先日リスニングについてご質問いただいた方から、別の質問をいただきました。
参考書とかではなく、タイの洋書と言うのか、タイ語の本で頑張ればタイ語検定3級レベルで読めそうな書籍を2、3冊ご紹介頂けませんでしょうか。
知らない単語の発掘にもなると感じますので、宜しくお願い致します。
前回のアドバイス有難う御座います。
迷いが解けて、楽しくヒアリング勉強しており、最近、無意識に見ているTVの女性の司会者の言ってる事が理解出来る頻度が上がったように感じ、アドバイスに非常に感謝しております。
(※前回のご質問とお返事はこちらからご覧いただけます)
本記事では、こちらのご質問へのお返事を纏めていきます。
私自身の手元にある書籍のうち、タイ語学習者でも読み進められそうな本や、私自身がタイ語学習中に実際に手に取っていた本をご紹介していきます。
(そのため、ご紹介する本は私自身が興味のあるジャンルに限られます)
具体的には、以下の(ジャンルの)本をご紹介します。
- タイ小説『クーカム(メナムの残照)』
- タイ国内旅行のガイドブック
- タイ料理のレシピ本
- 子供・若者向けの本(のうち大人でも楽しめるもの)
- 日本について書かれた本
- タイ人向けの日本語学習教材
- タイの歴史本
では、はじめます。
おすすめのタイ語本①王道のタイ小説『クーカム(メナムの残照)』
まずは、有名なタイの小説から。
今回のご質問をいただいて最初に思いついたのが、『คู่กรรม(khûu kam/クーカム)』(邦題は『メナムの残照』)です。
理由はいくつかあるのですが、日本人(コボリ)が登場するので私たち日本人にも親しみやすい話であること(ストーリー自体は楽しい話ではありません)、全体的なストーリーが比較的わかりやすいこと、過去に何度も映画化やドラマ化がなされており、タイの方との話題にも事欠かないこと、加えて日本語の翻訳版『メナムの残照』も出ている(=答えがある)ので意味を確認できることです。
タイ語検定3級レベルの方でしたら、ストーリーをご存知ない方は最初に日本語の『メナムの残照』を読んでから、こちらの『คู่กรรม(クーカム)』を読み進めていくことをおすすめします。
この『คู่กรรม(クーカム)』は上・下巻に分かれています。
そのため一見ボリュームがあるように感じますが、紙が厚めなのも影響しているようで、内容は見た目ほどは多くありません。
『メナムの残照』の文庫本は、バンコクの紀伊國屋で購入しました。
こちらの記事内でもご紹介していますので、どうぞあわせてご覧ください。
おすすめのタイ語本②タイ国内旅行のガイドブック
ここからは、私自身が読んでいた(読んでいる)、または読みたいと思って購入した本で好きだったもの(=おすすめできるもの)をご紹介していきます。
まずは、タイ国内の旅行本です。
日本語のガイドブックだと、どうしてもバンコクなどの大都市や、サムイやプーケットなどの観光地中心で情報が掲載されています。
ですが、特にタイにお住まいの方でしたら、もう少し色々な場所に行ってみたくなりますよね。
そう思って手に取った本が、こちらのシリーズです。
バンコク(またはその近郊)から週末に行ける範囲の街やスポットを紹介してくれているガイドブックです。
このシリーズの1と4(一つ下の画像)は、タイ語検定3級レベルの頃に購入した記憶があります。
当時のタイ語能力では、書かれていること全てを読めた(理解できた)わけではないのですが、多少なりともタイ語の本に接することができるようになって嬉しかったことを覚えています。
写真を眺めているだけでも楽しいですし、実際にカオヤイ(khao Yai/เขาใหญ่)やアンパワー(アムパワー/Amphawa/อัมพวา)へ行く際にこちらを持参した記憶があります(地図がアバウト過ぎて目的地になかなか辿り着かなかった記憶もありますが…)。
このガイドブックを手に取って、この表紙の教会へ行ってみたくて「チャンタブリー(Chanthaburi/จันทบุรี)へ行こう!」となった記憶もあります。
チャンタブリーで購入したファンシーサファイアの話をこちらでご紹介しています。
このシリーズ自体(改訂されていなければ)、今(2022年)ですと古い部類に入ってしまいますので、同ジャンルのガイドブックでご自身の好みのものを選ばれると良いかと思います。
以下のような、タイの人気観光地がまとめて掲載された本などもあります。
どういう場所がタイ人に人気なのか知りたくて買ってみました。
お値段もお手頃なので(左は59バーツ、右は99バーツ)、こういう本をまずは一冊読んでみるのも良いかもしれません。
おすすめのタイ語本③タイ料理のレシピ本
続いておすすめしたいのが、タイ料理のレシピ本です。
料理を作るのがお好きな方へはもちろん、タイ料理(を食べるの)が好きな方にもこういう本を一冊手に取ってみることをおすすめしたいです。
個人的に特に気に入っているのが、紫の表紙の『อาหารไทย(アーハーン・タイ/ʔaahǎan thai:”タイ料理”)』という本です。
料理のレシピ(作り方)がたくさん掲載されているのはもちろん、タイ料理に登場する野菜、ハーブ、スパイス、調味料が画像(カラー)つきで説明されていて分かりやすいんですよね。
ペーストの作り方なども載っていて勉強になる一冊です。
タイ料理は日本でも人気がありますし(私も好きです)、せっかくタイ語を勉強しているのですから、タイのハーブやスパイスなどについても説明ができると良いですよね。
ですので、タイ語をある程度勉強してきている方なら一冊こういった類の本を持っていても損はないのかな、と思います(もちろんご自身の興味の範囲によりますが)。
紫の方が495バーツ、白い方が550バーツとタイの書籍の価格帯としてはやや高めではありますが、ほぼカラー、多数のレシピ、各レシピの手順が画像付きで丁寧に掲載されていることを考えると、両方ともとてもお得感のあるレシピ本だと思います。
タイ料理のレシピ本については、この2冊に限らず本屋さんにたくさん並んでいますので、実際に手に取ってみてご自身の好みのスタイルのものを選ばれると良いと思います。
おすすめのタイ語本④子供・若者向け
子供向けの本
こちらは一例ですが、子供向けの本のうち、教育系の本であれば大人でも興味を持って読み進められるかなと思います。
私が実際に購入してよかったと感じたのは、こちらの2冊です。
タイ米についての絵本(左)と、ASEAN(タイ)についての本(右)です。
ただし、ディズニーのお姫様が登場するシリーズ(シンデレラなど)は、王語が出てきてしまって難しいのでおすすめしません。
若者向けの本
子供向けの本よりも少しレベルがあがりますが、こちらの若者向けの百科事典のシリーズ『若者向けタイ百科事典(สารานุกรมไทยสำหรับเยาวชน/sǎaraanúkrom thay sǎmràp yauwa-chon)』もおすすめです。
(別記事(こちら)でもご紹介しています)
実際に私も「タイ語の本を読んでみたい」とタイ語の先生に相談した際におすすめしてもらったのがこちらの本でした。
巻数がかなりあり、テーマごとに分かれているので、本屋さんで手に取ってご自身の興味のある内容を選ばれると良いです。
こちらも画像が多くて眺めているだけでも面白いです。
ちなみに、こちらの百科事典は一部ネットでも閲覧することが可能です。
ネットだと音声がついている内容もあり、リスニング学習にも活用できるものがあります。
「『タイ百科事典』の使い方を詳しく解説」の中で詳しくお話ししていますので、どうぞあわせてご覧ください。
おすすめのタイ語本⑤日本について書かれた本
日本に詳しいタイの方が日本について書いた本もおすすめです。
タイ人は日本の、あるいは日本人のどういうところに興味を持つのかという視点が面白いです。
また、内容自体は日本人であれば知っていることも多いので、書かれていることを理解するのはそこまで難しくないのではないかと思います。
こちらの本は一例ですが、色々な本が出ていると思いますので、こちらも本屋さんでぜひご覧になってみてください。
おすすめのタイ語本⑥タイ人向けの日本語学習教材
日本語を教えることに興味のある方でしたら、タイ人の日本語学習者向けに出されている書籍がたくさんありますのでこちらもおすすめです。
私自身、タイでボランティアで日本語を教える際に、日本語の文法事項についてタイではどのように説明されているのかを知りたくてこの類の本を手に取りました。
特に『みんなの日本語』の文法事項の説明(タイ語)は、日本語レッスンの前に何度も読んでタイ語で説明できるようにしました。
意図したわけではなかったのですが、結果としてこのやり方は私自身のタイ語のレベルアップにもつながったと思っています。
また、語彙などはタイ語学習ともリンクしますし勉強になることも多いです。
『みんなの日本語』はタイ語で出ているものは①〜④の4冊です。
この、日本語能力試験対策シリーズのうち、語彙(漢字)は個人的にとても役立ちました。
日本語の熟語をタイ語でどう言うか?が分かりますし、タイ語での説明が難しい表現を「こう言えばいいのか」というヒントにもなりました。
タイ語検定3級レベルの方でしたら、こちらのN3くらいから始められると良いかなと思います。
N4も出ていたと記憶していますので、どれがご自身の現在のレベル感に合うかは実際に本屋さんで手に取って確認してみてください。
個人的には特にN2・N3にお世話になりました。
こちらの『昔話で学ぶ日本語』という本もおすすめです。
こちらもタイ人の日本語学習者向けの本です。
色々な日本の昔話が掲載されています。
①日本語、②日本語(ルビ/ふりがな付き)、タイ語訳で構成されています。
タイ人向けの書籍なのでタイ語の発音記号は書かれていませんが、巻末に単語リスト的なものも載っており(日本語→タイ語訳)、上手く使うと読解の練習に役立つのではないかと思います。
現在は電子書籍(PDF)でも販売されているようです。タイトル名で検索するとサンプルも一部ご覧になれますので、気になる方は確認してみてください。
おすすめのタイ語本⑦タイの歴史本(上級学習者向け)
こちらはタイ語検定3級レベルの本では(おそらく)ないのですが、私自身が読んだ本でおすすめの本なのでご紹介します。
タイの歴史本です。
歴史がご専門の先生に、タイの歴史についてのおすすめの本を尋ねたところ、こちらをおすすめしてもらいました。
タイ語検定準2級以上(くらい)のレベルの方で、かつ歴史に興味のある方あれば、頑張って読み進めていけるかなと思います。
こちらはご参考までに。
さいごに|タイ語の本を読んでみよう
本記事では、ご質問にありました、タイ語学習者(タイ語検定3級レベル)が読み進めていけそうなタイ語の書籍についてご紹介しました。
色々とご紹介しましたが、一番大事なことは「自分が興味を持って読み続けられるか」という点です。
ですので、ご自身が興味のあるジャンルや内容の本の中から、自分でも読み進められそうな本を選ばれると良いと思います。
(興味のない内容だと、どこかで挫折してしまいます)
良い本に出会えますように。
本記事は以上になります。
ここまでお読みくださりありがとうございます。