タイ語作文添削

【第2回】タイ語作文添削「タイの犬」

【第2回】タイ語作文添削byぱさたび
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トライアル的な試みとして行った『ぱさたび』読者様向けのタイ語の作文添削、第2回はタイの犬についての一文です。

タイをご旅行された際について述べた文章とのこと。

では早速見ていきます。

日本語原文と添削前・添削後の文章

日本語原文(+関連する写真)

旅行中、可愛いワンコは私のそばにいる。

タイの犬
タイの犬
(画像は添削依頼者がご自身で撮影されたもの)
タイ語作文【添削前】

การเดินทาง
หมาน่ารักอยู่ที่ข้าง ๆ ฉัน

kaan dəən thaaŋ
mǎa nâarák yùu thîi khâaŋ khâaŋ chán

ガーン・ドゥーン・ターン(グ)
マー ナー・ラック ユー ティー カーン(グ)カーン(グ) チャン

※タイ文字を学習されていない方向けに、当方でphonetic(発音記号)・カタカナを追記しています。

タイ語作文【添削後】

ระหว่าง ที่ ไป เที่ยว
เจอ หมา น่ารัก อยู่ ข้าง ๆ ฉัน

rawàaŋ thîi pai thîao
cəə mǎa nâarák yùu khâaŋ khâaŋ chán

ラワーン(グ) ティー パイ ティアオ
チュー マー ナー・ラック ユー カーン(グ)カーン(グ) チャン

添削後の文章を踏まえ、私のほうで補足説明をしていきます。

【添削前】の文章からの変更点は大きく3点あります。

  1. 「旅行中」の言い方
  2. 「犬」の前に来る動詞「チュー/เจอ」
  3. 「そば」の前の「ティー/ที่」は不要

では、はじめます。



タイ語作文添削の補足説明

①「旅行中」の言い方

文章①「旅行中」
添削前

การเดินทาง

kaan dəən thaaŋ

ガーン・ドゥーン・ターン(グ)

添削後

ระหว่าง ที่ ไป เที่ยว

rawàaŋ thîi pai thîao

ラワーン(グ) ティー パイ ティアオ

「ガーン・ドゥーン・ターン(グ)」の意味

添削前の「ガーン・ドゥーン・ターン(グ)」だけだと言葉足らずではあるのですが、ネイティブの方がどんな印象を受けるのか聞いてみたかったので、私のほうではあえて手を加えずにこのまま添削をお願いしました。

また、この文章が旅行について書かれたものであることも、(日本語原文は見せていないため)添削前の文章からは分からない状況でした。

そのため、この文章を見せて最初に聞かれたのは、この文章がタイ旅行に関するものなのかそうではないのか、ということです。

「ガーン・ドゥーン・ターン(グ)/การเดินทาง」だけだと、「旅行」以外の状況にも使えるとのこと。

この一文がタイ旅行に関連しない話であれば、「(人生の)道のり」的な意味合いで捉えることも可能とのことでした。
(その場合は、「人生(の道のり)においては、ワンコが常に私のそばにいる/ระหว่างการเดินทาง หมาน่ารักอยู่ข้าง ๆ ฉันเสมอ)」というようなニュアンスになる)

この一文は旅行に関する文章でしたのでその旨説明したところ、【添削後】は、「旅行中」ということがより明確になる文章になりました。

添削後

ラワーン(グ) ティー パイ(*) ティアオ
rawàaŋ thîi pai thîao
ระหว่าง ที่ ไป เที่ยว

旅行中(=旅行しに行った間
行く目的=旅行する

*)「パイ/ไป」の用法(「パイ/ไป」の後ろに来る動詞が「パイ/ไป(行く)」の目的を表している、という話)、「〜するあいだ」という意味で使われる「ラワーン(グ)ティー/ระหว่างที่」については、第1回添削の中で詳しく解説していますので、そちらをあわせてご覧ください。

関連記事

【第1回】タイ語作文添削「タイのポテサラ」

②「犬」の前に来る動詞「チュー/เจอ」

タイの犬
タイの犬
(画像は添削依頼者がご自身で撮影されたもの)
文章②
添削前

หมาน่ารัก

mǎa nâarák

マー ナー・ラック

犬が可愛い

添削後

เจอ หมา น่ารัก

cəə mǎa nâarák

チュー マー ナー・ラック

可愛い犬に出会う

添削後の文章には、「会う」という意味の動詞「チュー(เจอ)」が入りました。

【添削前】と比べ、動詞がある【添削後】のほうが、より自然な文章になるとのことです。

動詞がない場合の文章だと「犬が可愛い」と、文章の主体者は「犬」のため、犬について述べた客観的な文章に感じられます。

一方、添削後の文章に動詞「チュー(เจอ)」が入ることで主体者が(この場合は)「自分」になり、より自分の話をしていることに重きが置かれる文章になっているように感じます。

なお、「会う」という意味の動詞「チュー(เจอ)」が文章に加わることによって、「(旅行中に、私が)出会った可愛い犬が私のそばにいた」というニュアンスの一文になりますが、(書き手が伝えたい内容によっては)動詞を他のもの(例えば「ミー(มี)/いる」や「ヘン(เห็น)/見かける」など)に変えることも可能とのことです。

③「そば」の前の「ティー/ที่」は不要

文章③
添削前

อยู่ ที่ ข้าง ๆ ฉัน

yùu thîi khâaŋ khâaŋ chán

ユー ティー カーン(グ)カーン(グ) チャン

添削後

อยู่ ข้าง ๆ ฉัน

yùu khâaŋ khâaŋ chán

ユー カーン(グ)カーン(グ) チャン

タイ語で「〜(場所)にいる」という場合、「ユー(yùu/อยู่)」の後ろに場所を表す前置詞「ティー(thîi/ที่)」が来て、その後ろに場所を表す単語(名詞)が続きます。

ですが、今回出てきた「そば」を表す「カーン(グ)カーン(グ)/ข้าง ๆ」は、その前に「ティー(thîi/ที่)」は不要で、「ユー(yùu/อยู่)」の後ろにそのまま置くことができます。

「そばにいる」

×อยู่ ที่ ข้าง ๆ
yùu thîi khâaŋ khâaŋ
ユー ティー カーン(グ)カーン(グ)

◯อยู่ ข้าง ๆ
yùu khâaŋ khâaŋ
ユー カーン(グ)カーン(グ)

今回出てきた「そば」だけではなく、他の「カーン(グ)/ข้าง」で始まる方角を表す語(方位詞)も同様に、「ユー(yùu/อยู่)」の後ろに「ティー(thîi/ที่)」は不要です。
(例えば、「カーン(グ)・ボン(ข้างบน)/上」「カーン(グ)・ナイ(ข้างใน)/中」「カーン(グ)・ナー(ข้างหน้า)/前」など)

【おまけ】「(人生の)道のり」的な意味合いで書いてみた一文

「ガーン・ドゥーン・ターン(グ)/การเดินทาง」だけだと、「旅行」ではなく「(人生の)道のり」的な意味で用いられる可能性もある、というお話を先ほどしました(こちら)。

それを教えてもらったので、私のほうで「ガーン・ドゥーン・ターン(グ)/การเดินทาง」を「(人生の)道のり」の意味で用いた一文を作文してみました。
(こちらもネイティブの方に見てもらっています)

【ご参考】การเดินทางを使った一例

ระหว่าง การเดินทาง ของ มนุษย์ เรา ทุกคน
เรา ต้องการ คน ที่ อยู่ ข้างๆ เรา อย่าง ครอบครัว เสมอ

rawàaŋ kaan dəən thaaŋ khɔ̌ɔŋ manút rao thúk khon
rao tɔ̂ŋkaan khon thîi yùu khâaŋ khâaŋ rao yàaŋ khrɔ̂ɔp khrua samə̌ə

ラワーン(グ)ガーン・ドゥーン・ターン(グ)コーン(グ)
マー ナー・ラック ユー ティー カーン(グ)カーン(グ) チャン

人間の旅路においては(≒人が生きていく上では)、どんな人間であれ(≒誰であれ)家族のように常に自分のそばにいてくれる人が必要だ
 ↑
私たち全員の人間の(人生の)道のりの間、私たちは常に家族のような私たちのそばにいる人が必要だ【直訳】

日本語は後付けで訳したので、少し違和感あるかもです……(日本語力が必要ですね)。



さいごに|タイ語作文の添削【第2回】

その文章を受け取ってどんな印象を受けるのか、どんな風に捉えるのか、今回もネイティブの方からコメントをもらって、私自身も興味深く内容を拝見しました。

本記事は以上になります。

ここまでお読みくださり有難うございます。

【第1回】タイ語作文添削はこちら

【第1回】タイ語作文添削「タイのポテサラ」

「タイ語作文」関連のおすすめテキスト①

間違いだらけのタイ語』は、日本人がよく間違える言い回しや表現について、何が間違っていてどう直せば正しくなるのかということを、具体的に文章を挙げて説明してくれています。

カタカナ表記はありませんが、タイ語の発音記号(phonetic)が理解できる方であれば、タイ文字の読み書きを学習されていない方でも読むことが可能です。

本書で挙げられている例文も「AはBです」といった基本的なものから始まっており、本全体で見ると中級学習者の方向けかな、と個人的には感じるものの、初級学習者の方でも学びのある(手元に置いておいて損はない)一冊かと思います。

また、上級学習者の方でも、自分が誤解して覚えてしまっている文法事項や、(本来は正しくないのに)癖になってしまっている言い方を見直すのに良い一冊だと思います。

「タイ語作文」関連のおすすめテキスト②

タイ語上級講座 読解と作文』は、タイトルに「上級」とありますが個人的には中級レベルの方〜おすすめの一冊です。

例文やフレーズが豊富に掲載されていますので、それを一つずつ見て自分の文章に置き換えていくだけでも、力がついていくと思います。

カタカナ表記や発音記号(phonetic)は無いため、タイ文字の読み書きできる方が対象ですが、作文(タイ語の文章)力をつけたい方にはこちらもおすすめです。

本書は『【タイ語本】独学でタイ語を勉強する方におすすめの学習教材【テキスト・音声】(初級~中級)』の中でもご紹介していますので、どうぞあわせてご覧ください。

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