『独学で勉強しよう!超初心者向けタイ語講座』の第3回です。
第3回講義のポイントは、タイ語の否定文の作り方です。
特に、本講義では、動詞や形容詞を否定したいときの言い方をご紹介します。
→動詞/形容詞の前に「マイ(mâi/ไม่)」を置く
本記事の流れです。
- 第3回のポイント
↓ - 例文4種
【例文1】僕はカオマンガイを食べない
【例文2】僕はカオマンガイが好きではない
【例文3】このお菓子は甘くない
【例文4】この部屋は寒くない
↓ - タイドラマ『2gether』に出てくるセリフを確認する
↓ - まとめ:
タイ語での否定文の作り方
例文を4種類見た後に、タイの人気BLドラマ『プロ・ラオ・クーガン/2gether The Series』に出てくるセリフ(ワンフレーズ)をご紹介します。
そして最後にもう一度、本記事のポイントをおさらいします。
※タイドラマ『2gether』のセリフを先にチェックしたい方は、こちらのリンクから該当部分(本記事後半)をご確認いただけます。
では、はじめます。
タイ語講座第3回のポイント:否定文の作り方
今回の講義のテーマは、「タイ語の否定文の作り方」です。
タイ語で動詞や形容詞を否定したいときは、動詞(形容詞)の前に「マイ((mâi/ไม่)」という語を置きます。
- タイ語の否定文は、動詞/形容詞の前に「マイ(mâi/ไม่)」を置く
ポイントとなるのが、否定に使う言葉「マイ(mâi/ไม่)」の位置(語順)です。
「マイ」の位置は、主語と動詞(形容詞)の間です。
主語+マイ+動詞+目的語
主語+マイ+形容詞
- 主語は、単語は前後の文脈から言わなくとも相手に伝わる場合は省略されます。
主語が省略されると、否定文の場合は「マイ」から文章が始まります。
マイ+形容詞
例文から見る、タイ語の否定文の作り方
【例文1】僕はカオマンガイを食べない
最初の例文は「僕はカオマンガイを食べない」という文章です。
phǒm mâi kin khâao man kài
ผม ไม่ กิน ข้าวมันไก่
僕はカオマンガイを食べない
第1回講義で出てきた「僕はカオマンガイを食べる」の否定文です。
主語
(ポム/僕)
+
否定語
(マイ/~ない)
+
動詞
(キン/食べる)
+
目的語
(カーオマンガイ)
主語「ポム/僕」と動詞「キン/食べる」の間に、否定語「マイ(~ない)」が入ります。
否定語「マイ」の入らない通常の文章(第1回講義で登場)と比べてみます。
ポム キン カーオマンガイ
(僕はカオマンガイを食べる)
⇕
ポム マイ キン カーオマンガイ
(僕はカオマンガイを食べない)
動詞「キン/食べる」に否定語「マイ」がついて、
「マイ キン(mâi kin/ไม่กิน)」=「食べない」
となります。
【例文2】僕はカオマンガイが好きではない
二つ目の例文は、第2回講義で出てきた「僕はカオマンガイが好きだ」の否定文です。
phǒm mâi chɔ̂ɔp khâao man kài
ผม ไม่ ชอบ ข้าวมันไก่
僕はカオマンガイが好きではない
主語
(ポム/僕)
+
否定語
(マイ/~ない)
+
形容動詞
(チョープ/好きだ)
+
目的語
(カーオマンガイ)
先ほど見た例文1と同様、形容詞の場合でも、形容詞「チョープ/好きな」の前に否定語「マイ」を置きます。
ポム チョープ カーオマンガイ
(僕はカオマンガイが好きだ)
⇕
ポム マイ チョープ カーオマンガイ
(僕はカオマンガイが好きではない)
形容詞「チョープ/好きな」に否定語「マイ」がついて、
「マイ チョープ(mâi chɔ̂ɔp/ไม่ชอบ)」=「好きではない」
となります。
【例文3】このお菓子は甘くない
3つ目の例文は、第2回講義で出てきた「このお菓子は甘い」の否定文です。
khanǒm-níi mâi wǎan
ขนมนี้ ไม่ หวาน
このお菓子は甘くない
主語
(カノム・ニー/このお菓子)
+
否定語
(マイ/~ない)
+
形容詞
(ワーン/甘い)
第2回講義で学習したとおり、「このお菓子」と「甘い」のいう単語を並べただけで「このお菓子は甘い」という文章になるのですが、この二つの単語の間に「マイ」を入れることで「このお菓子は甘くない」という否定文になります。
単語 | 意味 |
---|---|
カノム・ニー (khanǒm-níi) (ขนมนี้) | このお菓子 |
【参考】 「カノム・ニー」 の各単語の意味 | カノム(khanǒm/ขนม):お菓子 |
ワーン (wǎan/หวาน) | 甘い |
【例文4】この部屋は寒くない
hɔ̂ŋ-níi mâi nǎao
ห้องนี้ ไม่ หนาว
この部屋は寒くない
主語
(ホン(グ)二ー/この部屋)
+
否定語
(マイ/~ない)
+
形容詞
(ナーオ/寒い)
「この部屋」と「寒い」の間に否定語「マイ」を入れることで、「この部屋は寒くない」という文章になります。
この文章から「マイ」を抜くと、「この部屋は寒い」という文章になります。
ホン(グ)ニー マイ ナーオ
(この部屋は寒くない)
⇕
ホン(グ)ニー ナーオ
(この部屋は寒い)
ホン(グ)ニー ナーオ
hɔ̂ŋ-níi nǎao
ห้องนี้ หนาว
単語 | 意味 |
---|---|
ホン(グ)ニー (hɔ̂ŋ-níi) (ห้องนี้) | この部屋 |
【参考】 「ホン(グ)ニー」の 各単語の意味 | ホン(グ)(hɔ̂ŋ/ห้อง):部屋 ニー(níi/นี้):この(指示語) |
ナーオ (nǎao) (หนาว) | 寒い |
タイドラマでみる、タイ語の否定文
ここからは、今回学習した「否定文」が確認できる、タイドラマのセリフをご紹介します。
タイのBLドラマ『2gether』のセリフ「俺は見知らぬ人とは話さない」
タイのBLドラマ『プロ・ラオ・クーガン/2gether The Series』の第1話のワンシーンをご紹介します。
車に乗っているSarawatを自転車で追いかけるTine。
「話をさせてよ」と言うTineに対し、Sarawatが返事をした際のセリフです。
กูไม่คุยกับคนแปลกหน้า
出所(ที่มา):เพราะเราคู่กัน 2gether The Series EP.1 3/4 4:49~4:53
(グー マイ クイ カップ コン プレー(ク) ナー)
※括弧書きは本記事の著者によるもの
この一文で、「俺は見知らぬ人とは話さない」という意味になります。
kuu mâi khui kàp khon plæ̀æk nâa
俺は見知らぬ人とは話さない。
詳しく見ていきます。
「クイ(khui/คุย)」は「話す」という動詞です。
この動詞の前に「マイ(mâi/ไม่)」がつくことで、「話さない」という意味になります。
「マイ クイ(mâi khui/ไม่คุย)」=「話さない」
「クイ」の後ろの「カッ(プ)(kàp/กับ)」は、「~と」という意味を持つ言葉です。英語の「with」に相当します。
ここでは動詞「クイ」の後ろについて、「クイ・カッ(プ)」で「~と話す」という意味で使われています。
また、最後の「コン プレー(ク) ナー」は「見知らぬ人」という意味です。
単語 | 意味 |
---|---|
クイ (khui/คุย) | 話す(動詞) |
カッ(プ) (kàp/กับ) | 〜と (英語の「with」) |
コン・プレー(ク)ナー (khon plæ̀æk nâa) (คน แปลก หน้า) | 見知らぬ人 |
【参考】 コン・プレー(ク)ナー の各単語の意味 | コン(khon/คน):人 プレー(ク)ナー (plæ̀æk nâa/แปลกหน้า):見知らぬ |
おさらい|タイ語講座第3回のポイント
タイ語講座第3回の本記事では、タイ語の否定文の作り方について説明しました。
- タイ語の否定文は、動詞/形容詞の前に「マイ(mâi/ไม่)」を置く
※「マイ」の位置は主語と動詞(形容詞)の間です。
主語+マイ+形容詞
第3回はここまでです。お疲れ様でした。
第4回講義はこちらから、第2回に戻る場合はこちらからどうぞ。
- 冨田竹二郎編『タイ日大辞典』(めこん)
- 宇戸清治編『パスポート初級タイ語辞典』(白水社)
- 三上直光著『タイ語の基礎』(白水社)
- 宇戸清治著『初級タイ語のすべて』(IBCパブリッシング)
- JittiRain著『2gether vol. 1 (เพราะเราคู่กัน 1) 』(everY)※電子書籍