タイドラマ

【タイドラマ】พรหมลิขิต/プロムリキット(Love Destiny 2)のあらすじ(第21話〜第26話【最終回】)

タイ アユタヤ
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プロムリキット(Love Destiny 2)の放送日とあらすじ(第1話〜第10話)』『プロムリキット(Love Destiny 2)のあらすじ(第11話〜第20話)』の記事の続きです。

第20話までのあらすじは上記2つの記事内でご紹介していますので、そちらをぜひ読んでいただければと思います。
(以下のリンクからも飛べます)

では、第21話〜第26話(最終回)までのあらすじを本記事でご紹介します。

第21話/EP21(2023年12月5日放送)

カムとウンの会話。

自分はもうカムの妻でいるつもりはないから、自分のことを解放してほしいと伝えたウンに対し、カムは自分の身の回りに気をつけとけよ、と言い残して去っていった。

ウンは、首都圏部(กรมพระนครบาล、※当時の警察組織が所属していた)にカムを捕まえてもらい牢屋に入れ、自分は明確にカムと離婚することを考えている、とプッターンに伝えた。

それを聞いたプッターンは「女性は離婚したら”ナー・ランギアット(嫌悪すべき:น่ารังเกียจ)”だと噂される」と言っていたのに、どうして急にそんなに勇気が出たのか?とウンに尋ねた。

ウンは、「プッターンの時代の女性は自分のことを愛していて、自分を幸せにするためにあらゆることをし、誰かを苦難に陥れることはしないと言ってましたよね?」と。

とはいえ、噂されることもあるし、他の人を下げて幸せを感じる人もたくさんいるとプッターン。

噂されるのは構わないとウン。

それよりもプッターンに迷惑がかかるのも困ると。

それを聞いていたプームが、旦那がいるのは良い時もそうじゃない時もあるが、誰か守ってくれる人がいるのでは?と。

ปกเกศ(pòk-kèet/ポック・ケート)
=ปกเกล้า(pòk-klâo/ポック・クラオ)
①頭を覆い包む
②保護する

それに対して、何も(誰も)私を守ってくれない、とウン。

私が侵害されるだけだと。わかってくれないのかと大声をあげるウン。

รุกราน(rúk-raan/ルック・ラーン)
:侵入する、侵略する、侵害する

そんなウンをなだめて、心配しなくていいと伝えるプッターン。

(プッターンが)貯めていたお金があるから、それを使って祖母グイから“ターイ・トゥア(ไถ่ตัว:身代金を払って自由になること)”ができると。

ガーラゲーから貰ったお金や、これまで販売してきた料理の売り上げがあると。

ただ、プームに渡すお金まではないと言うプッターン。

「先にウンに使ってください」とプーム。

「5タムルンは安いお金じゃないので、プッターンが持っておいて使ってほしい」とプッターンの申し出を遠慮するウン。

自分は召使としてプッターンとここにいて大丈夫なので、とウン。

プッターンは、もしも自分が元の世界に戻ってしまった時のことを心配していた。元の世界に戻るならお金を貯めておいても意味がないし、捨てていくくらいなら使ってしまった方がいい、と。

リットにお願いして、リットの父(デート)直属のプライ(ไพร่:平民)にしてもらえるようお願いするとプッターン。

そして、ウンがお金を貯めて今度はプームの“ターイ・トゥア”をしてあげてほしい、と。

それを聞いてウンは泣いて頭を下げ、「もしプッターンが元の世界へ戻らないなら、私は死ぬまでプッターンにお仕えします。(元の世界へ)帰らないでください。リットを捨てて行くんですか?」とウン。

「リットのことが可哀想ではないのですか?」とプーム。

今はそのことは考えないとプッターン。

ไถ่ตัว(thàai tua/ターイ・トゥア)
:身代金を払って自由になる

ไถ่
(thàai/ターイ)
①質や抵当に入れた物をうけ出す
②身代金を払って奴隷、身売女、捕虜、人質、誘拐された人などを解放させる

※「ไถ่」は「thài(タイ)」ではなく「thàai(ターイ)」と発音する

リットのもとで剣の練習に励むプッターン。

疲れているけれど練習をやめようとしないプッターン。

なんでそんな一生懸命練習するんだと尋ねるリットに対し、「殺さないといけない、斬らないといけない相手がいる(から練習するんだ)」とプッターン。

ฟัน
(fan/ファン)
①(刃物で)斬る、切る【動詞】
②歯【名詞】

リットとの別れ際、明日もう一度カムピー・クリッサナカーリーにもう一度触れてみるとプッターン。

もし「プロムリキット(宿命)」が自分を元の世界に帰すのなら、それ(元の世界に帰るの)は早い方が良いからと。

リット、デート、ガーラゲー、召使たちが見守る中、自分が最初にやって来た森の中と同じ場所、同じ服装、髪型でプッターンはカムピー・クリッサナカーリーに触れてみることにした。

もし自分が元いた世界に戻るなら、皆が持っている自分(プッターン)の記憶は消えるはずだから、皆のことを捨てるわけではない、とプッターン。

カムピー・クリッサナカーリーの入っている箱を開け、包まれている布を外し、カムピー・クリッサナカーリーに触れたプッターンだったが、何も起きない。

それを見たリットは、帰れないならここにいたらいい。プッターンが困らないように自分(リット)が世話をするからと。

เดือดเนื้อร้อนใจ
(dɯ̀at nɯ́a rɔ́ɔn cai/ドゥアット・ヌア・ローン・ジャイ)
=เดือดร้อน(dɯ̀at rɔ́ɔn/ドゥアット・ローン)
:苦痛に苦しむ、困苦にあえぐ、難儀する

ただ、プッターンは帰れなかったことに納得できない。ここに来れたのに帰れないのはおかしいと。何かやり方が間違っているのではないかと考える。

ここに来た時はプッターンとリットは一緒にカムピー・クリッサナカーリーを掴んでいたので、プッターンはリットに一緒にカムピー・クリッサナカーリーに触れてほしいとお願いする。

それを聞いたガーラゲーは、それは認めないと言う。もしリットも一緒に掴むなら、ガーラゲーも一緒にカムピー・クリッサナカーリーを掴むと。

そのやり取りの途中で、プッターンが「思い出したことがある」と。

プッターンがこの時代にやって来た日は“スリユ・パラーカー(สุริยุปราคา:日食)”で空が暗かったから、次の日食が起きる日を待たないといけないのではないか、と。

父デートが、次の日食の日を計算できるという。8ヶ月後にもう一度日食が起きると。

プッターンが来た日は、部分日食だったが皆既日食ではなかったと。

あと8ヶ月待つことになったプッターン。

สุริยุปราคา
(suriyú-paraakhaa/スリユ・パラーカー)
=สุริยคราส(suriya-khrâat/スリヤ・クラート)
:日食

※สุริยุปราคา=สุริย+อุปราคา(उपराग upa-rāga←upa+√rañj+a)

อุปราคา(ʔùpà-raakhaa/ウパラーカー)
:暗黒にすること

สุริยุปราคาเต็มดวง
=สุริยคราสเต็มดวง
:皆既日食

สุริยุปราคาบาง(ส่วน)
=สุริยคราสบาง(ส่วน)
:部分日食

จันทรุปราคา(canthrú-paraakha、cantharú-paraakha)
=จันทรคราส(canthra-khrâat)
:月食

自分にもあと8ヶ月あるとリット。それは、プッターンにここに残りたいと思わせるための期間だと。

ピッサヌロークでは、ナロンの体調が悪い。

ゲーオの結婚式があるが、ナロンの調子が悪いのを見て妹の結婚式には行かないことにしたルアン。一緒に行きたかったリアンは残念がる。

ターイサ王はミンとゲーオの結婚式には行かないが、一緒に船に乗ってプリッププリー(พริบพรี)へ向かうと。

※プリッププリー(พริบพรี)
:現在のペッチャブリー(ペッブリー:เพชรบุรี)

ターイサ王は、以前父スア王が掘削を指示したコークカーム運河(クローン・コークカーム(คลองโคกขาม))のルートを調査したいと。

※コークカーム運河(クローン・コークカーム(คลองโคกขาม)):สาครบุรี(サーコンブリー(現在のサムットサーコーン))にある運河

掘削の痕跡(ร่องรอย)は見当たらない、とトーンカム。

もう一度掘らせることを考えている、とターイサ王。副王(ポーン王子)も連れていくと伝えた。

ターイサ王はリットに、プッターンも連れて来るよう伝えた。プッターンがいればポーン王子にも美味しいものを食べさせてあげられると。

プッターンの料理はとても美味しいから、いつもプッターンの料理が食べたいとターイサ王。

頑固そうなプッターンに“タワーイ・トゥア(ถวายตัว:身柄を王族に献じること)”させることはできるだろうか、と臣下の者たちに尋ねるターイサ王。

困惑するリット。

ถวายตัว
(thawǎai tua/タワーイ・トゥア)
:王族に仕えるために身柄を王族に献じる
※昔の官吏は競って子を王に献じ、小姓局に配属させ高官への出世コースをたどらせた

ピッサヌロークで、父ナロンと母チャンワーのもとを訪れる娘のドゥアン。ドゥアンは娘を連れてきた。

ミンとゲーオの結婚式。

年配の人(今回はゲーオの両親)が寝床を用意する。

ปูที่นอน
(puu thîi nɔɔn/プー・ティー・ノーン)
:寝床を用意する

ปู
(puu/プー)
①敷く【動詞】
②蟹【名詞】

2日後にプリッププリー(พริบพรี)へ行くから用意するように、とリットからの伝言を受け取るプッターン。

ミンとゲーオをプリッププリーへ送る際にターイサ王とポーン王子も行くので、料理人が必要だからと。

その時、誰かの声がしたような気がしたプッターンだったが、気のせいだったのかと思う。

その夜、プッターンが寝ているところにある男性(プッターンの前世の女性「アティッタヤー(อทิตยา)」の父)が現れる。

ゲーオが家を出てプリッププリーへ向かう日。

ターイサ王とポーン王子、そしてリットとプッターンも船に乗って出発した。

道中、プッターンが準備した料理ができた。

プッターンの料理を初めて食べたポーン王子も、この見た目の変わった料理(でも味はとても美味しい)を大変気に入った。

アユタヤに戻ったらプッターンを宮廷に呼び、自分だけのために毎日料理を作ってもらおうとターイサ王。

“ข้าวใหม่ปลามัน(新婚ほやほや)”のミンとゲーオ。

ข้าวใหม่ปลามัน
(khâao-mài-plaa-man/カーオ・マイ・プラー・マン)
①新婚ほやほや
②女房とタタミは新しい方が良い(慣用句)
“米新魚脂”

【対義語】
ข้าวบูดปลาร้า
(khâao-bùut-plaa-ráa/カーオ・ブート・プラー・ラー)
①結婚生活が長くなった夫婦生活の倦怠感にたとえる
②なりふり構わなくなり夫が嫌気をさしてきた古女房
“飯は腐り発酵した塩漬魚のような匂いがする”

บูด
(bùut/ブート)
:酸敗した、すえた

ソムデット・プラアヤキー(พระอัยกี:ターイサ王の祖母)の体調が優れない。

そのため、急遽デートとガーラゲー、プラーンはアユタヤへ戻ることになり、ゲーオとの別れの挨拶をする。

リットとプッターンの会話。

リットはプッターンに、ターイサ王がプッターンを“タワーイ・トゥア(ถวายตัว:身柄を王族に献じること)”させることを考えていることを伝えた。

料理人として王様に仕えるのか、と思ったプッターンに対し、料理人としてではなく“バート・ボーリジャー(บาทบริจา)”としてだと。

「何か“ボーリジャーク(บริจาค:寄付する)”に関係しているの?」と訊くプッターンだったが、「そうではなく、“バート・ボーリジャー(บาทบริจา)”とは“王の妾”として自分(の身)を王様に献じることだ」とリット。

それを聞いたプッターンは「信じられない、あり得ない」と取り乱す。自分の家(バンコクの元の世界)に帰ると。

บาทบริจาริกา
(bàat-bɔɔricaaríkaa/バート・ボーリジャーリカー)
:国王の足辺に奉仕する女性、王の妾
※サンスクリット語、パーリ語由来
※短縮形:บาทบริจา(bàat-bɔɔricaa/バート・ボーリジャー)

บริจาริกา(bɔɔricaaríkaa/ボーリジャーリカー)
:บริจารก(bɔɔricaarók/ボーリジャーロック:使用人、奉侍者)の女性形
※サンスクリット語、パーリ語由来

บริจาค
(bɔɔricàak/ボーリジャーク)
:喜捨する、犠牲にする、寄付する(パーリ語由来)

※ラーマ6世が英語donateの訳語として定めた語

(21話ここまで)



第22話/EP22(2023年12月6日放送)

王様からの(“タワーイ・トゥア”せよ、という)指示に背くことはできない、というリットに対し、自分は愛する人以外の女房にはならない、自分はリットを愛しているからリットの女房以外にはならないとプッターン。

ถวายตัว
(thawǎai tua/タワーイ・トゥア)
:王族に仕えるために身柄を王族に献じる
※昔の官吏は競って子を王に献じ、小姓局に配属させ高官への出世コースをたどらせた

その夜、子供の頃の夢を見たプッターン。

伯母との会話。

伯母の友人の誕生日会に連れて行こうとする伯母に対し、絶対に行かないというプッターン。

行かないのは、自分は伯母のことが好きじゃないからと伝えるプッターン。

夢の途中でうなされて起きたプッターンは心配したウンにきつくあたってしまう。

泣き出してしまったウンに謝るプッターン。

翌朝、プッターンはウンとプームに王様にタワーイ・トゥア(ถวายตัว:身柄を王族に献じること)をしないといけない話をする。

“タワーイ・トゥア”なんておかしい、と考えるプッターンに対し、アユタヤにあるすべての物は王様ただ一人のものだと説明するプーム。王様は誰でも自分のミアにできる、とウン。

自分は絶対王様の妾にはならないとプッターン。

リットが自分のことを愛してくれているのなら、リットが(王様から)自分を守ってくれるはずだと。

「リットは王様の臣下(マハート・レック)だから何もできないのでは…」とプーム。

มหาดเล็ก
(mahàat-lék/マハート・レック)
:王・王室の小姓(こしょう)、近習(きんじゅ)

そこへやって来たリットにプッターンは「私がターイサ王の妾になることを容認するのか?」と尋ねる。

それに対しリットは「(“ミア(=妾)”ではなく)“バート・ボーリジャー(=王の妾)”だ」と。

บาทบริจาริกา
(bàat-bɔɔricaaríkaa/バート・ボーリジャーリカー)
:国王の足辺に奉仕する女性、王の妾
※サンスクリット語、パーリ語由来
※短縮形:บาทบริจา(bàat-bɔɔricaa/バート・ボーリジャー)

บริจาริกา(bɔɔricaaríkaa/ボーリジャーリカー)
:บริจารก(bɔɔricaarók/ボーリジャーロック:使用人、奉侍者)の女性形
※サンスクリット語、パーリ語由来

王様の命に背く者は誰もいない、とリット。

じゃあ自分が王様の命に背く最初の人になってやる、とプッターン。

それでどうするのか、と尋ねるリットに対し、どうしたらいいかはまだ思いつかないとプッターン。

「これは簡単なことじゃない、もう何度も言ったけどアユタヤに住む人は誰も王様の勅命に背くことはできない」とリット。

自分はプッターンを失いたくない、。

「あらゆる問題には出口(解決策)がある、そう信じないといけない」と言うプッターンに対し、「解決策はない」と言い張るリット。

自分が解決策を探す、とプッターン。

プッターンがウンに「王様が指示したことは変えられないの?」と尋ねる。

「そうです(変えられない)」とウン。

いずれにしても自分は認めないと。“ターイ・ペン・ターイ(死ぬなら死んでやる)”とプッターン。上手くいかなかったとしても戦う、と。

ตายเป็นตาย
(taai pen taai/ターイ・ペン・ターイ)
:「死ぬなら死んでやる、どうせ一回きりのことさ」、死ぬことなんか怖くない
(↑死ぬということになっているのなら死ぬだけのことだ)
=ตายก็ตายหนเดียว

リットと母ガーラゲーの会話。

王様に直接伝えてみては?と訊くがーラゲーに対し、そんなことはこれまで誰もしたことがないから無理だというリット。

グリンとムーソンの会話。

まだムーソンのミアになることを認めないグリン。

もうここ(ムーソンの家)に何日も住んでいるんだから、周りの人たちはグリンは自分(ムーソン)の妻だと既に思っているよ、とムーソン。

いずれにしても、グリンは「サイ・タクラー・ラーン・ナーム(生娘のように装って(他の誰かと)結婚すること)」はできないからね、とムーソン。

ใส่ตะกร้าล้างน้ํา
(sài takrâa láaŋ náam/サイ・タクラー・ラーン・ナーム)
:処女を失った娘を生娘であるかのように装って親が結婚させること
※ざるに入れて水洗いする(魚は水から揚げて時間が経つと臭くなる。しかし塩を振り掛けてからざるに入れて水洗いすると臭みがとれ、しばらくは新鮮さを保つことができる)

=ย้อมแมวขาย
(yɔ́ɔm mɛɛo khǎai/ヨーム・メーオ・カーイ)
“猫を染めて売る”
:他人を欺き、悪人または悪いものを良い人または良いものであると信じ込ませて飾り立ててごまかす。すでに処女を失った娘を両親が生娘であるように相手に信じ込ませて結婚させる時に用いることが多い。

グリンは、ムーソンが自分を愛していることは理解しているという。

ムーソンの女房になってもいいと言い始めたグリンは、ムーソンを連れて祖母グイの家へ行く。

グイに話すことがあって来たというグリン。

自分はムーソンの女房になってもいいが、20人の他の妻達全員を家から追い出し他の妻がいなくなることが条件だ、とグイの前でムーソンに伝えるグリン。7日間の猶予をあげると。

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大蔵卿とプラ・クラン(大蔵局)で働く息子イン、リット(+その他部下)との会話。

現在の中国での食糧難・物価高(カーオ・ヤーク・マーク・ペーン:ข้าวยากหมากแพง)は、どういう状況でどこで起きているのか?と尋ねる大蔵卿。

ข้าวยากหมากแพง
(khâao yâak màak phɛɛŋ/カーオ・ヤーク・マーク・ペーン)
:食料が少なく物価は高い(米は(入手し)難く木の実は高価)

漢語の米珠薪桂(べいしゅしんけい)にあたる。生活必需品が非常に高価なことのたとえ

米珠薪桂
(べいしゅしんけい)
生活必需品が非常に高価なことのたとえ。
「珠」は宝石。
「桂」は良い香りのする高価な木材、香木。
米が宝石のように高価で、火にくべるためのたきぎが香木のように高価という意味から。

四字熟語辞典(https://yoji.jitenon.jp/yojij/4845.html

“モントン・グウァントゥン(มณฑลกวางตุ้ง:広東省)”と“モントン・フーチェン(มณฑลฝูเจี้ยน:福建省)”です、と答える息子イン。

「康熙帝は何と言って来ているのか?」と大蔵卿。

ฮ่องเต้คังซี
(hɔ̂ɔŋ têe khaŋ sii/ホン・テー・カンシー)
:康熙帝(こうきてい、清の第4代皇帝、在位西暦1661年〜1722年)
※จักรพรรดิคังซีとも

※ターイサ王在位:西暦1709年〜1733年

ฮ่องเต้
(hɔ̂ɔŋ têe/ホン・テー)
:(中国の)皇帝

康熙帝は、深刻な米不足が起きるだろうから非常に懸念している、とリット。裕福な人だろうか貧しい人だろうが人民は等しく食べるものがない状況だと。

ターイサ王は、さらに貨物船を造船(トー・ルア)して米を(中国へ)売りに行くというお考えを示された。

ต่อ
(tɔ̀ɔ/トー)
:木材などの材料をつなぎ合わせて形を作る
(※ต่อは他にも多数意味あり)

ต่อเรือ
(tɔ̀ɔ rɯa/トー・ルア)
:造船する
※このようにして作られた船をเรือต่อ(ルア・トー)と称し、主に米を運ぶ際に用いる

【“木材などの材料をつなぎ合わせて形を作る”という意味のต่อのその他使用例】
・ต่อกรง(tɔ̀ɔ kroŋ):鳥籠を作る
・ต่อโลง(tɔ̀ɔ looŋ):棺を造る

そうすべきですとリット。中国は、広大な土地にたくさんの人が住んでいるのでの米不足は日常的に起きているから、大きな市場です、と。

大蔵卿は蘇芳の木を貢物として送るのを忘れないように、とリットに念を押す。

ฝาง
(fǎaŋ/ファーン)
:蘇芳(すおう)

บรรณาการ
(bannaakaan/バンナーガーン)
:貢物

それ(貢物を送ること)は私の方で対応中です、とイン。

市民が蘇芳を売っていることに否定的な大蔵卿。厳しく罰せよ、と。

密かに売りたがるし、よく売れるからどんどん売ってしまう。西欧人も、中国人も、日本人もどんどん買う、と。

この点に関してリットは自身の意見を述べる。

大蔵局は、蘇芳をハープ(หาบ:1荷 ※重量の単位、天秤棒で担ぐ1回の量)単位毎に2サリン5フアンで買い取り、6サリンで売るのはどうかと。

売買というものは利益が出ないといけない。それとも市場では6サリンで売れるのに5サリンで売るのか?と大蔵卿はリットに尋ねる。

そうではなく、従来よりも高い価格で(市民から)買い取ることを提案していると、リット。そうすることで市民はやる気が出るし労力に見合う収入が得られると。

市場価格はすでに決まっているのに、より高い価格で買い取るなんてあり得ない、お前はアユタヤの宮廷に仕えているんだぞ、とリットにきつく言う大蔵卿。

そこへやってきたプレーチーンは、「ご飯を食べませんか?」と声をかける。

大蔵卿は「お腹が空いてないからいらない」と言って出ていってしまった。

父親が怒っていることが解せない息子イン。怒りはすぐに収まる、というプレーチーン。

大蔵卿と部下2人(中国人)との会話。

「あいつ(リット)は自分の婿になる男だ、ターイサ王により娘(プレーチーン)は恩賜の女房になった」と伝える大蔵卿。

でも心配しなくていい、と。(リットは)有害ではなくただ忠誠心があるだけ(ไม่มีพิษสง แค่ตงฉิน)だと。

พิษสง
(phít-sǒŋ/ピッ(ト)・ソン)
:有毒な、有害な、高慢ちきな、暴れん坊の

ตงฉิน
(toŋ-chǐn/トン・チン)
:正直な、忠誠な

【対義語】
กังฉิน(kaŋ-chǐn/カン・チン):不忠な、裏切りの、邪悪な

リットはどうして大蔵局で働いているのか?と訊かれた大蔵卿は、息子インと同じタイミングでターイサ王が送りこんできた、と大蔵卿。

それに対し、リットをプラクランに異動させたのは(実は)内情を監視させるためではないのか?と訊く部下。

ตื้นลึกหนาบาง
(tɯ̂ɯn lɯ́ k nǎa baaŋ/トゥーン・ルック・ナー・バーン):詳しい様子、内情(深浅厚薄)

【英語】
ins and outs:複雑な状況や事情の一部始終、詳細

いずれにせよ、我々は受け継がれてきた慣習通りにやっている。買取価格はより低い価格となるようにし、輸出する価格は最も高くなるように、そして利益が最も出るようにやってきた。

ส่วยสาอากร(諸税)をいくらか横領(เข้ากระเป๋า)しているのか?と部下に問いただす大蔵卿。

2人の中国人女性が大蔵卿のところへやって来た。

プッターンは鶏足のグリーンカレーを作り、市場へ売りに行く。

ウンの旦那カムがこっそり様子を見ていた。

市場へやって来たターイサ王に会うプーム。ターイサ王はお忍びで来ていた。

プームは「ターイサ王がここ(市場)にいる」とプッターンとウンに伝えるが、市場に王様がいるわけがない、見間違い(ター・ファート:ตาฝาด)だ、と言われてしまう。

ตาฝาด
(taa fàat/ター・ファート)
:(目の錯覚で)見間違える、実物より誤差があって見える、間違って見える
(↑渋い目)

ฝาด
(fàat/ファート)
:渋い

市場にやって来たチャムパーの召使達がプッターンを見つける。

市場を見て回るターイサ王。

プラータピアン(タピアン魚)が無いのか訊く客に、王様が捕るのを禁止したから売っていない、という。

売ってくれないの?と訊く客には、売れないよ、売ったら5タムルンの罰金が科されると。

チャムパーの召使プリックが、王様はウィパラート(วิปลาส)ではないか?と、しかも“キー・フアン(ขี้หวง:独占欲の強い)”ではないかと噂を流す。

私たちも食べたいのに、王様はプラータピアンが好きなあまり誰にも取られまいとしているのではないかと。

วิปลาส
(wípàlâat/ウィパラート)
:常軌を逸した、突飛な

ขี้หวง
(khîi hǔaŋ/キー・フアン)
: 所有欲の強い、独占欲の強い
【英語】possessive

หวง
(hǔaŋ/フアン)
:物、金、人、地位などを愛惜するあまり誰にも取られまいとする

このやり取りをターイサ王は近くで聞いてしまっていた。王様は怒りが収まらない。

他にも「王様はウィパラートだ、プラータピアンはラーサドーンのものだ」と言う人たちが現れる。

なぜ、自分がプラータピアンを食べたくて他の人には食べさせたくないから禁止している、という間違った噂話が伝わってしまっているのか?疑問に思うターイサ王。

わざと騒ぎを起こしている人がいるのではないかと思ったターイサ王は、臣下の者達に調べるよう命じた。

大部分の人民は文字を読めないから、大声で騒いでいる人たちの言うことを(嘘であっても)信じてしまうのではないかと。

副王に属している貴族傘下のプライ(平民)の仕業ではないかという情報がターイサ王に伝えられた。

プラータピアン(タピアン魚)を捕ることを禁じる法律について、PR(周知)が足りなかったのではないか、というプッターン。

リットは、ウンとプームに内容について知っているか尋ねるが二人とも知らないと言う。

緊急勅命(พระราชกำหนด:プララーチャガムノット)は3ヶ月だけ規定したもので、あと数日で終わるので、民衆は噂されていたことが真っ赤な嘘だったことがもうすぐわかるはずだと。

โกหกทั้งเพ
(koohòk tháŋ phee/ゴーホック・タン・ペー)
:みんなうそっぱち、真っ赤な嘘

เพ
(phee/ペー)
:すべて

弟である副王(ポーン王子)に話をしに来たターイサ王。

ポーン王子が父スア王から託された王位をターイサ王に譲ったのは、王位は正当な権利を持つ人物だけがその王位を持つべきだという純粋な思いからだった。

その時から今に至るまでポーン王子は譲った王位を返せと思ったことは一度もないとポーン王子はターイサ王に説明する。

仮にもし自分がアユタヤの王にならなければならないとすれば、それは正当で忠実な権利がある時だけだとポーン王子。

ชอบธรรม
(chɔ̂ɔptham/チョープタム)
:道理にかなった、正当な

ターイサ王(写真上)と副王/ポーン王子(写真下)

プレーチーンがガーラゲーに教えてもらった料理「คั่วกลิ้ง(クア・クリン)」を披露する。

プレーチーンが作った“クア・クリン”(写真上)

兄インは妹プレーチーンに、リットはプレーチーンに対して少しも好意を持っていないことを伝えた。

それを母が聞いており、納得がいかないプレーチーンの母は、その話をしにチャムパーとガーラゲーのところへやって来た。

อกแตก
(ʔòk tɛ̀ɛk/オック・テーク)
①道路や河川が中央を貫通している町や寺などのさま
②胸がつぶれるような(思い)

อกแตกตาย
(ʔòk tɛ̀ɛk taai//オック・テーク・ターイ)
:胸がつぶれて死んでしまう

「プレーチーンとは結婚したくない、プレーチーンのことは愛しておらず他に好きな人がいる」とリットが言っている、とチャムパーに報告するプレーチーンの母。

リットがそれを言っているのか?と驚くチャムパーに対し、もう皆そのことを知っているし、リットは王様の勅命に背く気だ、と伝えるプレーチーンの母。

ガーラゲーは「リットがそんなことを言うはずがないのに、プレーチーンの母の言うことを信じるのですか?」とチャムパーに問う。

自分の子供が王様の勅命に背く気だと宣言したというのは信じられない、とガーラゲー。ただし、プレーチーンには好意を寄せておらず他の人を愛しているという話なら信じられる、と。

リットが王様の勅命に背く気がないのであれば、早く事を進めてほしいとプレーチーンの母。リットの花嫁としてプレーチーンの準備ができる、と。

プレーチーンの母が帰った後で、チャムパーは話がここまで大きくなってしまったことを嘆く。プレーチーンの父親も大蔵卿で位が高いのにどう解決するのか、と問うチャムパーに対し、ガーラゲーは「これはリットの話なのでリット自身に解決させる」と。

プッターンからもらった“ターイ・トゥア”(ไถ่ตัว:身代金を払って自由になること)の代金5タムルンをグイに持ってきたウン。

ไถ่ตัว(thàai tua/ターイ・トゥア)
:身代金を払って自由になる

ไถ่
(thàai/ターイ)
①質や抵当に入れた物をうけ出す
②身代金を払って奴隷、身売女、捕虜、人質、誘拐された人などを解放させる

※「ไถ่」は「thài(タイ)」ではなく「thàai(ターイ)」と発音する

「プームも?」と尋ねるグイに「僕はまだです」と答えるプーム。

プッターンが一生懸命稼いでお金を用意してくれた、とウン。

奴隷証文(サーン・クロムマタン)に拇印を押して証文を返してもらい晴れて自由の身となった。

สารกรมธรรม์
(sǎan-krommathan/サーン・クロムマタン)
:奴隷となって仕えるという身売り証文、奴隷証文
(本ドラマに登場する証文によれば、当時の綴りはสารกรมธรัรだった模様)

チャムパーはプッターンの家へ行くと言って出ていった。

驚いたガーラゲーは、召使ピンとイェームをガーラゲーの家に行かせて、話を一語一句覚えてくるように伝えた。

リットの祖母チャムパーとプッターンの会話。

チャムパーはプッターンに、リットが勅命に背くようなことにならないように伝える。場合によってはリットが罰を受けることになるから、と。勅命に背くことは誰もしたことのないことだ、と。

それはリットの話であって私の話ではないとプッターン。

召使プリックが「いつまでもつべこべと言ってきりがない、チャムパーはリットの祖母なんだし年配の方なんだからもっと敬意を示すように」とプッターンに言う。

เถียงคำไม่ตกฟาก
(thǐaŋ kham mâi tòk fâak/ティアン・カム・マイ・トック・ファーク)
:いつまでもつべこべと言ってきりがない

เถียง
(thǐaŋ/ティアン)
:言い争う、言い返す

ตกฟาก
(tòk fâak/トック・ファーク)
:生まれてくる、陽の目を見る

その時プッターンがプリックを睨みつける目は、昔のガーラゲーのようで怖気付くプリック。

そのプッターンの様子を見ていたピンとイェームはあることに気がついた。

チャムパーはプッターンに、プッターンはプライ(平民)なんだから、自分の立場をわきまえないなら自分が元いた場所に帰りなさいと強く言う。

腕を組んでチャムパーを睨みつけるプッターンは、まるで昔のガーラゲーのようだった。

(22話ここまで)



第23回/EP23(2023年12月11日放送)

チャムパーとプッターンのやり取り。

怒ったチャムパーは、ウンとプームに対しここから出ていけ、そして二度と顔を見せるなと言う。

それに対し、自分はもうグイの召使ではなく“タイ”(ไท:奴隷ではない自由人)だと主張するウン。

それを聞いてますます怒ったチャムパーは、“ガムループ(กำเริบ:生意気になる)”だと言ってウンに平手打ちをしようとするが、プッターンがそれを止める。

(チャムパーは)大人なんだから年下の人間に対しての慈悲の心は無いのか、とプッターンがチャムパーに問う。

ไท(thai/タイ)
=ไทย(thai/タイ)
①タイ族、タイ国、タイ人、タイ語
②(奴隷ではない)自由人
※ここでは②の意味

※元々はไทと綴られていたが、後になってパーリ語風に-ยが付加されไทยと綴られるようになった。

กำเริบ
(kamrə̂əp/ガムループ)
:つけあがる、生意気になる、手荒になる、ひどくなる

チャムパーの指示で「ヤー・ガムループ」とプッターンに言うプリックだったが、プッターンから凄まれたその顔を見て、昔の怖かった頃のガーラゲーを思い出し怯える。

その時、プッターンは元の世界で会った僧侶からの「理性(サティ:สติ)を持て」という言葉を思い出し、「チャムパーの望み通り自分がここを出ていく」とチャムパーに伝えた。

そこに男性が現れる。その男性はプッターンのことを「アティッタヤー」と呼び、「時が来た」と。

プッターンは身体中が熱くなる。自分は変な夢を見ているのかと思い始める。

空に黄金の光が見えた。

空からリットの家に向かって光が差し込んでいた。

まるで体内が燃えているかのようにプッターンの体がさらに熱くなっていく。

プームは急いでリットを呼びにいく。カムピー・クリッサナカーリーがないとプッターンが死んでしまう、とリットに伝える。

リットはカムピー・クリッサナカーリーを持ってプッターンの家に来た。

もう耐えられないから早くカムピー・クリッサナカーリーを掴ませてほしい、とお願いするプッターン。

本当は掴ませたくないが、プッターンが死んでしまっては困るから渋々カムピー・クリッサナカーリーに触れさせたリットだったが、一緒に掴んでいたので二人同時に魂が違う世界へ飛んでいく。

そこで先日見た男性が登場する。この男性はカムピー・クリッサナカーリーを創った人物だった。プッターンとリットが来たのは、天国と人間界の中間の場所だった。その男性がプッターンをここへ連れてきた、という。

自分はもう死んでしまって魂の状態なのでは?と心配するプッターンだったが、プッターンはまだ人間の状態だと。心がここに来たと。

男性はある昔話を始めた。

それは今(アユタヤ時代)から遡ること千年以上前の話。

ある王国では、アティッタヤー(อทิตยา)王女がアニラボット(อนิลบถ)司令官と愛し合っていた。

自分は(別の人と)結婚したくないから自分を連れて逃げてほしい、とお願いするアティッタヤー王女に対し、それは受け入れられないというアニラボット。

そして最終的にアティッタヤーは、ティカムポーンラーチャー(ฑิฆัมพรราชา)と結婚。その後妊娠した。

ティカムポーンラーチャーは、かつて自分が愛したジャントラーワディー(จันทราวดี)をもう一人の王妃として迎え入れた。

そのことにアティッタヤーは傷つくが、ティカムポーンラーチャーは「自分は(アティッタヤーのことを)裏切っていない。自分(ティカムポーンラーチャー)に対して一度も興味を示さなかったのはお前(アティッタヤー)のほうだ」と。

ไยดี
(yaidii/ヤイディー)
:(否定形で)満足する、喜ぶ、関心を持つ、構う

※否定形で用いる

ティカムポーンラーチャーとジャントラーワディー(写真上)、アティッタヤーとアニラボット(写真下)

アティッタヤーは双子の王子を出産したが、アティッタヤーが気づかないままその王子は二人とも亡くなってしまった。

アティッタヤーの召使2人は、自分達がちゃんと世話をしなかったことが原因で王子2人が亡くなってしまった、となって自分達に非が向けられるのを恐れ、策略を考える。

それは、もう一人の妃ジャントラーワディーを陥れることだった。

すでに亡くなってしまっている双子の王子をわざとジャントラーワディーに抱かせようとする召使2人。そしてジャントラーワディーが王子を落としたことが原因で亡くなってしまったことにした。

ประสูติ
(prasùut/プラスート)
(王語)
:出生、分娩
生まれる、産む

อุบาย
(ʔùbaai/ウバーイ)
:策略

ถึงแก่ความตาย
(thɯ̌ŋ kɛ̀ɛ khwaamtaai/トゥン・ゲー・クワームターイ)
死亡する

ジャントラーワディーは王子を殺した罪に問われる。アティッタヤーはジャントラーワディーを殺すよう、アニラボットに命じる。

ジャントラーワディーは殺害を逃れ、その後自身の軍隊を引き連れてアティッタヤーの軍隊(アニラボット)と軍事衝突する。

一連の出来事を知ったティカムポーンラーチャーは怒りをアティッタヤーにぶつけ、地獄に堕ちろと言ってアティッタヤーのもとを離れた。

この男性は、アティッタヤーの「悪業」を軽減するにはどうしたら良いか、ということを考えていたが、アティッタヤーは実はプッターンなのだった。だからこの男性はプッターンを助けなければいけないのだ、と。

アティッタヤーはスリヤラーチャー王の娘だった。この男性は実はスリヤラーチャーで、自分の娘がアティッタヤーすなわちプッターンだった。

写真中央がスリヤラーチャー王

スリヤラーチャーは自分の娘の結婚に全力を注ぎ、アティッタヤーが自分に変わって王国に平安をもたらしてくれるよう願った。

その後、一連の事の顛末を知ったスリヤラーチャー。娘アティッタヤーが深い悪業を積んだことを知ったスリヤラーチャーは、娘の深い悪業を軽減するためにモン・クリッサナカーリー(クリッサナカーリーの呪い)、カムピー・クリッサナカーリーを創り出した。

ここまでの話を聞いて、プッターンは元の世界に戻るか、アユタヤに残るか、どちらかを選ぶようにスリヤラーチャーから言われる。プッターンがこれから生きる世界を選択した後、カムピー・クリッサナカーリーは消えてなくなると。

伯母か、自分の愛する人か、どちらかを選ぶなんてできないというプッターンに対し、その男性(プッターンの愛する人)はアニラボットであることを伝えるスリヤラーチャー。

実は、

アニラボット=リット

アティッタヤー=プッターン

ティカムポーンラーチャー=デート(リットの父)

ジャントラーワディー=ガーラゲー(ゲースラーン)

だった。

向かって左からアニラボット、アティッタヤー、ジャントラーワディー、ティカムポーンラーチャー

リットの魂が先にアユタヤの世界に戻ってきた。

伯母のことが心配だというプッターンに対し、もしプッターンがアユタヤに残ることを決めた場合は、周りの人のプッターンの記憶を8才の時に交通事故で両親と一緒に亡くなったことにする、とスリヤラーチャー。

プッターンが現代から消えアユタヤにタイムスリップしてから、ちょうど1年が経っていた。

前世(アティッタヤー、昔のガーラゲー)の自分がティカムポーンラーチャー、デートに良くない行いをしたことに対し、僧侶の前で赦しを乞い、赦しを受けるプッターン。

気を失っているプッターンを自分のベットに連れてきたリット。

プッターンと自分に起きた一連の出来事(千年以上前にモン・クリッサナカーリー、カムピー・クリッサナカーリーを創った白衣の男性(ชีปะขาว:白衣の修道者)に出会ったこと、プッターンはその呪いと関係しているから時空を超えてここへやって来たことなど)を父デートと母ガーラゲーに話すリット。

決断を迫られるプッターン。

愛は何よりも大切なもので、愛よりも偉大なものはない、と父親として娘に助言するスリヤラーチャー。

プッターンが意識を取り戻した。アユタヤ時代に残ることを選んでくれたことに喜ぶリット。

(アティッタヤーとアニラボットとして出会った)私たちが(再びプッターンとリットとして)出会うまでに千年もかかったのだから、ここ(アユタヤ時代)に残る以外の選択肢は選べないとプッターン。

これからは見捨てないでね、とリットに伝えるプッターン。

チャムパーから言われた言葉は心配しなくていい、とプッターンに伝えるリットの父デート。

リットとプッターンには、ターイサ王とチャムパーという壁がまだ立ちはだかっていた。

チャムパーに話をするデートとガーラゲー。

チャムパーは息子デートを愛しているからデートと私が結婚することを認めてくれたんですよね?とガーラゲー。

チャムパーがデートを愛しているのと同じように、自分も息子リットのことを愛していると。

デートが母チャムパーに、自分はガーラゲーと結婚した最初の日から幸せを感じているし、その日から今日まで苦に感じたことはない。

息子夫婦からの懇願に対し根負けしたようなチャムパーだったが、「王様(の勅令)のことはどうするのか?」とデートとガーラゲーに問う。

(23話ここまで)

第24話/EP24(2023年12月12日放送)

プッターンはウンに、「ウンは“ジャオ・ガム・ナーイ・ウェーン(เจ้ากรรมนายเวร:互いに遺恨を持ち合っている者同士)”を信じる?」と尋ねる。

「信じています、皆、“ジャオ・ガム・ナーイ・ウェーン”がいます」とウン。

เจ้ากรรมนายเวร
(câo kam naai ween/ジャオ・ガム・ナーイ・ウェーン)
:互いに遺恨を持ち合っている者同士

自分にも“ジャオ・ガム・ナーイ・ウェーン”がたくさんいる、とプッターン。

リットの祖母チャムパーは絶対にそうだし、グリンも恐らくそうだ、と。

グリンが自分(プッターン)のことを憎いのは、グリンが“ジャオ・ガム・ナーイ・ウェーン”だからだ、と。自分の“アディータ・チャート(前世)”がグリンに何かをしたんだろう、と。

ウンは自分(プッターン)のことを憎んでないから、ウンは“ジャオ・ガム・ナーイ・ウェーン”ではないよね、とプッターン。

อดีตชาติ
(アディータ・チャート/ʔadìittà-châat)
:前世、前生

市場でトムセープを販売するプッターンとウン、プーム。

トムセープ(ต้มแซ่บ)を作って市場で販売するプッターン

その様子を盗み見しているウンの旦那カム。

お客さんのクレームに対して強く言い返すウン。

その後、プッターン、ウン、プームの3人になったところで、お客様は“プラジャオ(仏様)”で、私たちはお客さんに「ボーリガーン(บริการ:サービス)」を提供しているんだ、とプッターンはウンとプームに説明するが、ウンとプームは「ボーリガーン」の意味がわからない。

「ボーリガーン」とは「売ること」だ、と2人に説明するプッターン。

売上を良くしたいと思ったら、お客様は“プラジャオ(仏様)”なんだからお客さんに言い返す権利は(我々には)ないのよ、とプッターン。

บริการ
(bɔɔrikaan/ボーリガーン):サービスする、サービス

※英語serviceの訳語としてラーマ6世により定められた語

พระเจ้า
(phrá-câo/プラジャオ)
:仏陀、仏像、大神

プッターン、ウン、プームにこっそりとついてくるカムとその手下の者2名。

カムに話しかけられたウン。

ウンは持っていた刀でカムと戦おうとするが、あしらわれてしまう。ウンは逃げようとするが、捕まってしまった。

そこへプッターンとプームが戻ってくる。刀を持つプッターン。

3対3での戦いとなるが、プッターン側は劣勢に。

プッターンとカムが刀で戦う。

そこへやって来たのがグリンと召使。プッターンがグリンに「逃げて!」と言うが間に合わず、グリンも捕まってしまう。

追い込まれるプッターン。

プッターンに斬りかかろうとしたカムだったが、ウンとプームが体を張ってプッターンを守る。

ウンはカムに跪き、プッターンには何もしないようお願いするが、カムは全員を身売りしてやると言って舟に乗せた。

グリンとプッターンは同じ舟に乗せられた。

舟の上で、意図的にプッターンは舟を揺らし、そこに乗っていた全員が舟から落ちた。

溺れたグリンは川に沈んでいくが、プッターンがグリンを助け出した。

実はグリンは、(ゲースラーンが乗り移る前の)ガーラゲーの恋敵だったチャンワーの召使デーン(แดง)の生まれ変わりだった。

デーンはチャンワーを狙ったガーラゲーの策略により、舟が転覆したことで溺れ亡くなっていた。グリンがこんなにもプッターンを憎んでいたのは、プッターンの前世が昔のガーラゲーで、前世の自分(デーン)がガーラゲーにより殺されたからだった。

助かったグリン。

プッターンはグリンに「デーン、ごめんなさい」と伝えた。

グリンは、自分がプッターンが良い人だということをちゃんと見ていなかったことを逆に謝った。自分の命を助けてくれたことに感謝するグリン。

逃げ出すカムと手下の者2人は捕まった。

話を聞いたリットが急いでプッターンのところへやって来る。

カムと離婚するから助けて欲しいとリットに伝えるウン。

離婚の書類を書いてあげるとリット。カムに関しては生涯牢屋に入れると。

「夫と別れ独り身になることは怖くないのか?」とチョイ。夫と別れた女性であると皆から噂され、“テーン・タオ・ターイ(แตงเถาตาย:老寡婦)”になって惨めな人生になるぞ、と。

แตงเถาตาย
(tɛɛŋ thǎo taai/テーン・タオ・ターイ)
:老寡婦
(↑蔓の枯れたキュウリ)

เถา
(thǎo/タオ)
:蔓性植物、つたかずらの類

プームもウンのこの話が広がり、皆に知れ渡ってしまうことを心配する。

ウンは、自分がプッターンから教わったことがあると。それは、自分の方向性が正しくて自分のことを大事にしていれば、蔑まれることに対して心配することなんて何もないのだ、と。命がある限り、あらゆることに全力で取り組む。「苦」があればそれを「幸」にできるよう改善していく、と。

そして、この時点ですでに話は広がってしまってるんだから、この際どこまでも知れ渡ればいい、と開き直るウン。

それを聞いて拍手し、ウンのことを誇りに思うとプッターン。

อื้อฉาว
(ʔɯ̂ɯ chǎao/ウー・チャーオ)
:(ニュースなど)広がり知れ渡っている

グリンとグイの会話。

泣いているグリン。自分が間違っていたことを認めたグリン。

プッターンは自分を助けてくれたのに、自分はプッターンに対して残忍で悪口ばかり言っていた、と。

ついにグリンも、プッターンが神様の子供であるという祖母グイの主張に同意した。

グイに謝るグリン。

昔のようなグリンが戻って来てくれたことを喜ぶグイ。

ปากม้า
(pàak máa/パーク・マー)
:おしゃべりの、しょっちゅう他人の悪口ばかり言っている、針小棒大(しんしょうぼうだい)に話すくせのある
(↑馬の口)

=ปากมาก
(pàak mâak/パーク・マーク)

リットと召使チョイの会話。

チョイは(プレーチーンと結婚せよという)勅令のことを心配していた。

リットはそれについては何もするつもりはないと考えていたし、プッターンにもそのように伝えていた。

ターイサ王と臣下の者たちの会話。

約300年前に建立された寺院“ワット・マヘーヨン(วัดมเหยงคณ์)”を修復したい、とターイサ王。

修復の期間は少なくとも3年はかかるのではないか、とリット。

マヘーヨン寺院:アユタヤが滅びる60年前に大規模に修復された主要寺院の一つで、アユタヤ後期の経済の繁栄と宗教の輝きを如実に示すものであった。

マヘーヨン寺院はチャオサームプラヤー王の御世、あるいはアユタヤ王朝成立後80−100年の頃に建立された。

Discovering Ayutthayta p104

「そろそろ官公吏の位階を与える(ウァイ・ヨット/อวยยศ)時期だな?」と確認するターイサ王。

อวย
(ʔuai/ウァイ)
:与える

ยศ
(yót/ヨット)
:①官公吏や軍人の地位階級
②名声、名誉、栄誉、矜持

リットと母ガーラゲーの会話。

自分に「クンピパットラーチャシン(ขุนพิพัฒน์ราชสินธุ์)」の地位階級が与えられる予定だ、とリット。

にもかかわらず、全く嬉しそうな表情を見せない。それは、“バート・ボーリジャー(王の妾)”を迎えること、そしてそれはプッターンであることを、ターイサ王が宮内局の人間にリットの前で指示していたからだった。

บาทบริจาริกา
(bàat-bɔɔricaaríkaa/バート・ボーリジャーリカー)
:国王の足辺に奉仕する女性、王の妾
※サンスクリット語、パーリ語由来
※短縮形:บาทบริจา(bàat-bɔɔricaa/バート・ボーリジャー)

บริจาริกา(bɔɔricaaríkaa/ボーリジャーリカー)
:บริจารก(bɔɔricaarók/ボーリジャーロック:使用人、奉侍者)の女性形
※サンスクリット語、パーリ語由来

ターイサ王はリットに、ガーラゲーはプッターンの親戚にあたるから、リットから母ガーラゲーにこの件(ターイサ王がプッターンを妾として迎え入れること)について伝えておくように言った。

プッターンとウン、プームとの会話。

王様の勅令には誰も背けないと言うけど、自分が初めて勅令を背く人になる、とプッターンは言うが、ウンとプームは反対する。

プッターンはリットに、自分には「フェーン」がいてそれはプッターンだ、と勇気を持ってターイサ王に直訴すべきだと主張した。自分はプッターンを愛していて、プッターンも自分を愛していることを王様に伝えるべきだ、と。

リットはそれはすべきではない、と。

それに対してプッターンは「10年、100年、1000年先の来世で私たちが再び出会ってもリットが私の手を離す側で、リットが私の手を離さない未来はあるの?私たちが“ジャーク・ペン(生き別れ)”ではなく“ジャーク・ターイ(死に別れ)”できる人生が来ることはあるの?」とリットに問う。

จากตาย
(càak taaI/ジャーク・ターイ)
:死に別れる(死んで離れ去る)

จากเป็น
(càak pen/ジャーク・ペン)
:生き別れる(生きて離れ去る)

จาก
(càak/ジャーク)
:離れ去る【動詞】

2日後に“タワーイ・トゥア(身柄を王族に献じること)”のため迎えが来ることを宮内局の人間から知らされるプッターン。

“クンピパットラーチャシン”がプッターンを王宮まで連れていくとのことだが、プッターンにはそれが誰かわからない。“クンピパットラーチャシン”はつい最近与えられたリットの位階で、“クンピパットラーチャシン”は実はリットのことだった。

ถวายตัว
(thawǎai tua/タワーイ・トゥア)
:王族に仕えるために身柄を王族に献じる
※昔の官吏は競って子を王に献じ、小姓局に配属させ高官への出世コースをたどらせた

そしてお迎えの当日。

“クンピパットラーチャシン”=リットが迎えにやって来てプッターンは王宮へ。

チャムパーも、プッターンが“タワーイ・トゥア”されることを知り、驚きのあまり倒れそうになる。

王宮内でプッターンの“タワーイ・トゥア”の準備が始まる。

金の装飾品などで豪華に着飾ったプッターンはターイサ王に謁見する。

「タワーイ・トゥア」するために着飾ったプッターン(写真右)

部屋で悲しみに暮れ一人泣いているリットを妹プラーンが慰める。

“タワーイ・トゥア”の儀式の途中でターイサ王に話を切り出すプッターン。

王語をうまく使えないから使わなくてもいいか、とターイサ王に尋ね、王語を使わないことに対して許可をもらったプッターン。

プッターンは“バート・ボーリジャー”になることに乗り気ではないことを正直に告白した。

別に乗り気じゃなくても構わない、とターイサ王は言うが、それに対して「(男女)双方が乗り気じゃないといけない」とプッターン。

王様の妾になるのに、乗り気じゃない人は誰もいない。片方(男性側)がアユタヤの王様なんて、こんな運が良いことはないんだ。(王様の妾になれるのは)アユタヤの女性の中でもほんの一部の女性だけなんだ、とターイサ王。

少なくとも一人乗り気じゃない人がいる、とプッターン。

誰かと一緒に生活していくためには、その始まりには「愛」がないといけないとプッターン。愛があるから一緒にいて幸せを感じられる、と。もし愛がなければ二人にとって一緒にいることは苦行でしかないと。

それは嘘だ、とターイサ王。プッターンを自分の妾にすれば、自分は幸せだからだ、と。

その場合でも私は気が進まないし、ターイサ王を愛していないから私にとっては苦行です、とプッターン。私が苦だと感じることに対しては興味を示してくれないのですか、と。

王宮で生活できるなんて苦行ではなく幸せでしかないはずだ、とターイサ王。

私が「苦」に感じるだけではなく、ターイサ王にとっても「苦」になるはずです、とプッターン。私を信じてくださいと。

ターイサ王は、プッターンと話すといつも楽しい、と笑いながら「どうして自分(ターイサ王)も苦に感じるのか?」説明せよ、と。

「私はターイサ王を愛していないのに、王様を愛していない妾をどうやって持つのですか?」とプッターン。

「持てる」というターイサ王に対し「持てません」とプッターン。なぜなら妾として協力しないし、服従しないからです、と。

「王様に対して反抗するのか?」とターイサ王。

反抗します、とプッターン。

あなたは力を使うでしょう(力づくで従わせるでしょう)、とプッターン。なので双方が乗り気でなければ、それは”ソーム(ซ้อม)”もしくは”コム・クーン(ข่มขืน)”と同じことになるのです、と。

ซ้อม
(sɔ́ɔm/ソーム)
:ほとんど無抵抗の相手を一方的に殴る蹴るの暴行を働く
(※ここでの意味)

ข่มขืน
(khòm khɯ̌ɯn/コム・クーン)
:力づくで相手の意に反することをする、(女性に)乱暴する、暴行する

プッターンが自分の妾になることを拒否するのは、“ジャオ・ジョーム(เจ้าจอม)”になりたくないからなのか?とターイサ王。

なりたくないです、とプッターン。

เจ้าจอม
(câo-cɔɔm/ジャオ・ジョーム)
:王の妾に対する称号

こんないいところに住めるのに、とターイサ王。

今住んでいる自分の家は建ててから1年も経っていないですが、自分にとっての“ウィマーン(วิมาน:天宮)”です、とプッターン。自分の家が好きです、と。

วิมาน
(wímaan/ウィマーン)
:天宮、天堂、パラダイス

「猫の額ほど狭い大きさの家に住んでいるのに、どうしてその家が好きなのか?」と尋ねるターイサ王。

ที่เท่าแมวดิ้นตาย
(thîi thâo mɛɛo dîn taai/ティー・タオ・メオ・ディン・ターイ)
:猫の額ほどの狭い土地
(↑)猫がもがいて死ぬほどの(狭い)土地

ดิ้น
(dîn/ディン)
:もがく、のたうつ

今の家にいると、とても幸せを感じられるし不便を感じないのと、何より大切なことは、そこ(自分が今住んでいる場所)に「愛」があるからです、とプッターン。私には“プア(ผัว:夫)”はいませんが、“フェーン(แฟน:恋人)”がいます、と。

“フェーン”とは何のことか尋ねるターイサ王に対し、“フェーン”とは“クー・ラック(คู่รัก:愛し合う二人)”のことです、と説明するプッターン。

「その相手は誰なのか?」と尋ねるターイサ王。

彼の位階がわからない、とプッターン。

「その“フェーン”は官吏なのか?」とターイサ王。“フェーン”なのに、どうして位階を知らないのか?と。

一度聞いただけなので覚えていない、とプッターン。

「どこの局で働いているのか?」とターイサ王。

大蔵局です、とプッターン。

「リットがその“フェーン”なのか?」とターイサ王。

それに対し「ペーカ(เพคะ:はい)」と答えるプッターン。

เพคะ
(phee khá/ペーカ)
:はい(女性が高級王族に対して用いる肯定詞)
※語尾につける

プッターンには既に愛する人がいて、それが自分が弟のように可愛がっているリットであることを知ったターイサ王は急に険しい顔になる。

プッターンが何か言おうとするのを止めるターイサ王。次何か発言をしたら処刑するぞ、と。

リットのところへ来る召使チョイ。

もう希望は無くなったと、リットに対し哀れみの感情を示すチョイ。

自分は生きていないかのように感じる、とリット。自分は死んでしまったようだ、と。

そんなことをを言ってはいけないとチョイ。それは“ラーン・ラーイ(ลางร้าย:凶兆)”だと。

本当に“ラーン・ラーイ(ลางร้าย:凶兆)”ならいいのに、とリット。

ลางร้าย
(laaŋ ráai/ラーン・ラーイ)
:凶兆
(↑悪い兆し)

ลาง
(laaŋ/ラーン)
:兆し

ลางดี
(laaŋ dii/ラーン・ディー)
(吉兆←良い兆し)

ターイサ王がリットに対し、至急王宮に来るように指示があったと伝えるチョイ。

(24話ここまで)

第25話/EP25(2023年12月13日放送)

ターイサ王(写真上)と「タワーイ・トゥア」しようとしたプッターン(写真下)

王宮でターイサ王に謁見するリットは開口一番、ターイサ王から拳で殴られる。

ターイサ王は、自分がプッターンの“フェーン(恋人)”であることを、どうして一言も自分(ターイサ王)に言ってくれなかったんだ、とリットに問いただす。

ターイサ王のことが怖くて言えなかった、とリット。

プッターンは自分が“タワーイ・トゥア(身柄を王族に献じること)”されることを認めないと言っていると、ターイサ王がリットに伝える。

もし自分(ターイサ王)がそのことを知っていたら(プッターンを“タワーイ・トゥア”させなかったのに)、と。リットは自分にとってまるで弟のような存在なんだから、とターイサ王。

ถวายตัว
(thawǎai tua/タワーイ・トゥア)
:王族に仕えるために身柄を王族に献じる
※昔の官吏は競って子を王に献じ、小姓局に配属させ高官への出世コースをたどらせた

ここで二人を結婚させてやる、とターイサ王。

自分は「何の“ミア”」になるのか、と尋ねるプッターン。

リットの両親が“トップ・テン(ตบแต่ง:娘を嫁に出す)”してくれるんだから、“ミア・クラーンムアン(เมียกลางเมือง)”だ、とターイサ王。

※ガーラゲー(リットの母)はプッターンの遠い親戚でもあるので、プッターンの親戚であるガーラゲー(とその夫デート)が身内であるプッターンを嫁に出す(トップ・テン/ตบแต่ง)、と捉えるのが良いかと思います

ターイサ王の発言に対しプッターンが「それ(自分が“ミア・クラーンムアン”になること)は認めない」と。

自分は“ミア・クラーンムアン”にはならないと。

เมียกลางเมือง
(ミア・クラーンムアン)
:娘の両親が承諾して妻とした女
=เมียหลวง(ミア・ルアン):本妻、正妻

※“ミア(妻)”の序列については、第17話の補足(こちら)で詳しく解説しています

「自分は王様だから、一度発した言葉と違うことを言うことはできないことを自分の“フェーン”に説明しろ」とターイサ王はリットに言う。

「ここからはお前(リット)の話だぞ。お前の母ガーラゲーが、“トゥア・クライ・トゥア・マン(ตัวใครตัวมัน:他人のことなど構っていられない(から自分で何とかしろ))”といつも言っているじゃないか」とターイサ王は言って、二人を置いてその場から出ていってしまった。

ตัวใครตัวมัน
(tua khrai tua man/トゥア・クライ・トゥア・マン)
:他人のことなど構っていられないと、てんでに自ら助かろうとするさま
他人のことなど構わず自己本位で
(↑)そいつの体はそいつの体

自分は勅令に背くことはしたくないけれど、それだとプッターンを失うことになる。

勅令とプッターンの狭間で揺れ動くリット。

ムーソンは家にいる(グリン以外の)女房全員に対し「グリンと揉めるな、グリンの使用人になれ、グリンを疲れさせるな、重労働させるな」と指示を出す。

グリンは自分が長年好きだった女性だから、グリンは(他の女房とは違い)常に「新しい」女房で、自分は生涯グリンを大切にする、とムーソン。

グリンとムーソンとの会話。

自分はグリンを本当に愛している、とムーソン。

そのことはもう疑っていないけれど、自分自身に対して疑いの気持ちがある、とグリン。

ムーソンは「グリンは自分のことを愛しているのか?」と喜ぶ。

グリンとキスができて嬉しすぎて泣き出すムーソン。

夜、舟に乗るムーソンとグリン。

ムーソンに対し「他の妻を全員捨てられるのか?」と尋ねるグリン。

「一部の人だけじゃダメなのか?」とムーソン。

「全員じゃないとダメ」とグリン。

「(捨てると)妻だけじゃなくて、その両親や子供や甥・姪(孫)の生活までもが苦しくなるんだぞ」とムーソン。

「全部で何人になるの?」とグリン。

「100人だ」とムーソン。

それを聞いたグリンは驚き、自分を祖母グイの家に帰してほしいと伝えた。

泣いているグリンと、それを慰めるグイ。

ムーソンはグリンのことを本気で愛しているし、グリンもムーソンのことを本気で愛している、と。

それを聞いたグイは、既に20人以上の妻がいる人のところへ嫁ぐことをグリン自身が受け入れるなら、それはグリンの決断だ、と。

負けを認める、とグイ。

「自分は、ムーソンが既にいる妻全員を捨てられるのであれば、自分はムーソンの女房になることを受け入れる。自分はムーソンに伝えた言葉を取り消す気はない」とグリン。

ムーソンとグリンとのやり取り。

グリンが頑固であることを嘆くムーソン。

グリンが自分と結婚しないと“サーオ・トゥア(สาวเทื้อ:オールドミス)”になるぞ、とムーソン。

それに対しグリンは「死ぬまで夫がいなくても構わない、自分は祖母グイと一緒に過ごすから」と。

お互いに愛し合っているじゃないか、とムーソン。

グリンは、自分はムーソン一人だけを愛しているのに、ムーソンは10人以上を愛しているなんて、自分は太刀打ちできないのではないか、ということを心配していた。

自分はたくさんいる妻の一人に過ぎないなんて認められない、と。

ムーソンは妻達を群れのように養っているけど、自分はその群れには入らない、とグリン。

「だからグリンを群れのリーダー(จาฝูง)にすると言ってるだろ」とムーソン。

群れのリーダーになんてならない、とグリン。

ムーソンが他の妻達を見捨てない場合は、自分はグイのところに戻ってきて一緒に住むとグリン。

それを聞いたグイは嬉しそうな表情を見せる。

大蔵卿とリット、インとの会話。

マヘーヨン寺院を修復する資金については、事前に細かく見積もる必要がある、と大蔵卿。

恐らく多額になると思われるから、全ての商店と協議して、王様の仕事の関係だと言って品物の値段を下げさせるべきだと。

คะเน
(kha-nee/カネー)
:見積もる

โข
(khǒo/コー)
:多い
=มาก(mâak/マーク)

労働力として強制的に働きに来させるプライに対しては、食料を各自持って来させるよう念を押しておくように、と大蔵卿。

เกณฑ์
(keen/ゲーン)
:【動詞】①強制する、制限する、②規定する、③(強制的に)召集する
【名詞】原則、規律、標準、基準

กำชับ
(kamcháp/ガムチャップ)
:噛んで含めるように言いつける、念には念を押して命じる、くれぐれも教えさとす

それに対して「そんなことをしたら皆働くのが嫌になって逃げ出してしまいますよ」とリット。

เป็นเบือ
(pen bɯa)
:たくさん

เบือ
(bɯa/ブア)
:①(死体が)ごろごろ、累累(るいるい)、②たくさんの

「逃げるやつは放っておけばいい。徴用する人を増やせばいいんだから」と大蔵卿。

それに対してインが「口コミで噂が広がって皆逃げてしまうのでは」と。

「逃げさせておけばいい、軍人に捕まえさせるから」と大蔵卿。

そこへある「入れ物」のようなものを持った中国人が大蔵卿に会いに来た。席を外し、その中国人達と別室へ移動する大蔵卿。

その様子を密かに見ていたリット。

中国人が持ってきた容器の一つには、赤い袋(※中にはお金)が入っていた。

それを見た大蔵卿の妻が「これしかないの?前回より少ない」と。

それに対して大蔵卿が「寺院の修復は大きな話ではないんだ。労働力として徴用されたくない人がこれを差し出す、それがふさわしい」と。

この大蔵卿と妻とのやり取りをリットは盗み聞きしていて、ターイサ王へ報告した。

リットは、「そのお金は5割を超え、諸税や手数料から差し引くことを大蔵卿に対し容認しているとしても、ここまで金額が高いのはまかり通るべきではない」と。

大蔵卿は私の父(スア王)が大変信頼してきた人物だ、とターイサ王。

大蔵卿の手腕によって多くの利益が生み出されていると理解しているターイサ王に対し、「大蔵局は人民から従来よりも、もっと高い価格で品物を買い取るべきだ。現状はあまりにも買い叩かれている状態で、人民は困っているしくたくたになっている。危険を犯して森林産品を探すことで、怪我や亡くなる方も多数出てきている」とリット。

その点は探りを入れてみる、とターイサ王。

เลียบเคียง
(lîap khiaŋ/リアップ・キアン)
:探りを入れる

「探りを入れる(だけな)のですか?」とリット。

「探りを入れるしかないだろ。王様自身が直接取引を行なっているわけではなく、お金を受け取っているだけなのだから、何かを尋ねるにしても“やぶから棒(何の前触れもなく行う)”というわけにはいかないだろう」とターイサ王。

ไม่มีปี่มีขลุ่ย
(mâi mii pìi mii khlùi/マイ・ミー・ピー・ミー・クルイ)
:やぶから棒に(思いもよらない物事を何の前触れもなく行うこと)
(↑ピー笛もクルイ笛もないのに)

=ไม่มีปี่มีกลอง
(mâi mii pìi mii mii klɔɔŋ/マイ・ミー・ピー・ミー・グローン)
(↑笛も太鼓もないのに)

※舞踏劇、剣劇、タイ式ボクシング、棒術などは常に音楽の伴奏つきで行われる。手足を振り回して怒ることをこれらの表演にたとえて「笛の伴奏もないのに」つまり「理由も見出せないままに」となる

ปี่
(pìi/ピー)
:縦笛(ピー笛)

ขลุ่ย
(khlùi/クルイ)
:笛、尺八、フルート(クルイ笛)

※ここのセリフでは、「ต้องมีปี่มีขลุ่ย(トン・ミー・ピー・ミー・ルイ)」と否定形ではない形で出てきているので、“やぶから棒ではいけない”と捉えています。

大蔵卿の娘とのことはどうするのか、とリットに尋ねるターイサ王。

プッターンはまだ認めていないのか?とターイサ王。

王様が既に出した勅令を取り下げることはできない、リットも勅令に背くことを考えていないとなると、もう一方(相手)に自分から身を引かせるよう促すしかない、とターイサ王。

そんな方法はないです、とリット。

ターイサ王は凄んで「なんとかするんだ」と。

ตรัส
(tràt/トラット)
:【王語】お話しになる

=ดำรัส(damràt/ダムラット):【王語】
[名詞](身分の高い人の)言葉
[動詞]王族がお話しになる

คืนคำ
(khɯɯn kham/クーン・カム)
:食言する、言をひるがえす

※食言(しょくげん)する:前に言ったことと違ったことを言うこと、約束を破ること、嘘をつくこと

今日マヘーヨン寺院の辺りへ行くというターイサ王に対し、明日シーサンペット寺院(วัดพระศรีสรรเพชญ์)へ行くことになっています、とトーンカム。

呪文を唱えるために行くとターイサ王。

グイ、グリン、ムーソンがプッターンの家を訪れる。

恭しく振る舞う3人だったが、3人はプッターンが“ジャオ・ジョーム(王の妾の称号)”として王宮に移らないことを知って驚く。

プッターンは、自分がグリンの立場であっても(妻の)群れのリーダーにはならないとグリンに伝えた。

それを聞いて喜ぶグリン。

プッターンがプレーチーンのミア・ローン(เมียรอง:二番目の妻)になることを拒否したことを知っていたグリン。

「(自分以外の妻が)たった一人でも容認できないの?」と訊くグリンに対し、プッターンは「受け入れられない」と。

それを聞いてますます喜ぶグリン。

妹プレーチーンに話をしにくる兄イン。

インは、プレーチーンにリットとの結婚を諦めさせようとするが、リットと結婚したいプレーチーンはその話を聞かない。

プレーチーンの母は、年内に結婚式を挙げることができるように父(大蔵卿)に伝える、とプレーチーンに話し、慰めようとする。

ガーラゲーのところにやってきたプレーチーンとその母。

「今は“ソムデット・プラアヤキー(ターイサ王の祖母)”がご病気なので、慶事を執り行うのにふさわしい時期ではないのでは?」とガーラゲー。

それに対してプレーチーンの母が「そういうことならむしろこれ以上“ソムデット・プラアヤキー”に何かがある前に、年内に急いで執り行ってしまったほうが良いのでは?」と返答する。

「大蔵卿はそれに対して同意されているのですか?」とガーラゲー。

言葉に詰まるプレーチーンの母。

「まずは大蔵卿にお尋ねになられてはいかがですか?」とガーラゲー。

訊かなくても大丈夫です、とプレーチーン母。できるだけ早く勅令の通りに事を進めるということですから、と。

「何か支障があるのですか?」と逆に尋ねられたガーラゲーは、「(支障になるようなことは)何もないです」と笑顔で返答する。

ประชวร
(prachuan/プラチュアン)
:【王語】御病気におなり遊ばす

デートとガーラゲーの会話。

「リットとプレーチーンの結婚は先延ばしにすることはできない。息子リットもそれは認識している。変えることはできない」ことをデートはガーラゲーに伝える。

「“プロムリキット(宿命)”がそれを変え(てくれ)るはずだと、私を信じて」と言ったものの、他に手段がなく行き詰まるガーラゲー。

ソムデット・プラアヤキーは、孫ターイサ王、ポーン王子、ひ孫が見守る中で最期の時を迎えられた。

プレーチーンと母が、再びガーラゲーとデートのもとを訪れる。

デートはプレーチーンの母に対して、不足なく準備を行い結婚式を迎えましょうと伝えた。

喜ぶプレーチーン。

プレーチーンとは対照的に、“ソムデット・プラアヤキー(ターイサ王の祖母)”が崩御されたことを受けて慶事は当面行わないべき旨伝えてくれると思っていたガーラゲーは、納得がいかない。

デートは、既に葬儀も終わっている状況で、そのこと(“ソムデット・プラアヤキー”が崩御されたこと)は結婚式を延期する十分な理由にはならないと反論。

ピッサヌローク。

結婚することになったリットの双子の兄ルアンとリアン。

祖母チャムパーの体調が優れないため、結婚式を延期してアユタヤへ祖母のお見舞いに行くことも検討したが、もう結婚式の日取りも決まっているのでアユタヤへは戻らずに予定通り式を執り行うことにした二人。

大蔵卿とリット、イン、中国人臣下2人との会話。

副王(ポーン王子)からグディーダーオ寺院(วัดกุฎีดาว)を修復してほしいという話を受けている、と大蔵卿。

どのくらい費用がかかるか見積もるように、と息子インに指示をする大蔵卿。

グディーダーオ寺院はマヘーヨン寺院と同じくらいの規模なので、多額の修繕費がかかることが予想される、とイン。

マヘーヨン寺院とグディーダーオ寺院はペアの寺院だから、修復する技師レベルが重要になる、と大蔵卿。

マヘーヨン寺院の修復を2年間で行えば、マヘーヨン寺院の修復に携わった技師をそのままグディーダーオ寺院の修復に徴用できる、とリット。

費用を捻出するのは簡単なことではない、と大蔵卿。

台帳を見て、中国からのお米の注文が増えているんですね、と大蔵卿に話しかける息子イン。

つまり皇帝は、税金を下げることで我々にお米を中国に輸出して販売させるつもりがおありなんでしょうか、とイン。

それに対して大蔵卿が、まだ不確かなことは話すべきではないと言う。

そのやり取りを聞いていたリットは、何か違和感を覚えた。

別室で大蔵卿と中国人臣下2名がひそひそ話をしている。

リットは盗み聞きしていた。

「もしお米を確保すれば、3百万トンまで中国に輸出して販売することができる。皇帝は税金を徴収しない」と中国人臣下の発言。

それに対して大蔵卿が“シッ(静かに)”という合図をする。

「皇帝が免税にするという件は、ここだけの話にしろ。他の誰にも知られるな」と大蔵卿。

その話をこっそり聞きながら、リットはターイサ王から言われた、「(相手側が)自分から身を引くよう促すしか方法はない。なんとかしろ」と言われたことを思い出す。

(25話ここまで)

第26話/EP26(2023年12月18日放送)【最終回】

大蔵卿の家から“プッターン(พุดตาน:芙蓉)”の木をもらってきたリットは、それをプッターンにプレゼントした。

大切な話があるから、と大蔵卿と1対1で話す時間をもらったリット。

リットは、大蔵卿がこれまで中国人から受け取ってきたお金(賄賂)の話を自分は知っているし見てきたことを大蔵卿に伝えた。

お金を受け取っているという話を切り出された大蔵卿は「それは慣習で、もう何代にも渡って行われていることだ」と一蹴した。

ชั่วโคตร
(chûa khôot/チュア・コート)
:〜代の人

慣習であることは知っているが、自分が理解していることは「(賄賂の受け渡しが慣習であったとしても)もし官吏の賄賂が減り多少なりとも人民に対し同情する心があれば、大変な思いをしている人民が減り、心地よく暮らせる人民が増える」と。「もしそういうことでないなら、私はこれ以上大蔵卿と一緒に働くことはできないし、元の局に戻れるように(王様から)許可を賜るつもりだ」とリットは大蔵卿に伝えた。

リットとの話を終えた大蔵卿は「あいつ(リット)はとても危険なやつだから、自分の娘をリットのもとへ嫁がせるわけにはいかないと言い始める。

プレーチーンもプレーチーンの母も、リットが危険人物であるということが全く理解できない。

大蔵卿とリット(写真上)、プレーチーンと母

体調が優れないチャムパー。

チャムパーは孫リットに(リットはプレーチーンに好意を持っていると嘘をついてまでリットとプレーチーンを結婚させようと画策したことについて)自分を許してほしいと伝えた。

チャムパーが亡くなった。

悲しみに暮れる一家。

ターイサ王がリットに、大蔵卿がプレーチーンをリットの嫁に出すことを辞退する旨の依頼があったことを伝えた。

他にお手伝いできることはあるか?とターイサ王(皮肉)。

ようやく結ばれたリットとプッターン。

プッターンが市場で食べ物を売るのはいいけどほどほどにね、とリットに伝えるガーラゲーだったが、今日のメニューはクイティァオ・ルアと聞いて食べたくてしょうがなくなるガーラゲー。

クイティァオ・ルアを販売していると、ターイサ王とトーンカムが食べにやって来た。

プッターンが男の子を出産した。パットと名付けた。

リットとの結婚が白紙になり、悲しみに暮れるプレーチーン。

父大蔵卿が自分の局に入ってきた新入りの官吏を娘に紹介しようとするが、プレーチーンはそれを無視した。

ガーラゲーが友人マリに会う。マリに「ターオ・トーン・キープマー(ท้าวทองกีบม้า)」という位階が与えられたことを喜ぶガーラゲー。

宮廷内の一料理人から始まり、宮殿の料理人頭になるまで官吏として一生懸命働いたことに対して、ターイサ王が位階を与えたのだった。

「あとは、マリの夫(コンスタンティン・フォールコン)がフランスの貿易会社(フランス東インド会社)にかつて投資していた分の利益をルイ14世が支払ってくれるといいんだけど。ルイ14世ならきっと払ってくれるわ」とガーラゲー。

「2人の王様、自分を官吏として受け入れてくれたペートラーチャー王と、自分に位階を授けてくれたターイサ王には感謝している」とマリ。

それぞれ子供たちを連れて一同(リット・ガーラゲー、ミン・ゲーオ、イン・プラーン)が集まる。

ピッサヌロークでは、ルアンが体調を崩していた。

必死に看病する妻リアン。

リットは、双子の兄ルアンの体調が良くないことは知らなかったものの、何かとても悲しい感情に襲われていた。

ルアンが亡くなった。

カイ・パー(ไข้ป่า:マラリア)に罹ったことによるものだった。

嘆き悲しむリアンに対し、マラリアはしょうがない(手の施しようがない)から自分を責めるな、とリアンに伝えるナロンとチャンワー。

ルアンの遺骨を持ってアユタヤへ行き、ルアンの父デートと母ガーラゲーに遺骨を直接渡してほしい、とリアンに言うナロン。

アユタヤでルアンの遺骨をデートとガーラゲーに渡すリアン。

泣き崩れるガーラゲー。

ルアンの訃報を知った妹ゲーオ・プラーンも悲しみに暮れる。

リアンを抱きしめるプッターン。

そこへやって来たリットが、リアンからルアンが亡くなったことを聞く。

マラリアで亡くなったこと、自分の世話が十分じゃなかったことを泣きながら伝えるリアン。

嘆き悲しむリット。慰めるプッターン。

一晩明けてもまだ悲しみに暮れるガーラゲー。

心が張り裂けそうだというガーラゲーに対し、“グート・ゲー・チェップ・ターイ(生老病死)”は普通のことだとデート。

เกิด แก่ เจ็บ ตาย
(kə̀ət kɛ̀ɛ cèp taai/グート・ゲー・チェップ・ターイ)
:生老病死(しょうろうびょうし)

ルアンのような若い人を先に見送ることになるとは思わなかった、とガーラゲー。

今から10年以上前にカムピー・クリッサナカーリーによって光が現れた(プッターンがこの時代にやってきた)時、ガーラゲーの人生を占ったことがある、とデート。

その時の占いによれば、ガーラゲーは愛するものを手に入れるが、同時に愛するものを失うという結果が出た。

「私はプッターン、つまり自分の妹にあたる元々のガーラゲー(の魂)を得た一方で、息子ルアンを失ったということなのね?」とガーラゲー。

もしそれが運命の相手であったのであれば、関連するすべての「生」が、そう遠くない将来また会えるように創造神大梵天によってその運命が書かれるだろう、とデート。

พระพรหม
(phrá-phrom/プラ・プロム)
:大梵天(創造神)

ลิขิต
(líkhìt/リキット)
:書く

※พรหมลิขิต
(phrom-líkhìt/プロム・リキット)
:(梵天が書いた)運命

夜中にガーラゲーが目を覚ます。

寝室を出ると、光が差し込んでいる。

そこに子供たち(ガーラゲーにとっての孫たち)がいて、さらにそこにゲースラーンの祖母が現れた。

ゲースラーンの祖母は、そこにいる子供たちに対し、自分はみんなにとっての“ティアット(เทียด:高祖母)”だと自己紹介した。

※子供たちにとっては、祖母であるガーラゲー(魂はゲースラーン)の祖母にあたる

เทียด
(thîat/ティアット)
:高祖父母(こうそふぼ)
※曽祖父母の父母、祖父母の祖父母
※เชียด(chîat/チアット)とも

ทวด
(thûat/トゥアット)
:曽祖父母(そうそふぼ)
※祖父母の父母、ひいおじいちゃん、ひいおばあちゃん

状況がよく分からず驚くガーラゲー(ゲースラーン)。

デートに話すことがある、とゲースラーンの祖母が言う。その話とは、アユタヤは栄えていて今は天国のようだけど変化が起きる。それが真実で受け入れなければならない、ということだった。

祖母に会う夢を見ていたガーラゲーだが、デートも同じ夢を見ていたのだった。そして「アユタヤは滅びるのか」とガーラゲーに尋ねた。

ガーラゲーは「そう、アユタヤは滅びる。おばあちゃんが話していたことはすべて真実」と答えた。

信じられない、という顔をするデート。

アユタヤからプリッププリーへ引っ越すことを決めたデートとガーラゲー。

※プリッププリー(พริบพรี)
:現在のペッチャブリー(ペッブリー:เพชรบุรี)

一家全員で移ると。行きたくないと思っている人がいても一緒に来てほしい、とデート。死ぬまで共に生きようと。

「誰かが死んでも悲しむ必要はない。なぜなら”ブッペーサンニワート”と”プロムリキット”が、私たちを、またどこかの世で再会させてくれるように導いてくれるから」とガーラゲー。

プッターンが3人目の子を妊娠した。お腹の子はきっとルアンの生まれ変わりだと。

(26話ここまで)

ーーー『พรหมลิขิต/プロムリキット』完 ーーー