『独学で勉強しよう!超初心者向けタイ語講座』の第1回です。
第1回のレッスンのポイントは、タイ語の語順(文章内の単語の順番)です。
SVO
タイ語文:
主語(S)+動詞(V)+目的語(O)
本記事の流れです。
- 第1回のポイント
↓ - 例文3種
【例文1】僕はカオマンガイを食べる
【例文2】私はタイ語を勉強する
【例文3】彼は曲を作る
↓ - タイドラマ『2gether』に出てくるセリフを確認する
↓ - まとめ:
タイ語の文章は「S+V+O」
例文を3種類見た後に、タイの人気BLドラマ『プロ・ラオ・クーガン/2gether The Series』に出てくるセリフ(ワンフレーズ)を2シーン、ご紹介します。
そして最後にもう一度、本記事のポイントをおさらいします。
※タイドラマ『2gether』のセリフを先にチェックしたい方は、こちらのリンクから該当部分(本記事後半)をご確認いただけます。
では、はじめます。
タイ語講座第1回のポイント:語順はSVO
- タイ語の語順はSVO
※S=Subject(主語)
V=Verb(動詞)
O=Object(目的語)
タイ語文:
主語(S)+動詞(V)+目的語(O)
※英語もSVOです。
日本語はSOV(主語+目的語+動詞)です。
例文から見る、タイ語文の語順
【例文1】僕はカオマンガイを食べる
phǒm kin khâao man kài
ผม กิน ข้าวมันไก่
僕はカオマンガイを食べる
最初の例文は「僕はカオマンガイを食べる」という文章です。
ここでのポイントは、
主語
(ポム/僕)
+
動詞
(キン/食べる)
+
目的語
(カーオマンガイ)
という語順です。
主語の後に動詞が来て、その後ろに目的語が来る、SVOの語順です。
日本語の場合は、
「主語(僕)+目的語(カオマンガイ)+動詞(食べる)」
と、動詞の前に目的語が来ますので(SOV)、タイ語とは語順が異なる点がポイントです。
一方、英語は
「主語(I/僕)+動詞(eat/食べる)+目的語(khao-man-gai/カオマンガイ)」
と、タイ語と同じSVOの語順です。
- 日本語にあるような、主語の前につく助詞「は」や、目的語の前につく助詞「を」は、タイ語にはありません。
- 主語含め、単語は前後の文脈から言わなくとも相手に伝わる場合は省略されます。
単語 | 意味 |
---|---|
ポム (phǒm) (ผม) | 僕 (男性一人称代名詞) |
チョープ (chɔ̂ɔp) (ชอบ) | 好きな |
カーオマンガイ (khâao man kài) (ข้าวมันไก่) | “カオマンガイ” (チキンライス) |
【参考】 「カーオマンガイ」の 各単語の意味 | カーオ(khâao/ข้าว):ご飯 マン(man/มัน):脂 ガイ(kài/ไก่):鶏 |
ですが、よく出てくる単語をピックアップしていますので、覚えられそうなものから少しずつ覚えていきましょう。
【例文2】私はタイ語を勉強する
続いての例文です。
chán rian phaasǎa thai
ฉัน เรียน ภาษาไทย
私はタイ語を勉強する
主語
(チャン/私)
+
動詞
(リアン/勉強する)
+
目的語
(パーサータイ/タイ語)
例文1で見てきた通り、この例文2も「主語+動詞+目的語」という語順になっていることが分かります。
単語 | 意味 |
---|---|
チャン (chán) (ฉัน) | 私 ((主に)女性一人称代名詞) |
リアン (rian) (เรียน) | 勉強する・学ぶ (動詞) |
パーサータイ (phaasǎa thai) (ภาษาไทย) | タイ語 |
※「パーサータイ」の 各単語の意味 | パーサー(phaasǎa/ภาษา):言語 タイ(thai/ไทย):タイ(Thailand) |
「タイ語」を意味するタイ語「パーサータイ」については、第6回講義の中で詳しくお話しします。
【例文3】彼は曲を作る(作曲する)
kháo tæ̀ŋ phlææŋ
เขา แต่ง เพลง
彼は曲を作る
主語
(カオ/彼)
+
動詞
(テン(グ)/(曲などを)作る)
+
目的語
(プレーン(グ)/歌、曲)
単語 | 意味 |
---|---|
カオ (kháo) (เขา) | 彼(または彼女) (三人称代名詞) |
テン(グ) (tæ̀ŋ) (แต่ง) | 詞、曲、文章を作る |
プレーン(グ) (phlææŋ) (เพลง) | 歌、曲 |
タイドラマでみる、タイ語文の語順
本講義で見てきたタイ語の文章の語順「SVO」に関連して、タイのBLドラマのセリフをご紹介します。
タイのBLドラマ『2gether』のセリフ①「俺はお前を選ぶ」
『プロ・ラオ・クーガン/2gether The Series』の第3話のワンシーンです。
Tineから「俺とメロドラマ(古臭いドラマ)ならどっちを選ぶのか?」と聞かれて、Sarawatが答えたセリフです。
กู เลือก มึง
出所(ที่มา):เพราะเราคู่กัน 2getherThe Series EP.3 2/4 14:57-14:58
(グー ルアック ムン)
※括弧書き内は本記事の著者によるもの
kuu lɨ̂ak mɨŋ
主語
(グー/俺)
+
動詞
(ルアック/選ぶ)
+
目的語
(ムン/お前)
と、語順が『S(主語)+V(動詞)O+(目的語)』となっていることが分かります。
直訳すると以下のようになります。
kuu lɨ̂ak mɨŋ
俺はお前を選ぶ
単語 | 意味 |
---|---|
グー (kuu/กู) | 俺 (丁寧な表現ではない) |
ルアック (lɨ̂ak/เลือก) | 選ぶ(動詞) |
ムン (mɨŋ/มึง) | お前 (丁寧な表現ではない) |
タイのBLドラマ『2gether』のセリフ②「僕は先輩が恋しい」
もう一つ、セリフをご紹介します。
タイのBLドラマ『プロ・ラオ(ヤン)クーガン/Still 2gether』の第5話のワンシーンです。
พี่ไทป์ ผม คิดถึง พี่ นะ
出所(ที่มา):เพราะเรา(ยัง)คู่กัน Still 2gether EP.5 3/4 9:26~9:31
(ピー・タイ ポム キッ(ト)トゥン ピー ナ)
※括弧書き内は本記事の著者によるもの
久しぶりに会ったTypeに対して、Manが言った言葉です。
phǒm khít thǔŋ phîi ná
先ほどのセリフと同様、
主語
(ポム/僕)
+
動詞
(キッ(ト)トゥン/恋しく思う)
+
目的語
(ピー/先輩(ここではタイ(Type)を指している))
と、こちらも語順が『S(主語)+V(動詞)O+(目的語)』となっていることが分かります。
なお、文末についている「ナ(ná/นะ)」は、親密で柔らかい表現で日本語の「~よ、~ね」に相当します。
直訳すると以下の文章になります。
phǒm khít thǔŋ phîi ná
僕は先輩のことを恋しく思っているよ
単語 | 意味 |
---|---|
キッ(ト)トゥン (khít thǔŋ) (คิดถึง) | 恋しいと思う、~に考え及ぶ |
ピー (phîi/พี่) | 兄、姉、先輩に対して用いる敬称 「ピー+ニックネーム」で使うことも多い。 ※下の者に対して「自分(僕・私)」を指す言葉として使うことも |
ナ (ná/นะ) | 相手に同意を求めるや強調したい時などに使われる、親密で柔らかい表現 日本語の「~ね、~よ」に相当 |
今の段階で難しく感じられる方は、スキップしていただいて、もう少し学習が進んだ段階で戻ってきてセリフを聞いてみる(ドラマを視聴してみる)というので良いと思います。
無理なくご自身のペースで続けてくださいね。
おさらい|タイ語講座第1回のポイント
タイ語講座第1回の本記事では、タイ語の文章の語順について説明しました。
- タイ語の語順はSVO
タイ語文:
主語(S)+動詞(V)+目的語(O)
第1回はここまでです。お疲れ様でした。
第2回はこちらからどうぞ。
- 冨田竹二郎編『タイ日大辞典』(めこん)
- 宇戸清治編『パスポート初級タイ語辞典』(白水社)
- 三上直光著『タイ語の基礎』(白水社)
- 宇戸清治著『初級タイ語のすべて』(IBCパブリッシング)
- JittiRain著『2gether vol. 1 (เพราะเราคู่กัน 1) 』(everY)※電子書籍