タイ語能力を客観的に示す指標の一つとして、『実用タイ語検定試験』があります。
実用タイ語検定の最新情報は日本タイ語検定協会公式サイト(または公式SNS)にてご確認ください。
http://www.thaigokentei.com/
https://twitter.com/thaigokentei
タイ語を勉強されている方の中には、既に受験経験をお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、1級から5級までの6段階の、ざっくりとした特徴は下記の通りです。
- 1級:
記述式のみ
二次面接あり
2級よりもスピードが求められる - 2級:
記述式のみ
二次面接あり - 準2級:
記述+選択式
一次試験のみ(二次面接なし)
3級にはなかった、短い作文や単語を書くことが求められる - 3級:
マークシート式
一次試験のみ
4級と比べると単語量がそれなりに必要 - 4級:
マークシート式
一次試験のみ
タイ文字を読む能力が必要になる
※タイ文字が読めるかどうかが5級との大きな違いで、5級の試験内容に「読解」の項目が加わった感じ - 5級:
マークシート式
一次試験のみ
phonetic(ラテン文字表記)のみで、タイ語の読み書きは不要
レベルアップを図っていく上で最初の壁になるのは、「マークシート」式から「記述(一部選択)」式へ変更となる『3級→準2級』ではないでしょうか。
今日は、『実用タイ語検定試験 準2級』に焦点を当てて、合格するために必要なことを3点と対策方法についてご紹介したいと思います。
「実用タイ語検定試験」準2級合格に必要なもの①『単語量』
準2級の試験に向けて単語量を増やそうとしたとき、すべきことは、大きく分けて2通りあります。
- 知っている単語そのもの(=新しい単語)を増やす
- 既に知っている単語の中で、正しく書ける単語を増やす
(=書き方を忘れてしまったものを思い出す)
タイ語は、先に会話を学び、一定期間が経ってからタイ文字(読み書き)の勉強を始める方が多いためか、どうしても、
音で知っている単語のほうが、読み書きできる単語よりも多い
知ってるけど、書けない単語が少なくない
という状態になりやすいので、準2級レベルの単語量を増やすためには、この①新しい単語を増やすことと、②書ける単語を増やす<ことを同時に進めていく必要があります。
単語を覚えるための「手作り単語帳」の作り方と使い方【語学学習/タイ語】
知っている単語そのもの(=新しい単語)を増やす
新しい単語の増やし方は、何かを読んで出てきた単語を拾っていくのが良い方法だと思います。
単語帳をひたすら覚える…というやり方もあるのでしょうが、単語だけ覚えても、どういうシチュエーションで使われているかが分からないと、実際に自分で使おうとしても、適切な使い方ができないからです。
色々な文章を読むことで、読解の練習にもなります。
新しい単語を増やすために「何を読むべきか?」
読む教材の選び方ですが、自分の興味が続くものにすることが一番大事です。
興味のある分野の雑誌や、好きな俳優のSNSなど、何でも良いと思います。
特におすすめしたいのが、Twitter(ツイッター)を活用することです。
今は、新聞などの紙媒体よりも、ツイッターなどのSNS上に配信される記事を読む方が手軽だと感じています。
Twitterをおすすめする理由はこちらにも纏めていますので、宜しければご覧ください。
【タイ語勉強】ツイッターでタイ語を読むことを習慣づけよう[SNS/Twitterを使った語学学習]
新しい単語を増やすために読みたい、おすすめの『ニュース記事』
ニュース記事を読むと、今タイで話題の事柄に触れることができるので、おすすめです。
ニュース記事を読む際のポイントは、難しい記事を選ばないことです。
難しすぎる記事の場合、読み進めても分からない単語が多過ぎて嫌になってしまう可能性があります。
慣れるまでは、あえて簡単そうな記事を選んだり、写真などから自分が理解できそうな記事(例えば日本のニュースなど)をわざと選んで読んでみることをおすすめします。
ニュースが読めるおすすめのツイッターアカウントについては、前述の記事の中でまとめていますが、特におすすめのアカウントを1つ挙げておきます。
『Morning News TV3』
(เรื่องเล่าเช้านี้/ルアン・ラオ・チャーオ・ニー)
Channel 3(チャンネル 3の朝のニュース番組)
Twitterアカウント:@MorningNewsTV3
ツイートが短く読みやすいことは勿論、動画があるニュースが多いこと、1つのニュースの長さが長過ぎないものが多いことも、@MorningNewsTV3が準2級レベルの学習教材として最適と考える理由です。
また、動画についているリンク先にスクリプト(原稿)があるので、それを印刷して(または手書きで写して)読解の練習に使うことができますし、リスニングも並行して試してみて、分からなかった部分を文章で確認することもできます。
こちらの記事で、具体的にリスニング教材に活用したニュースをご覧いただけます。
【中級レベル】タイ語学習者向けオリジナルのリスニング教材一覧|ネイティブの生の音声で練習しよう
ネット記事を教材として使う場合はタブレットの利用がおすすめ
ネットの記事を教材として活用する際は、iPad Proなどのタブレットを使って整理するのもおすすめです。
語学学習者の方に結構おすすめなのが、外国語の記事を
タブレット+タッチペン(スタイラスペン)+ノートアプリ
を使って読むことです😎
蛍光ペンを引いたり、調べた単語を書き込んだり。
そのままデータで保管できるのも魅力です。書き込まないと頭に入ってこないんですよね…😓#タイ語 pic.twitter.com/sy7Et8KtPw
— Sripasa🌺 (@sripasaa) January 31, 2019
知っている単語の中で、正しく書ける単語を増やす
書ける単語を増やすためには、これまで勉強して出てきた単語をとにかく何度も書く(言葉が悪いですが、とにかく「書きまくる」)、これに尽きると思います。
私が通っていたタイ語学校(チュラロンコン大学)の初級~中級レベルのクラスでは、ほとんど毎朝単語テストがありました。
前日に新しく出てきた単語(1日40〜50語)の中から10語くらい出題されて、単語テストの結果も全体の評価に反映されるという厳しいものでしたので、できるだけ良い点が取りたく、とにかく何度も書いて覚えるようにしました。
そうやって「体(手)で」覚えた単語は、(特にスペルが複雑なものほど)未だに手が覚えているのか、忘れていても手を動かしてみると思い出すことが少なくなく、あの頃の「書きまくり作戦」は無駄ではなかったと、今振り返ると思います。
タイ語のスペルは、その語源と密接に関係しています。
タイ語の単語(特にインド系言語(サンスクリット・パーリ語))の語源について、こちらにまとめていますので、単語のスペルを覚えることに苦手意識のある方は、ぜひあわせてご確認ください。
【タイ語】単語の語源(サンスクリット・パーリ語起源)
「実用タイ語検定試験」準2級合格に必要なもの②『タイ語での作文能力』
3級までと準2級以上の圧倒的な違いは、記述式が加わることだと思います。
「書ける単語を増やす」という話とも関係してくるのですが、「話す」のは、多少発音に自身がなくても、それっぽく言えば(シチュエーションでも判断してもらえるので)通じることも少なくないですが、「書く」というのは、ちゃんと覚えてないと絶対に書けません。
私が受けた準2級の作文の問題に「郵便局」という単語が出てきたのですが、
「郵便局… どう書くんだっけ? “郵便”の最後(末子音)のスペルはย(y)だっけ?最後に ์(読まない文字の上につける黙音符号) がついたっけ?」と、数分も頭を悩ませた記憶があります。。。
(※ちなみに正解は「ไปรษณีย์」です。)
※「ไปรษณีย์」の語源についてこちらで解説しています。
準2級だと作文はごくごく簡単な文章ですが、それでもいざ書くとなると、慣れてないと時間を取られます。
この対策としては、日頃から日常の簡単なことを文章にすることです。
そして、可能であればタイ人の方に添削してもらい、添削してもらったものを暗記するところまで出来ると、次から自分の言葉として使えるので完璧です。
作文はどんな内容のものにすべきか?
日記のようなものを書いてもいいと思いますし、毎日テーマを決めてそれについて何か書くとか(今日はスポーツについて、明日は旅行について、等)、または、タイ人の友人にLineしまくる(笑)とかもアリだと思います。
どんな形であれタイ語で伝える練習をしていくのが良いと思います。
ただ、スマホやPCでタイプするのと手書きでは少し感覚が変わりますので、タイ語検定試験対策としては、手で書く練習を意識的にした方が、当日スムーズに手が動くのでおすすめします。
作文力をつける上で、おすすめのタイ語書籍2選
『タイ語上級講座 読解と作文』
作文の力をつけたい方におすすめの参考書の一つが、『タイ語上級講座 読解と作文』です。
各課にある「文法&表現」を確認し、自分でも似たような文章を作文していくことで、力がつけられる一冊です。
東京外国語大学で開講されていタイ語講座(社会人向け)の上級クラスの講義テキストとしても使用されているもので、おすすめの一冊です。
以下の記事でも詳しくご紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。
【タイ語本】独学でタイ語を勉強する方におすすめの学習教材【テキスト・音声】(初心者~中級)
実用タイ語検定3級受験に向けた効果的な勉強方法とは?|私が考える試験対策のポイントを丁寧に解説
『間違いだらけのタイ語』
もう一冊、おすすめなのが『間違いだらけのタイ語』です。
この本は、日本人がよく間違える言い回しや表現について、何が間違っていてどう直せば正しくなるのかということを、具体的に文章を挙げて説明してくれています。
タイ文字に加え、タイ語の発音記号(phonetic)も書かれています。
本書で挙げられている例文も「AはBです」といった基本的なものから始まっていて、初級学習者の方から使える本かな、と感じておりますが、本全体で見ると中級学習者の方向けの一冊かと思います。
実用タイ語検定準2級合格を目指し学習中の方も、これまで作文についてじっくり見直す機会のなかった方には、自分が誤解して覚えてしまっている文法事項や(本来は正しくないのに)癖になってしまっている言い方を再確認するのにとても良い一冊だと思います。
作文に苦手意識のある方に手に取っていただきたい一冊です。
「実用タイ語検定試験」準2級合格に必要なもの③『スピード』
制限時間を設けて問題集を解いて、スピード感を意識することが大事になってきます。
語学の試験準備に欠かせないことではありますが、試験問題のレベルを把握したり、時間配分を事前に考えておく上でも、「過去問を解いてみる」ことはとても重要なことだと思います。
受験する級のレベルが自分の現時点のレベルに合っているかどうかを確認するためにも、受験を検討されている方は、まずは過去問に挑戦してみることをおすすめします。
実用タイ語検定試験 過去問題と解答 準2級 2017年・2018年
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まとめ|実用タイ語検定試験準2級合格のために
今日は、実用タイ語検定準2級合格のために必要な3つのことについてお話ししました。
- 単語量を増やす
新しい単語を増やしながら、既知の単語を正しく書けるようにしていく - 作文能力を上げる
日常のことを文章にしてみる - スピードアップ
過去問を解いて時間配分をあらかじめ考える
実用タイ語検定試験は年2回(春季と秋季)に開催されていますが、この準2級は春のみの開催です。
次回の合格に向けて、是非スケジュールを立てて勉強を進めてみてください。
実用タイ語検定試験 過去問題と解答 準2級 2017年・2018年
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