アオ … マー)
※「…」の所には、目的語が入ります。
です。
この2つの表現は、どちらも「忘れてきた」を意味するのですが、若干のニュアンス違いがあります。
この記事では、その違いについて見ていきますので、是非続きを読んでいただければと思います。
はじめに:単語それぞれの意味
「ลืม(ルーム)」・「ไว้(ワイ)」・「เอา…มา(アオ…マー)」
ลืม(lɯɯm / ルーム):忘れる
動詞+(目的語)+ไว้(wái / ワイ):~しておく
①動作の結果の状態を持続させる
【例】เปิดประตูไว้(pə̀ət pratuu wái):ドアを開けておく
②後のために前もって行う
【例】เตรียมไว้(triam wái):準備しておく
(一部『CD付 タイ語の基礎』(三上直光著)を参照の上、記載)
เอา…มา(ʔaw maa / アオ・マー):(…を)持って来る
例文を見てみよう
「昨日タクシーの中にカメラを忘れてきた」とタイ語で言いたいとき
【日本語】
昨日タクシーの中にカメラを忘れてきた。
【タイ語】
〈誤〉
ฉันลืมเอากล้องมาในรถแท็กซี่เมื่อวาน
chán lɯɯm ʔaw klɔ̂ɔŋ maa nai rót thɛ́ksîi mɯ̂a waan
〈正〉
ฉันลืมกล้องไว้ในรถแท็กซี่เมื่อวาน
chán lɯɯm klɔ̂ɔŋ wái nai rót thɛ́ksîi mɯ̂a waan
ลืม…ไว้(lɯɯm … wái / ルーム … ワイ)+【場所】
=【場所】に…(物)を忘れてきた
⇒忘れてきた場所(この例文のケースでは「タクシー」)を強調している
私自身、この表現は意志を持って行う動作を表す動詞にのみ使う表現だと誤解していたのですが、今回出てきた表現のように、敢えて(=意志を持って)行わない動作に対しても使えることを、以前タイ人から指摘してもらいました。
ลืมไว้(ルーム ワイ)とลืมเอามา(ルーム アオ マー)との使い分け
そこで疑問になるのが、ลืมเอามา(lɯɯm ʔaw maa / ルーム アオ マー)との違いです。
ブログを読んでくださっている方からも、こんな質問をいただきました(一部要約しています)。
このときの「ลืมเอามา(lɯɯm ʔaw maa / ルーム アオ マー)」と「ลืมไว้(lɯɯm wái / ルーム ワイ)」との違いを教えてください。
タイ人の友人から教えてもらいました。
カードを持ってくるのを忘れたというシチュエーションでは、ลืมเอามา(lɯɯm ʔaw maa)と答えるのが一番適切です。
この場合に「ลืมไว้(lɯɯm wái)」と答えても、それだけでは情報が足りず、「…それで??」となります。
「ลืมไว้ที่บ้าน(lɯɯm wái thîi bâan):家に忘れてきた」
と言っても間違いではないですが、「持ってくるのを忘れた」ことを言いたい場合は、ลืมเอามา(lɯɯm ʔaw maa)と答えた方が良いです。
分かりやすく教えてもらいました。
また、ご質問いただけたことで、理解が深まりました。
ลืมเอาม + 【物】 + มา(lɯɯm ʔaw … maa / ルーム アオ … マー)
=【物】を持って来るのを忘れた
⇒持って来るのを忘れたことを強調している
まとめ:タイ語で『忘れてきた』と言いたいときの2つの表現の違い
・置いてきた(忘れてきた)場所を強調したいとき
⇒ลืม…ไว้(lɯɯm … wái / ルーム … ワイ)
・持ってくるのを忘れたことを強調したいとき
⇒ลืมเอา…มา(lɯɯm ʔaw … maa / ルーム アオ … マー)
と整理できました。
物を忘れないように心がけたいですが、忘れてしまったときは、是非こちらを意識して使い分けをしてみてください。
>>>『【レビュー】独学でタイ語を勉強する方におすすめの学習本3冊(初心者~中級)』の中でも詳しくご紹介しています。