※2015年9月に旧ブログに掲載した記事を集約・内容を一部追加した上でこちらに再掲します。
タイ料理といえば…?という問いに対し間違いなく名前が挙がるであろう料理の一つ、トムヤムクン。
タイ語ながらも「トムヤムクン」と日本でそのまま言っても通じる料理の一つですよね。
本記事では、実は2種類あるトムヤムクンについての話と、トムヤムクンというタイ語の言葉の意味、トムヤムクンを作る際の調味料についてご紹介します。
では、はじめます。
クリーミーなスープだけではないトムヤムクン
タイに住み始めた当初は、他のタイ料理をあまり知らなかったこともあり、タイ料理屋さんに行く度にトムヤムクンを注文していました。
ですが、辛過ぎたり、甘過ぎたりと、どのお店でもなかなか自分好みの味で出てこないことを知ってからはあまり注文しなくなっていたのですが、ある日、トムヤムクンのスープには、クリーミーなスープのほかにクリアースープのタイプもあることを知って(一緒にご飯を食べに行ったタイ人の友人が教えてくれました)、それ以来「クリアースープのトムヤムクン+辛さ超控えめ」で注文するようになりました。
一般的なのはクリーミーなタイプだと思うのですが、クリアースープの方が、味のばらつきが少なくあっさりしていて飲みやすいのと、辛さの調整もしやすいのか丁度良い辛さにしてもらえることが多く、より自分好みの味で楽しめるようになりました。
お腹が空いているときや、ガツンとタイ料理を味わいたいときはクリーミーなタイプを注文することもありますが、負担なく軽くいただけるのはクリアータイプのほうなので、お店ではクリアータイプを注文することのほうが多いです。
- ต้มยำกุ้งน้ำข้น
tôm yam kûŋ náam khôn
トムヤムクン ナーム コン
※ข้น(khôn/コン):液体が濃くなった
- ต้มยำกุ้งน้ำใส
tôm yam kûŋ náam sǎi
トムヤムクン ナーム サイ
※ใส(sǎi/サイ):澄んだ、にごりのない
お店で何も言わないと、クリーミーなタイプのスープが出てくる可能性が高いです。
クリアーなタイプでお願いしたい場合は注文の際に伝える必要があります。
これまでに注文時にお願いして断られたことはないので「トムヤムクン」がメニューにあるお店では、クリアーなタイプでも作ってもらえるはずです。
「トムヤムクン」ということば【タイ語】
「トムヤムクン」はタイ語です。
辛くて酸っぱいスープを意味する「トムヤム(ต้มยำ/tôm yam)」と、「エビ」を意味する「クン(กุ้ง/kûŋ)」から成る言葉です。
「トムヤム」はさらに「トム(ต้ม/tôm)」と「ヤム(ยำ/yam)」に分解することができます。
「トム(ต้ม/tôm)」は「煮る、茹でる、煮られたもの」を、「ヤム(ยำ/yam)」は「混ぜ合わす、和える」という基本的な意味に加え「タイ(・ラオス)料理の中で辛くて酸っぱい料理」を指す言葉でもあります。
海老「(クン(กุ้ง/kûŋ)」ではなく、他の具(鶏肉やキノコなど)で作られたトムヤムスープもあります。
- 鶏肉のトムヤムスープ
:ต้มยำไก่
tôm yam kài
トムヤムガイ
※ไก่(kài/ガイ):鶏
- キノコのトムヤムスープ
:ต้มยำเห็ด
tôm yam hèt
トムヤムヘッ(ト)
※เห็ด(hèt/ヘッ(ト)):キノコ
【タイ語単語】調理時に使える動詞一覧【タイ料理】[アヤさんへの説明にも]
自宅で作ってみたトムヤムクン
タイでは家で作ったことがないまま日本へ帰ってきてしまいましたが、また食べたいなあと思うようになり、以前作ったトムカーガイのレシピをベースに、色々と調整を加えて作ってみました。
上段がクリアーなタイプのトムヤム、下段がクリーミーなタイプのトムヤムです。
具も、海老が入っている時もあれば、シーフードミックスや鶏肉で代用している時もあるので、必ずしもトムヤム”クン” ではなくなっています。
日本でタイ並みに海老をゴロゴロ入れるのはあまり現実的ではないので…
ちなみに左上は春雨も入れてみました。
レシピはこちらのページに掲載しています。
【タイ料理レシピ】トムヤムクン/ต้มยำกุ้งの材料と作り方
トムヤムクンを作る際の調味料
ここからは、トムヤムクンを作る際に欠かせない調味料を見ていきます。
具体的には「タイチリペースト(ナムプリックパオ)」と「エバミルク(無糖練乳)」をご紹介します
ナムプリックパオ(タイチリペースト)
トムヤムクンや、四角豆のサラダには欠かせない調味料、タイチリペースト。タイ語で「ナムプリックパオ(น้ำพริกเผา/náam phrík phǎo)」と言います。
私は専らお手軽な瓶詰タイプのものを使っています。
簡単なナムプリックパオなら唐辛子・にんにく・赤たまねぎ・塩・油だけで出来るようですが、瓶詰めタイプのものも比較的手に入りやすいため、市販のものを使うほうが味も決まりやすく良いかなと思います。
私がいつも購入するのは、有名なแม่ประนอม(MAE PRANOM/メープラノム)ブランドのナムプリックパオです。
他のブランドのナムプリックパオを使ったことがなく他ブランドとの比較はできませんが、このแม่ประนอม(MAE PRANOM/メープラノム)のものであれば、日本でも手に入ります。
エバミルク(無糖練乳)
エバミルク(無糖練乳)はタイ語でนมข้นจืด(nom khôn cɯ̀ɯt/ノム・コン・ジュート)と言います。
クリーミータイプのトムヤムクンを作るときに使います。
トムヤムクンを自分で作るまで知らなかったのですが、トムヤムクンに使われているのはココナッツミルクではなく、このエバミルク(無糖練乳)です。
タイ人の口コミサイト(Pantip)でも、大部分の方がエバミルクで作っているとコメントされていました。
“ทำต้มยำกุ้งน้ำข้น ใส่กะทิ นมข้นจืด หรือนมสดดีคะ”
Pantip(http://m.pantip.com/topic/30835148?)※タイトルの日本語訳は著者がつけました
「クリーミータイプのトムヤムクンを作るときは、ココナッツミルク、エバミルク、牛乳のどれを入れたら良いですか?」
日本で作るなら、ネスレから「Milkmaid(ミルクメイド)」というエバミルクが出ており、スーパーで購入することができます。
トムヤムクンを牛乳でも作ってみましたが、出来なくはないけど、かなりあっさりした味になりました(二日目には、寝かせたおかげか、割といい感じになっていましたが)。
ですので、こちらのエバミルクを使う方がやはり良いのかなあと思いました。
タイで買う際は、甘いタイプ(所謂普通の練乳:นมข้นหวาน nom khôn wǎan/ノム・コン・ワーン)も出ているので、どうぞお間違えのないように。
本記事は以上になります。
ここまでお読みくださりありがとうございます。
トムヤムクンのレシピはこちらでご紹介しています。