タイ語勉強法

【タイ語勉強法】初級学習者がリスニング(聞き取り)を上達させるポイントを3つ解説

bangkok BTS

初級タイ語学習者の方がどうやってリスニングスキルを伸ばしていったら良いか、ということについて質問をいただきました。

thai listening question

私なりに考えた結果、初級レベルのタイ語学習者がリスニング能力を上げていくためのポイントは以下の3点であると考えています。

  1. 音を正しく認識(≒区別)する
  2. 少しずつで良いので、音の速度に慣れていく(≒多聴)
  3. 単語量を増やしていく

それぞれのポイントについて、この記事の中で詳しく解説していきますが、先にご質問者様へのお返事を載せておきます。

ご質問者様への3つのアドバイス
【初級リスニングについてのご質問】
  1. 自身が区別できていない音は、聞き分けることができません。そのため、母音や末子音など、日本語には無い音を正しく区別できているかどうか、改めて確認してみましょう。
  2. タイの小学校低学年の授業の動画をリスニング教材として活用することをおすすめします。
    また、現在は日本人講師からタイ語を習っているとのことですが、「生のタイ語を聞く」量を少しでも増やすため、タイ人講師から習うことも検討されてはいかがでしょうか。
  3. 単語量を並行して増やしていきましょう。

このアドバイスとなった背景は、解説を読んでいただけるとご理解いただけるかと思います。

では、はじめます。

ポイント①音の正しい認識(区別)|タイ語初級学習者のリスニング上達のポイント

日本人にとって、日本語に無い音がたくさんある『タイ語の音』はとても難しいですよね。

ですが、音を正しく認識しようとした場合に、「正しく聞き分けられるか?」ということが非常にポイントになってきます。

自分の中で、音の区別がきちんとできているかどうか、ということです。

これは、発音にも通じる話ですね。

タイ語の母音は、基本音として9音存在しています。

「a/i/u/e/o/æ/ɨ(ɯ)/ə/ɔ」ですね。

日本語の「ア イ ウ エ オ」に相当する(とここでは見なします)5音「a/i/u/e/o」の他に、日本語を話す際には出てこない4つの音「æ/ɨ(ɯ)/ə/ɔ」が存在します。

これを区別できているか、ということです。

【具体例】音の正しい認識(区別)

「母音」を例に挙げてみます。

日本人の発音を聞いていて、音が混在していると感じる母音の一つが、「u」と「ɨ(ɯ)」です。

日本語にある音としては「ウ」しかないので、無意識に発音すると、この2つの音が区別されないことがあるようです。

厳密には、

  • 「u」
    →唇を丸めて、前に突き出すようにして「ウ」と発音する
  • 「ɨ(ɯ)」
    →「イ」を発音する時のように、唇を平らにして「ウ」と発音する

出所:三上直光著『タイ語の基礎』p11

となっており、発音する際の口の形が全然違いますので、出てくる音も当然違ってきます。

この音の違いを認識できていないと、自分で区別できていないということですから、結局正しいリスニングはできないということなんですよね。

日本語に無い母音もそうですが、末子音(p/t/kの区別、m/n/ŋの区別)についても、ぜひ一度確認されることをおすすめします。

この音を確認する際に、タイ文字の読み書きができる、というのは非常にメリットがあります。

音だけではなく、文字(読み)で区別できますから、それをヒントに音を区別していくということです。

タイ語の子音のうち、「有気音」と「無気音」の違いや発音のポイントについては、以下の記事でまとめていますので、ぜひご覧ください。

タイ語 発音
【タイ語】難しい子音の発音|「有気音・無気音」の違い・発音の仕方・ポイントタイ語を勉強する上で、ネックになるものの一つが 発音 です。 日本語にない音が多く、タイ語の発音に苦労されている方もいらっしゃるの...

 

市販の音声教材を上手く活用して、タイ語の単語の音を正しく認識する

後にご紹介する「単語量を増やす」ことにも関係するのですが、単語の音を「正しく」覚えていくことが非常に大切です。

そのために、音声がベースの市販教材を聴き、タイ語ネイティブの正しい発音を意識しながら単語を覚えていく方法もおすすめです。

具体的には以下の2種の教材です。
(「iPod」とありますが、iPhoneでも使用可能です)

「iPodでとにかく使える」シリーズは、日本語→タイ語の単語(一部フレーズあり)が淡々と読み上げられる音声教材です。

具体的には以下の通りです。

【例】

表現①(日本語音声)

表現①(タイ語音声)

表現①(タイ語音声)

表現②(日本語音声)

表現②(タイ語音声)

表現②(タイ語音声)

以降同様

文章や会話形式ではなく、掲載されている多くが単語(一部フレーズ)ですが、初級レベルの方が「(正しい発音で)単語を覚える」教材として使うのは、非常に有効だと思います。

本教材は音声教材のため、テキスト(本)はついていませんが、出版社HPよりPDFファイルをダウンロードできます。

PDFには音声に収録されている単語(一部フレーズ)毎に、

日本語
タイ語(タイ文字)
タイ語(カタカナ読み)

の3種類が載っていますので、音声を聴いていて、分からない・知らない単語が出てきた場合は、このPDFファイルを見れば単語を正しい音で認識していくことが可能です。

  • 文法事項などの説明は一切無いため、タイ語知識がゼロ(またはごく僅か)の方がこれを手にしても、説明不足で物足りなく感じると思います。
    別の教材等である程度の知識をつけた後に、この教材に取り掛かるのがおすすめです。
  • Audible(オーディオブック)版を入手した場合、スマホの画面上に単語ごとに「日本語」「タイ語(タイ文字)」「タイ語(カタカナ読み)」が表示されない(=聴きながらスマホの画面上で単語を見て確認することはできない)ようですので、ご注意ください。
    別途ダウンロードするPDFファイルで確認する必要があります。

 
『iPodでとにかく使えるタイ語』は日常生活に出てくる単語がメインで、『iPodでとにかく使えるビジネスタイ語』は日常生活でも使える単語に加え、ビジネスシーンでも使える単語も一部含まれている、という印象です。

サンプルの音声がありますので、まずはそちらを聴いてみてください。

ご自身のレベルやニーズに合うかをご確認いただいた上で購入されることをおすすめします。

サンプル音声はこちらから

 

今回ご紹介した音声教材は、Amazonのオーディオブック『Audible(オーディブル)』で聴くことができます。

最初の一冊は無料で聴けますので、オーディオブックに興味のある方は、ぜひこの機会に試してみてはいかがでしょうか。

本音声教材は、『【タイ語本】独学でタイ語を勉強する方におすすめの学習教材【テキスト・音声】初心者~中級)』の中でもご紹介しています。

ぜひあわせてご覧ください。



ポイント②音の速度に慣れる(多聴)|タイ語初級学習者のリスニング上達のポイント

続いて、音の速度の話です。

ネイティブが話すスピードは、速いですよね。

タイ人も例外ではありません。

そのため、「速度に慣れる」ということも必要になってきます。

「速度に慣れる」ために一番確実な方法は『生のタイ語をたくさん聴く』ということです。

ですが、この方法は生の音源を使うため、ある程度(中級程度以上)の単語量が必要になると感じています。

関連記事
(中級学習者向けリスニング教材)

では初級レベルの学習者はどうすれば良いのか?

2つの方法をご紹介します。

音の速度に慣れるための方法1|タイの小学校低学年の授業の動画を見る(聞く)

おすすめの方法の1つとして挙げたいのは、タイの小学校低学年のタイ語の授業の動画をYouTubeで視聴することです。

例えばこちらの動画。

タイの小学校(1年生/ポー.ヌン)の、タイ語(タイ文字)のクラスです。

授業の中で、先生が各文字の読み方を説明したり、学生がゲームをしながら文字を覚えたりしています。

小学1年生向けに話しているので、先生の話し方はゆっくりで、かつ内容も(タイ語の読み書きができる方であれば)難しくないため、リスニングしやすいと思います。

ぜひ聞いてみてください。

音の速度に慣れるための方法2|タイ人の先生に習う

もう1つの方法としては、初級レベルの学習者向けに調整して話してくれるネイティブの先生にタイ語を習うことです。

タイ語のリスニングを磨きたいなら、たくさん聴くこと(=多聴)は欠かせません。

初級の方は、先生から少しでもたくさんの音を聞いて、少しずつで良いので耳を慣らしていきましょう。

ご質問者様は、現在日本人講師の方からオンラインレッスンでタイ語を習っているとのことでした。

日本人からタイ語を習うこと自体は否定しません。

メリットもあると思います。

ですが、「タイ語のリスニング能力を上げる」ことに重きを置いた場合、タイ人講師からもタイ語を習って、タイ語を聴く量を増やしていかれることをおすすめします。

ご質問を拝見した限りでは、「独学+日本人講師からのオンラインレッスン(週1)」とありましたので、タイ語を聴く量が全体的に足りていないような印象を受けました。

タイ人講師であれば、学習者のレベルに合わせ、学習者が知っている単語や言い回しを使ってタイ語で話をしてくれるでしょうし、学習者が理解できない場合は、理解できるまで何度でも説明してくれるはずです。

そうやって少しずつで良いので、「生の音を聴く」機会を増やしてみてはいかがでしょうか。



ポイント③単語量を増やす|タイ語初級学習者のリスニング上達のポイント

最後に単語量の話を。

これは私が通っていたチュラロンコン大学のタイ語コースのシラバス(講義内容)に載っていたものですが、チュラのタイ語コースでは、1コースで覚える単語量が800語前後と想定されていました。

Sripasa
Sripasa
現在のシラバスには掲載されておらず、若干あいまいな記憶のため、もしかすると多少語数が前後しているかもしれませんが、ご了承ください。

初級は、

  • Basic1(現TH1)
  • Basic2(現TH2)
  • Basic3(現TH3)

この3つのコースで構成されているので、単純に合算すると、800語×3=2,400語がチュラの初級コースで覚える単語量となります。

生のタイ語を聴くには、中級レベル(初級終了レベル)の単語量が最低でも必要になってくることを先にお伝えしました。

そのため、目安ではあるものの、2,400語程度の単語を知っておく必要があると感じています。

ご質問者様の現在の単語量は1,500語ほど、とのことでしたので、上記の点をふまえ単語量をさらに増やしていくことが、リスニングの強化にもつながっていくと思います。

【体験談】チュラロンコン大学外国人向けタイ語コース[インテンシブタイ]レベル別学習内容私は、タイに住み始めてすぐに(2010年から)チュラロンコン大学のインテンシブ・タイ・プログラム(外国人向けタイ語コース)でタイ語を勉強...


まとめ|【タイ語勉強法】初級学習者がリスニングを上達させていくための3つのポイント

この記事では、タイ語の初級学習者がリスニングを上達させる方法について見てきました。

今回挙げた3つのポイントは以下の通りです。

  1. 音を正しく認識(区別)する
  2. たくさんタイ語の音を聴いて、音の速度に慣れる(≒多聴)
  3. 単語量を増やす

これらの点を踏まえ、ご質問者様へアドバイスするとすれば、以下の通りです。

ご質問者様への3つのアドバイス(再掲)
【初級リスニングについてのご質問】
  1. 自身が区別できていない音は、聞き分けることができません。そのため、母音や末子音など、特に日本語には無い音を正しく区別できているかどうか、改めて確認してみましょう。
  2. タイの小学校低学年の授業の動画をリスニング教材として活用することをおすすめします。
    また、現在は日本人講師からタイ語を習っているとのことですが、「生のタイ語を聞く」量を少しでも増やすため、タイ人講師から習うことも検討されてはいかがでしょうか。
  3. 単語量を並行して増やしていきましょう。

ご質問の中にあった、「英語のように聞き流して全体の意味を把握できない」のは、上記の②や③が関係していると思われます(聴く絶対量が足りないか、単語量が足りないか、またはその両方か)。

タイ語のリスニングは難しいです。

レベルが上がっても悩みはつきません。

ですが、努力は裏切らないと思っていますので、頑張っていきましょう。

このお返事が少しでもお役に立てますように。

応援しております。

以上、Sripasa(@Sripasaa)でした。

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