タイに住んでいた頃、日本語関係のボランティアをしていました。
それは本当に貴重な経験で、そこで知り合った方々含め、今も私の財産となっています。
タイから日本へ本帰国してすぐの頃は、まだタイ語の仕事をいただけるようなタイミングでもなかったので、
となりました。
そんな時に思い出したのが、タイにいた頃携わっていたボランティアのこと。
仕事はまだできる状態にないけど、ボランティアなら何かできることがあるのでは…?と思ったのです。
そこで調べて出てきたのが、東京都が募集している「東京都防災(語学)ボランティア」。
東京都防災(語学)ボランティアは、災害時に語学能力を活用して外国人被災者の支援を行うことを目的としたボランティアです。
この「東京都防災(語学)ボランティア(タイ語)」に登録して、4年間活動に参加させてもらったことを纏めてみたいと思います。
- 東京都防災(語学)ボランティアの
-活動内容
-登録要件(語学要件含む) - 私が東京都防災(語学)ボランティアに登録していた4年間で行ったこと
- 多言語対応ボランティアとして「東京マラソン2016」にも参加
では、はじめます。
東京都防災(語学)ボランティアの活動内容・登録要件・求められる語学力
活動内容
- 災害時、翻訳など、東京都が災害に関する各種情報を多言語で提供することに協力する
- 災害時、都立施設や避難所等で、日本語がわからない外国人被災者のために通訳・翻訳をする
- 平常時、防災訓練や東京都防災(語学)ボランティア研修に参加し、スキルアップを図る
参照:東京都防災(語学)ボランティアチラシ PDF
登録要件
- 満18歳以上であること
- 都内に「在住」または「在学」または「在勤」していること
- 一定の語学力を有すること(次項で詳しく説明)
- メールアドレスを持っていること
この4点が必要になります。
そのうち、③「一定の語学力を有すること」については、言語別に詳細が定められています。
「東京都防災(語学)ボランティア」に求められる語学力
この表に照らすと、タイ語の場合、
- 全国通訳案内士の資格を持っていること
- 教育機関で1年以上、タイ語で教育を受けていること
この2点が該当します。
ですが、タイ語などのマイナー言語については、次の但し書きがありました。
申込者は、原則として下記(ここでは上記)の資格証明を有することを条件とする。ただし、この表以外の言語、例えばタガログ語、ポルトガル語、タイ語等の各種言語の申込みで、知事が特に必要があると認めた場合は、この限りではない。
引用:東京都防災(語学)ボランティア登録要件 別表1
私は、ボランティア登録時点ではまだ通訳案内士資格を取得していませんでしたので、申し込みの際に
- タイ語検定2級合格証
を提出し、無事受理されました。
このうち
と (ポーホックとインテンシブタイ)は、タイにゆかりの無い方にお見せしても理解してもらうのが難しいのでは?と思い、 の「タイ語検定2級合格証」のみを提出しました。私が東京都防災(語学)ボランティアに登録していた4年間で行ったこと
私が登録していた4年間、東京都に大きな災害は発生しませんでした。
そのため災害時の活動はなかったのですが(これは非常に良いこと)、平常時の活動の一環である、ボランティア研修に参加しました。
具体的には、以下のボランティア研修に参加しました。
- やさしい日本語研修(2日間)
- コミュニケーション技術研修(半日)
- 通訳技術研修(半日)
ボランティア研修に参加して良かったこと
研修に参加させてもらえるだけでも有難いのですが、研修に参加して「何より良かったなぁ」と思うのが、他言語(多言語)のボランティア登録者の方とお話しする機会ができたこと、なんですよね。
タイに住んでいた頃は、タイ語にフォーカスすることはあれ、「日本における、多言語の中でのタイ語の位置付け」のようなものは分かりませんでした。
日本に帰ってきて、他の言語のスペシャリストの方々とボランティアや仕事でご一緒する中で、タイ語の位置付け、すなわち「タイ語の価値(希少性)」が感じられたような気がしています。
多言語対応ボランティアとして「東京マラソン2016」に参加した話
東京都防災(語学)ボランティアに登録していた流れで、東京マラソンの多言語対応ボランティアの案内をいただきました。
せっかくの機会と思い、参加することに。
マラソン当日ではなく、3日前〜前日に行われる「東京マラソンEXPO2016」のボランティアへの参加です。
具体的には、参加者が取りに来るTシャツなどのグッズを配布するお手伝いをしました。
参加者には外国の方もいらっしゃるということで、外国人参加者が来た際の案内を担当することに。
もちろん、日本人参加者が多数なので、国籍に関係なく対応しました。
私が活動に参加した日時にタイの方は(恐らく)いらっしゃらなかったのですが(気がつかなかっただけかもしれません)、外国人参加者は一定数いらっしゃいました。
さいごに|東京都防災(語学)ボランティアに参加して
この記事では、東京都防災(語学)ボランティアに登録した話をご紹介しました。
このボランティアを通して得られたもの/ことを最後に纏めたいと思います。
- 多(他)言語習得者・学習者とのやり取りや関わり
- そのやり取りを通じて、タイ語の希少性を改めて認識できた
- タイ語を勉強してきて良かったと実感できた
「タイ語で仕事ができるかもしれない」
「もう少しタイ語で頑張ってみようか」
と思えたのも、このボランティアでの他言語登録者の皆さんとのやり取りがあったからなんですよね。
「タイ語をこのレベルまで上げられたなんて、本当にすごいですね。頑張って勉強されたのですね。」
って声をかけていただいて。
タイに住んでいた頃はそんな風に言われたことが無かったので、初対面の方を前に(驚きと嬉しさで)泣きそうになってしまう、という出来事がありました。
この出来事は、たまたまだったのかもしれません。
ですが、ボランティア登録されている方々は、語学に真摯に向き合っている方ばかりでしたので、そういった方々とやりとりさせてもらえたのは本当に貴重な経験でした。
今回は、東京都の「東京都防災(語学)ボランティア」をご紹介しましたが、東京都に限らず、区や市など、語学ボランティアを募集している自治体は他にも多数あるようです。
仕事とはまた違う、出会いや発見、気づきが得られることもあるボランティアについての体験談と、その体験を通じて感じたことをお話しさせていただきました。
本記事は以上になります。
ここまでお読みくださり有難うございます。