「意識」を意味するタイ語単語「สติ（サティ）」の語源【パーリ語】

本記事では、タイ語で「意識・理性」といった意味を持つ単語「สติ（satì/サティ）」の語源を見ていきます。

タイ語 สติ	説明
単語 （読み）	สติ （satì/サティ） ※カタカナは参考
意味	意識 感覚 理性 落ち着き
品詞	名詞
原語	パーリ語

「意識」を意味するタイ語「สติ（satì/サティ）」はパーリ語から来ています。

詳しく見ていきます。

タイ語「สติ（satì）」の語源

タイ語「สติサティ（satì）」の語源は、「念、記憶」を意味するパーリ語「sati（サティ）」です。

【語源】パーリ語

パーリ語 sati	説明
単語	sati 動詞 sarati （サンスクリット：smṛti←√smṛ） より （後述します）
タイ文字 表記	สติ
意味	念 憶念 記憶 正念 注意
品詞	女性名詞

【参考】サンスクリット語

サンスクリット語 स्मृति （smṛti）	説明
単語 （デーヴァナーガリー文字）	स्मृति
単語 （読み）	smṛti （スムルティ/スムリティ） 語根√smṛより （後述します）
タイ文字 表記	สฺมฺฤติ
意味	の記憶 想起 記念 伝統的法典、など
品詞	女性名詞

【考察】タイ語「สติ」の語末「ติ（ti）」の元々の役割

ここからは、タイ語の単語「สติサティ（satì）」末尾の子音字「ต［t］」と、それについている母音符号「ิ［i］」に関連し、「ติ［ti］」の語源を探っていきます。

この「ติ［ti］」の原語での役割について、サンスクリット側の語「smṛti（स्मृतिスムルティ）」をベースに元々の意味を掘り下げて見ていきます。

より分かりやすいためサンスクリット側の語を用いて説明しましたが、パーリ語でも同様に接尾辞「ti」は動作名詞を作ります。

今回見てきた単語「สติサティ（satì）」同様、タイ語で単語の語末が「ติ」になっているものは、この動作名詞を作る「ti（ति）」から来ているものが一定数ある（*）と推察されます。

（*）“タイ語の単語のうち、語末が「ติ」になっているもの全てが、この動作名詞を作る「ti（ति）」に由来している” という可能性もありますが、現時点では確認できていないため「一定数ある」という説明に留めております。

本記事執筆時点で確認できているものは、以下の表の通りです。

【タイ語単語】 語末「ติ」 ＝動作名詞を作る「ti」	語源
ชาติ［châat］	jāti （サンスクリット/パーリ語）
มติ［mátì］	mati （サンスクリット/パーリ語）
ญัตติ［yáttì］	ñatti （パーリ語）
ญาติ［yâat］	ñāti （パーリ語）
สติ［satì］	sati （パーリ語）
ยุติ [yúttì]	yutti （パーリ語）
เกียรติ [kìat]	kīrti （サンスクリット語）
สันติ [sǎntì]	santi （パーリ語）

【まとめ】タイ語で「意識」を意味する「สติ（サティ）」の語源

本記事では、タイ語で「意識・理性」といった意味を持つタイ語「สติ（satì/サティ）」の語源について見てきました。

まとめます。

本記事は以上になります。

ここまでお読みくださり、ありがとうございます。

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