タイ語学習者の方から、「タイ語のスピーキング能力を上げるにはどうすればよいか?」という相談をいただきました。
初めまして。タイ語のスピーキングのレベルを上げたい、というご相談。私もタイに住んでしばらくの間、タイ…
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— Sripasa (@sripasaa) October 19, 2019
お気持ち、本当によく分かります。
私もタイに住み始めてしばらくの間、タイ人の知り合いと呼べる人はタイ語の先生しかいなかったんですよね。
とにかくタイ人と知り合う機会がなかったし、かといって、闇雲に話しかけてみる勇気もなかった。
ただやはり、「スピーキングのレベルを上げる」という観点で見ると、その状況(=タイ人の知り合いがいない状況)のままでは話す機会が無く、結果として話せるようにはならないです。
「スピーキング」は話し相手あってのもの、相手が必要なことですから、少しずつでもいいので自身の周りの環境を、よりタイ語を話せる環境に変えていきたいところです。
ですが、こういう類の話は、「自分に合うやり方」が人それぞれ違うと思います。
「こうしたらいいよ」といって同じ方法を取り入れにくい話だと思いますので、あくまで一個人の経験談・アドバイスとして聞いていただければ幸いです。
では、はじめます。
タイ人の友達がいなかった話【私自身の体験談】
タイ人の友達がなかなかできなかった最初の頃
前述の通り、私自身、タイに住むようになってしばらくの間、タイ人の友達と呼べる人はほとんどいなかったんですね。
当時、チュラロンコン大学のタイ語コースに通っていて、一生懸命タイ語を勉強してはいたけど、タイ語を話す相手は、
運転手さん
お店の人
くらいでした。
とにかくタイ人と知り合う機会がなかったんですね。
ご自身の性格によっては、周りのタイ人に話しかけてどんどん話し相手を増やす、みたいな社交的な方もいらっしゃると思います。
もちろん、そういう方法もアリだし、羨ましいとも思うわけですが、そういう行動を取るのが難しい人もいます。
私もどちらかというとそうでした。
「タイ人の友達を作ればいいじゃない」と仰る方もいらっしゃるかと思います。
ですが、すぐに友達ができるかといえば、そうじゃないですし、知り合ってすぐに友達になれるかといえば、これまたそうでもないと思うのです。
やっぱり、価値観が合う人だったり、一緒にいて楽しいから自然と友達になるわけです。
話好きではない人間がどうやってスピーキング能力を向上させるのか?
私自身、基本的に聞き手にまわることの多い人間です。
話好きではない、ということでもない(と思っている)のですが、日本人の友人と一緒にいても、相手の方が話したいことがあるとか、話好きの方だったりすると、自分の話す量が自然と少なくなることがあるんですね、無意識に。
自分としては聞き手でいる環境は全くストレスではないのですが、外国語のスピーキング能力を上げる、という点においては結構致命的だったりするんですよね。
日本語でも話さないのに、外国語で話すのか?と。
なので、「意識して、タイ語を話す(話さなければいけない)機会を自ら作る」ということを考えました。
(詳細は後述)
タイ人と知り合うきっかけを見つける方法【私自身の体験談】
私個人の意見ですが、後につなげられる(友人になって長く付き合える)ようなタイ人と知り合う方法は、「仕事をする」という選択肢を除くと、次の2つかなと思っています。
- 自分の好きなこと(趣味)でタイ人と関わる
※タイ語学習以外 - 自分が優位に立てることでタイ人と関わる
私のケースでは、結果論ですがこのようにやりました。
- 自分の好きなこと(趣味)でタイ人と関わる
→洋裁学校に通う(私以外全員タイ人) - 自分が優位に立てることでタイ人と関わる
→ボランティアで日本語を教える
補足すると、日本語を教えることで自分のタイ語能力が向上することを、当時はそこまで意図していませんでした。
ただ、タイ語を話さなければならない環境を少しでも作りたい、という思いはありました。
洋裁学校も、洋裁を習いたくて行ったら、私以外全員タイ人だったという話です(こちらはある程度予想していましたが)。
タイ在住時にバンコクのアリアンス・フランセーズで洋裁を習った話【体験談】
ただ、今振り返ると、この時のタイ人とのやりとりのおかげで、タイ語能力が向上したと感じるんですよね。
特に日本語を教えたのは、結果としてタイ語を話す機会につながりました。
そして、スピーキング能力が向上し、リスニング能力(これはタイドラマで鍛えました)も向上すると、タイ人とより深い話ができるようになって、より仲良くなっていきました。
今の私のタイ人の友人は、このボランティアを通して知り合った方がほとんどです。
日本語を頑張って勉強している方々だから、なのかは分かりませんが、気が合う人と出会えることが結果として多かったように感じています。
ボランティアで日本語を教えていた話【体験談】
プロフィールにも書いている通り、色々なボランティアに参加しました。
「タイ語を話す」という点で見ると、結果として一番効果的だったのは、「個人的に日本語を教えていたケース」です。
生徒さんとの出会いは色々です。
友人から紹介してもらったケース、カフェで店員さんから声をかけられたケース、住んでいたアパートのスタッフから日本語を教えてほしいと頼まれたケース、ボランティアで訪れていた日本語学校の先生から紹介してもらったケースなど、きっかけは本当に様々でした。
たまたま単発のレッスンに参加したタイ料理学校の先生から、先生のご家族を紹介してもらったケース、なんていうのもありました。
きっかけは、実は些細なところにあったりするのかもしれません。
以下の記事の中でも、このボランティアとスピーキングの話について触れていますので、ぜひご覧ください。
【タイ語学習】中級〜上級者向け勉強法|スピーキング』
(【タイ語勉強法】中級から上級へ独学でステップアップするために取り組んだこと【スキル別】)
Language Exchangeの形式を採った方もいます。
生徒さんは、日本語学校に行けない方(金銭面だったり、シフト制の仕事で決められた日程に通えない)、日本語の勉強を過去に挫折した(日本語学校の授業についていけなかった)方が少なからずいらっしゃいました。
特に後者の方(日本語の勉強に挫折した方)にとって、私がタイ語で説明してあげるのが気に入ってもらえたのか、友達を連れてくるようになり、生徒さんの数は(意図せずして)増えていきました。
最初はマンツーマンのレッスンだったのですが、複数の生徒さんに教えることが多くなり(多いと3対1、通常でも2対1)、ちゃんと事前に準備しないと授業が成立しないようになっていきます。
レジュメも毎回手作り。
せっかくなら、と生徒さんの興味のありそうな話題(日本のアイドルの話、時事問題、日本の慣習について等)をその人のレベルに合うよう調節して教材を作り、それをタイ語で説明できるように事前に準備。
そして当日タイ語で説明するわけですが、まぁ、なかなか難しい。
タイ語で上手く説明できない場合も出てくるわけです。
それは後日調べて説明するとか、その場で色々話してなんとか理解してもらうとか、いろいろな方法を試みたわけですが、複数のネイティブに対して1人でプレゼンしているような形に(結果として)なっていったんですね。
当時はなかなかハードでしたが、この経験の積み重ねが「タイ語をなんとしてでも伝える」力が身についたのだと思います。
タイに住んでいた当時はボランティア(無料)で教えていて、日本に本帰国して以降もオンラインでも習いたいと、有料に切り替えてレッスンを続けた生徒さんもいます。
念のため補足させていただくと、共通の友人などがいないケースの場合、信頼関係が築けるまでは
- 個人情報のやり取りは必要最低限に
- 人の出入りの多い、明るい空間で会う
(ショッピングモール内のカフェ等) - 基本的には同性の生徒さん
となるようにしていました。
「タイ人が興味を持つこと・タイ人が好きなもの」に、興味を持ってみよう
会話で大事なのは、中身(話す内容)ですよね。
そこでおすすめしたいのは、タイ人と共通の話題を持つことです。
そのために、タイ人が好きなもの・タイ人が興味を持つことに、自分も興味を持ってみる、少なくとも知ろうとしてみることをおすすめします。
話が盛り上がりますし、知ることで好きになることもあります。
個人的におすすめの話題は、「タイのドラマ(+映画)」「芸能人(俳優)」「サッカー」です。
タイ人が好きなもの|ドラマや芸能ネタ
タイの方は、ドラマ好きの方が本当に多いです。
ですので、流行りのドラマを観てみたり、その主演俳優について調べてみたり、興味を持ち、多少ながら知っておくことで、タイ人と話す時に話題に困りません。
特に女性の友人とは、タイの芸能人のゴシップニュースで盛り上がることもあります。
私自身、もともとドラマに興味がなかったのですが、リスニングを強化したいとドラマを見始めて、今はタイのドラマが大好きになりました。
タイ人が好きなもの|サッカー
サッカーは、西野朗氏がタイ代表監督になり、話題になっていますね。
タイのメッシと呼ばれるチャナティップ氏など、日本のJリーグで活躍している選手も何人もいらっしゃいますし、良い話題だと思います。
私はサッカーのルールなど全然詳しくないですし、昔から興味があったわけではありません。
ですが、タイで一番人気のあるスポーツは(おそらく)サッカーであることと日本で活躍しているタイ人選手がいることに加え、タイ語のスポーツ用語に慣れたい(少し表現が独特なことがある)という思いで、興味を持つようになりました。
今は一ファンとしてタイ代表を応援しています。
アジア2次予選|西野監督率いるタイ代表の対戦国・試合日時・開催地・メンバー・チケット購入方法まとめ【2022年ワールドカップ】
ご質問者様へのアドバイス
ご質問者様からの質問に戻ります。
上述の私自身の経験をふまえ、私からアドバイスできることは以下の3点です。
- 自分の好きなこと・趣味で、タイ人と関われそうな場所・機会がないか探してみる
- 自分が教えられそうなことで、タイ人と関われそうな場所・機会がないか探してみる
- タイ人の好きなことに興味を持ってみる
①については、まずは通われているタイ語スクールの先生に聞いてみるといいと思います。
私自身、思い返してみると、洋裁学校の情報もボランティアのきっかけとなる出来事も、タイ語の先生から紹介してもらったんですよね。
「自分はこういうことに興味があるんだけど、タイで学べるところ、お手伝いできるところはありませんか?」みたいな感じで聞いてみてはいかがでしょうか。
③は、リスニングの強化にもつながるので、タイのドラマを観てみることをまずはおすすめしたいです。
以下のツイートでもお話ししたのですが、タイにお住まいでタイ語検定3級に合格されている単語量があれば、タイのドラマを頑張って見ていけるレベルにあると思います。
タイ語検定3級に合格されていて、タイにお住まいの方であれば、基礎はできていて、且つ耳がある程度タイ語の音に慣れていると思いますので、少しずつでも字幕なしでタイドラマに挑戦してみてください!
— Sripasa (@sripasaa) October 10, 2019
字幕なしである一定量(10〜30分ほど)観て、どうしても分からない単語や、意味が分からなくて気になった箇所を、後から遡って字幕ありで観て内容を確認する、というのが良いと思います。但し、この時に遡る作業をし過ぎると、次の内容に進むのに時間がかかってしまうので、 続
— Sripasa (@sripasaa) October 9, 2019
「多聴」に重点を置いて、確認する単語やフレーズは数点に留めておくほうが良いと思います
私見ですが、ドラマをタイ語学習に役立てるには、中級(の半ば)以上のタイ語力が必要かなと感じています。そのレベルに達していない場合は、字幕なしだと疲れてしまうと思いますので、 続
— Sripasa (@sripasaa) October 9, 2019
無理せずに、字幕を見ながらでも楽しんでタイドラマを観るというので、十分意味のあることだと思います
中級(半ば)以上のタイ語レベルであれば、最初は辛いと思いますが(私も最初の頃は理解度は低かった)、字幕なしで観たほうが良い訓練になると思います
長々とすみません。応援しております!
— Sripasa (@sripasaa) October 9, 2019
最初は大変だと思いますが、少しずつでもリアルの会話のやりとりに触れるために、ドラマにもぜひ挑戦してみてください。
リスニングができるようになると、タイの方との会話でも「聞き取れなかったらどうしよう」という不安が減り、自信をもってやり取りできるようになるので、おすすめです。
以上になります。
このお返事が少しでもお役に立てましたら幸いです。
Sripasa(@Sripasaa)でした。