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東南アジアが題材のおすすめ歴史小説3選【太平洋戦争】[シンガポール/マレー半島]

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こんにちは。Sripasa(@Sripasaa)です。

今日は、東南アジアの歴史が題材となっている小説を3冊、ご紹介します。

3冊とも、東南アジアの歴史、特に第二次世界大戦(太平洋戦争)の頃の様子を知りたくて、タイに住んでいたころに読んだものです。

主な舞台はシンガポールとマレー半島で、タイは出てこないのですが、東南アジアで何が起きていたのかを小説を通して垣間見ることができて、読んで良かったと思いました。

おすすめです。

では、早速始めましょう。

おすすめの東南アジア歴史小説3選

『シェエラザード』浅田次郎著

1冊目は、浅田次郎著『シェエラザード』(講談社文庫)です。

昭和二十年、嵐の台湾沖で二千三百人の命と膨大な量の金塊を積んだまま沈んだ弥勒丸。

その引き揚げ話を持ち込まれた者たちが、次々と不審な死を遂げていくーーー。

いったいこの船の本当の正体は何なのか。

それを追求するために喪われた恋人たちの、過去を辿る冒険が始まった。

日本人の尊厳を問う感動巨編。

(作品紹介(『シェエラザード(上)』裏表紙より)

小説に登場する「弥勒丸(みろくまる)」は、1945年4月にシンガポールから日本への航行中に撃沈された貨客船「阿波丸(あわまる)」の事件(所謂「阿波丸事件」)が題材となっています。

シンガポールを代表するホテル「ラッフルズホテル」も登場します。

『総督と呼ばれた男』佐々木譲著

佐々木譲著『総督と呼ばれた男』(集英社文庫)です。

大正の頃、木戸辰也は日本人娼婦を母にシンガポールの日本人街で育った。

伯父の孝作にひきとられて、マレーの鉄鉱山で働き始めるが、労働争議に巻きこまれて孝作が殺される。

辰也はただちに報復して、矯正院に送りこまれる。

出所後シンガポールに戻り、辰也は暗黒街で頭角を現していく。

しかし、南国をも戦争の翳が覆い始めた。流転の人生を綴る波瀾の大河冒険小説!

(作品紹介(『総督と呼ばれた男(上)』裏表紙より)

主人公の木戸辰也が、マレーの鉱山から始まり、その後紆余曲折を経てシンガポールへ渡り、「裏総督」へと成り上がっていく様子が、興味深く描かれています。

時代は、日中戦争、太平洋戦争開戦、日本軍によるシンガポール占領、終戦と進んでいきます。

ハリマオこと「谷豊」も登場します。

『昭南島に蘭ありや』佐々木譲著

2冊目と同じ佐々木譲著『昭南島に蘭ありや』(中公文庫)です。

昭和十六年、シンガポールに在住する日本人に引き上げ命令が下りた。台湾生まれの客家の青年・梁光前は、その日から己の存在を問い続けることになる。

中華の民か、大日本帝国の臣民か。

どちらでもあり、どちらにもなれない己とは何か?ふとしたことから義勇軍に入ることとなった光前は・・・・・・。

(作品紹介(『昭南島に蘭ありや(上)』裏表紙より)

昭和17年(1942年)の日本軍によるシンガポール占領(昭南島と改名)の様子が、その前後のシンガポールの状況を含め、詳細に描かれています。

最初のページに当時のシンガポールの地図が載っているので、現在と比較してイメージしやすいのではないかと思います。

関連のおすすめ書籍

佐々木譲さんの戦争を題材にした書籍ですと、太平洋戦争三部作として有名な『ベルリン飛行指令』『エトロフ発緊急電』『ストックホルムの密使』(すべて新潮文庫)の3冊も、大変おすすめです。



さいごに

今回は、東南アジアの歴史(特にシンガポール・マレー半島の太平洋戦争前後)に触れることのできる、小説を3種紹介させていただきました。

冒頭でも述べましたが、本当に読んで良かったなあと思った本です。

タイに住むまでは、タイもそうですが東南アジアとの接点がほとんどなく、恥ずかしながら東南アジアのことはほとんど知らなかったんですよね。

小説の良さは、史実とは異なる部分はあれど、歴史の専門書などに比べて、「手に取りやすい」「とっつきやすい」という点にあると思います。

東南アジアの歴史についてもっと知りたい、という方にぜひ読んでいただけると嬉しいです。

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