タイ語勉強法

タイ語のリスニングが上達しない原因と、原因別の対策方法について【3級・中級レベル】

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リスニングに関するご質問をいただきました。

ご質問者様へは個別にお返事を差し上げておりますが、同様のお悩みを持つ方にも見ていただきたいと思い、こちらにも纏めます。

ご質問者様からの質問内容

タイに住んで3カ月になります。

日本に居たときから、タイ語に興味があり、少し独学してましたので、検定4級は余裕を持って合格しました。
また、3級もリスニング以外は問題ないと思っているくらいの中級にもう少しのレベルだと思っています。

本題、先生が作成下さった3級対策としてのヒアリング問題は歯が立ちません。

タイ語を文章で、一旦理解して繰り返し聞いてもリスニングの練習になりますでしょうか?

出来ればアドバイスをお願い致します。

2022年4月にいただいたご質問です。

では、見ていきます。

ご質問へのお返事

「タイ語を文章で、一旦理解して繰り返し聞いてもリスニングの練習になりますでしょうか?」というご質問ですが、リスニングの練習になります。

最初は聞き取れなかったタイ語文に対して、一旦文章を理解し、聞き取れなかった単語(=知らない単語)の意味と音をチェックして頭に入れた上で再度聴きます。

そのタイ語文の音を聴いて意味が理解できるようになるまで、何度でも聴いてみると良いです。

繰り返し聴く際は、聴いた文章をタイ語で書けるか?も挑戦してみてください。

一語一句正しく聴けて、綴りも間違えずに書き出せていれば、それはちゃんと理解できているということです。

ただし、これを行う場合は答えがちゃんとあるタイ語の音が良いので、お持ちのタイ語教材についているCDの音で行ったほうがいいです。

最初は初級の教材からで良いので、タイ語で書き出せるか(綴れるか)も含めて少しずつ進めていきましょう。

具体的な方法としては、初級教材の第1課の『例文を聴く→タイ語で書き出してみる→書き出せない単語の意味や綴りを確認する→文章全体の意味を確認する→もう一度聴く→タイ語で書き出してみる(→できるようになるまで続ける)』というのを一課ずつ丁寧に進めていくイメージです。

この際に、例文を暗記できると自分がタイ人に話す際にも使えますので、例文を「聴く」ことに加え「話す」ことも行ってみてください。

口に出したほうが文章を覚えやすいです。

なお、ご自身のタイ語レベルにもよりますが、最初から難しい教材でスタートさせる必要は全く無いです。
むしろ、どこに自分自身の弱点(=克服すべき点)があるのかを知るためにも、初級など簡単な教材をまずはご活用ください。

タイ語の教材については『独学でタイ語を勉強する方におすすめの学習教材』の中でご紹介していますが、ネイティブの音声が入っていてタイ語の綴りが確認できるものであれば、どの教材でも活用していただけるかと思います。



タイ語のリスニングが上達しない原因

以下はご参考までに、私が考えるタイ語のリスニングが上達しない原因とその対策方法です(あくまで一例です)。

リスニングが上達しない場合、いくつかの要因が考えられるのですが、逆に捉えると、これらの原因を一つ一つ潰していけば少しずつかもしれませんがレベルアップしていけると考えます。

タイ語のリスニングが上達しない原因

  1. タイ語の音の種類や特徴を理解していない
  2. タイ語の音自体に慣れていない
  3. 知識として単語量が足りない
  4. 単語は知っているけど、読み書きはできても正しい「音」を認識できていない
  5. タイ語の音のスピードについていけない

それぞれの対策方法を見ていきます。



タイ語のリスニングを上達させるための対策【原因毎に整理】

「①タイ語の音の種類や特徴を理解していない」場合

タイ語には日本語に無い音が存在します。

そのため、

  • 有気音と無気音の違い
  • 母音の多さ
  • 末子音の音
    (その音の口の形にするが発音はしない)
  • 日本語に無い声調があること

といったタイ語の音の種類や特徴をまずは理解することが大事です(音を区別できずに音の集合体であるリスニングはできるようにはならない)。

そして自分でもそれらの音を発音してみましょう。

音を聴いて理解できたように感じても、その音を自分の口で再現できない限り、ちゃんと理解したとは言えないからです。
発音の際は、息を出す量、口の形、舌の位置を意識してください。

※『ぱさたび』内の音声教材(https://sripasa.com/sounds_for_listening)をご活用ください。
タイ語の音を理解するために大事だと思う点はこちらに格納しています。

「自分は理解している」と思っていても漏れがあることもありますので、復習も兼ねてこちらの音声教材を一通り聴いてみていただくのが良いかな、と思います。

タイ語の音の基本」的な部分を知ることがはじめの一歩ですし、根本に関わる重要な点と捉えてください。

「②タイ語の音自体に慣れていない」場合

全体として聴く量が足りないと、当然リスニング問題は聞き取れません。

タイ語の音に慣れることはとても大事なことなので、当サイト内音声教材(https://sripasa.com/sounds_for_listening)、またはお持ちのタイ語テキストのCDなどでも良いと思うので何度も音を聴いてください。

「③知識として単語量が足りない」場合

単語量を増やしましょう。

この時意識していただきたいのは、単語の綴りと意味だけではなく「音」もセットで覚えていきます。

お持ちのCDに単語の音も入っているようであれば、音を聴きながら単語を覚えるようにしてください。

発音記号で音を理解できる方は、発音記号を常に調べて音も含めて覚えていくという方法もありますが、まずは聴く量を増やしたほうが良いので、単語の音を聴きながら単語量を増やしていきましょう。

※『ぱさたび』内のリスニングに関する記事(https://sripasa.com/thai_basic_listening)の中でも、使えそうな教材などをご紹介しています。

「④単語は知っているけど、読み書きはできても正しい「音」を認識できていない」場合

③と関連しますが、自分の知っている単語で正しい音を発音できるかどうか、チェックしてみてください。

独学されている方でおられるのが、綴りは記憶済みでも音をセットで覚えていないケースです。

慣れると発音記号から音をイメージできるようになりますが、慣れるまでは実際の音を聴いたほうがいいです。

単語の音は、タイにお住まいでしたらタイの方に発音してもらうのも良いと思います。

「⑤タイ語の音のスピードについていけない」場合

これはどなたでも一度はぶつかる壁ではないでしょうか。
(中級→上級へ上がる際の壁)

上記①~④ができても、タイ語のスピードについていけないことが出てきます。

これについては、ネイティブの「生」の音を聴いてそのスピードに慣れていく必要があります。

タイ語のニュースを聴いていけるのはこの段階からかと思います(逆に基本ができていない状態でこれを聴いても、タイ語の音には慣れることができるかもしれませんが、全然ついていけない)。

私がいくつか『ぱさたび』に載せている中級向けのリスニング教材は、このレベルを想定したものです(頑張ってネイティブレベルのスピードに慣れていくレベル)。

または、ツイッターの活用方法についての記事(https://sripasa.com/twitter)でも触れていますが、タイのニュース記事のうち、ご自身が興味のある、または内容が既に理解できているトピックをTwittterからピックアップして、そのリンクに動画があるものを聴いてみることもおすすめしています(詳しくは記事をご覧ください)。

ドラマなどでネイティブの音に慣れていく方法もあります。

こちらは『ぱさたび』内で「ドラマ」で検索していただくと記事がいくつか出てくると思いますので、ご興味あればご覧になってみてください。

ただし、ニュースとドラマの難易度を比べると、タイ語学習者にとってはドラマの方がリスニングが難しいので、各々の興味にもよるのですが、ニュース→ドラマの順に慣れていく方が良いかな、と個人的には思います。

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アドバイス後にいただいたお返事

アドバイスに対するご質問者様からのお返事

ご丁寧なアドバイス有難うございました。

先生もどこかで書かれておられましたがタイに居るからと言って、タイ人と思った程、頻繁に会話出来る訳ではないですよね。

アドバイス頂いた②と④がまさしくご指摘の通りだなと感じましたので、意識して頑張ってみます。

貴重な時間を割いて、アドバイスを頂き、感謝しております。
有難うございました。

最後に、先生のこのサイトで伸び悩みやモチベーションの低下、自分の勉強法に自信が無くなり、タイ語の勉強継続が負担になって居る方々をどれだけ救って下さっているか!
ただただ頭が下がります。

私も合格するか否かは別として、準二級レベルのタイ語目指して頑張ります。

こう言っていただけると、このサイトを作ってきた甲斐があると言いますか、私自身タイ語を学習する中で、何度も挫折しそうになったり孤独に感じていた部分がありましたので、このサイト『ぱさたび』がそういった点に少しでも寄り添える存在になれていたとしたら、サイト運営者としてもとても嬉しく思います。

さいごに|タイ語のリスニング対策

ぱさたび タイ語のリスニングに関するお悩み相談

タイ語のリスニングは本当に難しいですよね。

私も苦労した人間なので、今回のご質問者様のお気持ちがよく分かるんですよね。

大きな方向性を間違わずに学習を続ければ、必ず少しずつでも上達していけますので頑張っていきましょう。

今回私がご紹介した原因(と対策方法)は、あくまで一例ですべての人に当てはまるわけではありませんが、どれか一つでもご自身に当てはまりそうな内容があれば、ぜひその点を改善していっていただきたいと思います。

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